森本正史のレビュー一覧

  • 21世紀の不平等

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    ピケティの本をさらに深堀りしたような本と認識している。未来に関心がある人であれば、まず読んでおいて損はないと思われる。

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    2016年10月25日
  • 21世紀の資本

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    ジャック・アタリのように数字で押しまくるページもあればバルザックからの長い引用もあり、教養の深さの見せ方もさすがといったかんじ
    14章、15章は近〜現代の各国の制度における功罪について述べており興味深い

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    2025年03月02日
  • 21世紀の資本

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    19世紀から20世紀にかけての世界のお金の流れを、今までにない規模でのデータから集約、分析し、資本主義のなかで拡大する格差に歯止めが必要であると訴える書。

    ふとしたきっかけから手にした、ピケティ『21世紀の資本』。
    本文、およそ600ページ。
    経済の話、苦手だし……、読んでもわからないかもしれないし……。
    読まない理由はいくつもあったけれど、2010年代を代表するベストセラー、せっかくならどんな本か知りたい!と1ページ目から体当たりしていくことにしました。

    さいしょは「資本」とか「所得」の用語が出てくるたびに、意味が頭に定着していないから、いちいち立ち止まっていました。
    ノートにメモをとっ

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    2024年10月27日
  • 「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて

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    8章まで読み始めたことを後悔しながら読んだ苦労が、9〜10章で報われた気持ちになった。
    あえてなのかはわからないが、この訳者でなければもっと違った印象で読めたであろうことが残念。
    主著者が女性なのに、なぜわざわざ男性の乱暴な口語体で訳する必要があったのか。
    しかしそれを差し引いても自分も社会も多く問い直せるきっかけになった、読む価値はあったと思える一冊。

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    2023年02月28日
  • 21世紀の資本

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    この本の3分の1は、「21世紀の資本」という本の代名詞のようになっている r > g(資本利益は経済利益を上まわる)という式の解説である。残りの3分の2は、格差と資本集中の解消に資本に対する累進課税と、相続税への課税の有効性、政治と経済の関係についての考察である。とくに終わりにちかい50ページについては、EUの抱える問題点に言及がある。経済というと、様々な数式や、理論があるが、現実はどうだったのか。資料を集め精査し、経済理論の様々な色眼鏡を外してみると、事実が見えてきた。というかんじなのだ。いくつか、象徴的だと感じる瞬間が読んでいてある。たとえば、累進課税方式が格差をなくすための知恵の産

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    2022年10月10日
  • OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る

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    歴史上、新たな技術などの”異質なもの”に対して「オープン」な姿勢で接した国家が成功してきた反面、それらの国々がいつしか「クローズ」になり、没落していったのはなぜか。人間の進化の過程を遡ってその要因を明らかにし、現代社会に影を落としつつある「クローズ」の脅威に立ち向かう方策を提唱する啓発書。

    著者は、かつての古代ギリシャやローマ帝国から、8世紀以降のイスラム諸国、宋代の中国や近代オランダ帝国に至るまで、歴史上「帝国」と呼ばれた国々に共通する成功の根本要因は、”他所者”たちと能動的に交流する社交性や、それらがもたらす異文化や新技術などを認める寛容性と、既存の価値観に捉われずに新たなものを積極的に

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    2022年08月21日
  • OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る

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    ネタバレ

    「オープンな社会の方がクローズな社会よりも望ましい」という直感的にも納得感のある主張を、歴史を振り返りながら検証していくと同時に、なぜ人類はオープンな社会を維持できないのか/維持するにはどうすればいいのかについても考察された本。

    人は、共感しやすい内集団と攻撃的に振る舞いがちな外集団をつくりだすが、内集団を広げて、多様性をどこまで取り込めるかが、オープン性にかかっているような気がした。
    この内集団と外集団の境界は簡単に変化するもので、外集団と接して共通点を見つけるだけでも内集団は広がるし、逆に内集団内で疑心暗鬼が広がるだけでも内集団は狭まる。
    オープン性を維持する方法は、シンプルに、外集団と

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    2022年07月18日
  • 21世紀の資本

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    トマピケティの代表的な名著
    資本主義はいずれ資本の均等化、貧富の差は縮まるとするクズネッツ仮説を否定して、富めるものはより富み、貧するものは永久に貧する事を膨大なデータにより(r>g)証明せしめた、いわば現代の黙示録である。

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    2022年03月26日
  • 21世紀の資本

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    トマ・ピケティ(1971年~)は、フランスの経済学者。2002年にフランス最優秀若手経済学者賞を受賞。パリ経済学院設立の中心人物、教授。社会科学高等研究院の研究部門代表者。
    本書は、2013年にフランス語で発表され、2014年4月に英語版が発売されるやベストセラーとなり、同年12月には日本語版が出版されブームとなった。30ヶ国以上で翻訳され、経済学書では異例の300万部以上を売り上げている。また、2019年には、ピケティ本人が出演するドキュメンタリー映画が公開された。
    私は従前より、世界中で格差を広げる資本主義に問題意識を持っており、これまでも、ジョセフ・スティグリッツ、水野和夫、広井良典(社

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    2021年09月10日
  • 21世紀の資本

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    才能ある人に大きな報酬を与えて才能を開花してもらえば、社会の生産性が高まり経済が発展して、結果として最下層の人々にも恩恵がある(クズネッツ)というわけではない。80年代以降、先進国の経済成長率は低下している。賃金は経済成長率と同じくらいしか増加しない。一方、金融や不動産など、資産を投資して得られる収益率は増大している。経済成長率が、資産からの収益率よりも低ければ、収入格差は広がっていく。労働者が経済成長によって得る所得の増加幅よりも、資本家土地や株式で得る利益の方が常に大きいので、不平等が拡大した。資本の格差は相続によって固定されている。所得(フローへの課税だけでなく、資本(ストック)への課税

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    2021年07月31日
  • 21世紀の資本

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    データを集めること。そのためにも各国各企業が透明性のあるようにすること。そして、稼いだお金でなく所有するお金に累進課税をかけるべきだということ。恐慌、大戦のショックで経済に多くの影響を与えたこと。そして持ち直ししたが、19世紀とは比べられないくらいに複雑になったこと。インフレは20世紀に発明されたものであること。数字に細かくならないこと。民主的に解決すべきであること。経済学は歴史学、政治学、人類学、文学などと共に立ち上がらなければならないこと。

    以上、頭に残っていること。

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    2021年06月14日
  • 21世紀の資本

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    長い上に難解で、理解できなかった部分があった。要するにピケティが言いたいことは「過去から現在までr(資本収益率)はg(国民所得成長率)を上回ってきたから、このまま何の手も打たなければ格差はどんどん開いていくよね」ということだと理解した。この「何らかの手」とは、「教育」と「(累進的)資本課税」だとピケティは主張する。しかしこの実現には高度な国際政治的協調が必要で、難しい。それでもこれを目指していくことが大事だという。

    データが豊富で、非常に説得力がある。経済学や金融財政学の知識をもっと増やして、もう一度戻ってきたいと思える一冊。

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    2021年05月23日
  • 21世紀の資本

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    ようやく読み終わりました・・・注釈含めると700Pの大作・・・読破するには覚悟が要ります・・・
    自由な資本主義の行きすぎにより留まるところを知らず拡大した格差。ピケティの主義主張は一貫して、「累進課税」。資本税の導入だという。不労所得にも税をかけること。確かに。寝かせられるだけのお金をたくさん持っていればいるほど、その人は働かなくても食っていける。そうすると富めるものはより富み、持たないものはより細る。ただし、資本税が有効に働くのは、すべての国の銀行口座情報がガラス張りになっていること、これがないと、今横行している税金逃れが続いてしまう。
    コロナで世界中で景気が停滞し、失業者が出る一方で、今ま

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    2020年09月09日
  • 21世紀の資本

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    「資本収益>経済成長」という経済格差問題を超超超絶長い紙幅で論じた本
    リーマンショック後の影響もありこれでピケティが世界的に有名な学者になった
    補足として、『21世紀の資本論』は解説本が魍魎跋扈しているが、
    あまり読む意味のない本が多いのでネットにある訳者解説を見るべき

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    2020年07月12日
  • 21世紀の不平等

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    ピケティの師匠であるアトキンソンの、経済格差問題の本
    ピケティが『21世紀の資本』で経済格差の内容を明らかにして
    本書でより現実的な政策提言を行う感じの流れがある

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    2020年07月12日
  • 21世紀の不平等

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    提案の方向性はおそらく正しいものだと思う。ただし、膨大な項目にそれを引用する上での留保。理解する上での前提の多さ、この留保や前提は数字のことではあるものの、どこか宗教的感性が必要だ。これは、この人の物言いがそうなんじゃなくて経済学の話全般に言える胡散臭さや問題点だと思う。テレビでの解説は概ね簡略化されている。コメンテーターもわかりやすく言うが実相が見えている人は表に出てこないで金を稼いでいると思う。そういう人たちの野心の強度に比べて学者の言論は心許ないなというのが正直な印象。合意を形成して目指すにしてはもっと別の枠組みも必要になると感じた。

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    2017年12月18日
  • 21世紀の不平等

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    アトキンソンはピケティの師と帯には書いているが、序文にはピケティの文章が載っている。
    格差と不平等に関する論考で、現状を歴史も含めて検討し、それに対する対策を提案し、またその反論に対する論駁を述べている。数字はたくさん出てくるが、ピケティの本に比して数式は少ないので読みやすいが、やはり翻訳本であるので、文章がこなれてないところは多少ある。また経済学の基本を理解していないと本当の理解には進まない部分もある。ただ格差と不平等を学ぶ教科書であることは間違いないのであろう。

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    2017年09月30日
  • 21世紀の不平等

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    ネタバレ

    ☆は3にするか4にするかでちょっと悩んだけど。
    普段、経済政策の話って実はあまり読むことなくて、不平等を経済政策としてゆっくり考えたの初めてに近いから、そういう意味で、いいきっかけになったから、4にしました。

    つまり、これまで、個別に社会保障問題、年金、税率、社会サービスへのアクセスなど、考えたりはしてきているけど、それを全体政策として捉えきれてなかったし。社会サービスへのアクセスも、貧困層が弱いのはもちろん自明だったし拡大すべきと思っていたけれども、その捉え方はどちらかというと、人権思想であり、まあ、capabilityアプローチであって、それがすなわち所得の拡大と同義だ、なんていう考え方

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    2017年01月14日
  • 21世紀の不平等

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    ピケティを受けて書いていることがいろいろなところに出てくる。
     意外と読みにくいという感じがしたが、イギリス経済を語る上には必須のほんであろう。

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    2017年01月12日
  • 21世紀の不平等

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    ネタバレ

    イギリス式の政策を中心にした格差是正方策の検討。日本と引き比べてみるとやはりEUって大きいんだなあ。

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    2016年04月27日