阿吽社のレビュー一覧
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空海キターーーーーッ!!!!!で終わる怒涛の2巻であった…
『阿・吽』は読みたいけどどうしよう、仏教興味ないし…と言う人も多いんだな、と思われる…平安時代って何時代だっけ、ってな私でも十二分に楽しめる面白い漫画である。読もう。背景解ってない、勉強不足でも読める、それが漫画の素晴らしい所!!繊細な最澄の前で繰り返される人の死…
彼の心はどうなってしまうんだろうか…
この辺り、カネキくんに降りかかる運命の残酷さ、それを受け止め決して闇に引き摺られない、あの感じに似てるんだよ…悪意はあるが仕方ないと割り切ってしまっている狂気に「正しさ」は対応できるんだろうか、ってこの図式とか、瓜江と六月が出て来てしょうがない。比較し、こじ付けて読んでる訳では決してないんだが、如何に東京喰種が人間に在り方を問うている作品かが解る、『阿・吽』の2巻読んでると、そう思う。
こんな時代だから、と言うフレーズはよく聞くが、この作品が生まれたのは間違いなく現在と言う世情があるからだと思う。この「閉塞感」はどこから来ているのだろうか。いつからこんな事を感じる様になってしまったのか。自分からこの世におさらばしてやるんだ、それが社会に対する主張なのだと「死」を念じていた十代。なんであんなに死にたかったんだろうか、それは「周囲と同調できない自分」を持て余し、自分は人とは違うのだと中二病的考えにとりつかれていたからだ。社会に入ると、仕事をしていれば割と自分の居場所が出来たりする。職種差別は学歴に直結しているが、その仕事の中で能力を発揮するのに学歴はあまり必要ないと気付くと、死にたいとは思わなくなる。死にたいと思うほど辛い事も経験するが、それがいつまでも留まっては居ない事も経験で知るようになる。そして、割とずっと働いて来ても報われない社会になっていると突きつけられる。社会人として社会に貢献していても、社会からの報いは受けられないんだな、と知る。閉塞感は現実がクリアに見えてくることで起こる。漠然とした不安ではなく、どんなに働いても、十分な年金を貰えず極貧の内に死ねと言われる社会。だからこそ、こう言う作品が生まれるのだろうと思われる。読みたい人が「いる」と言う現象が起こる。
今の社会では多幸感は得られないとみんなが気付き始めている。その多幸感は「財」には求める事は出来ないのだ。自分の「生」を如何に終わらせるかは財に頼れない、そうなると心が強くなりたいと願うに決まっているじゃないか。 -
Posted by ブクログ
最澄と空海の事なんぞ、中学で習って以来考えたんじゃないか、って感じだけど、おかざき真里さんの『阿・吽』面白い!!!!!最澄のトラウマ、空海の渇望、共に生き生きと描かれている。
後の最澄一番弟子の泰範の闇が深く昏く、なのに軽い。泰範の立ち位置と言うか、背景が什造?『摩利と新吾』の篝?タイプと言うか、上手く言い得てないが、暴力を誘発する見た目なのに、それを退ける為に使うのも見た目に付随する笑顔と言う、何とも言えん昏さがいい!!最澄の弟子になった後の彼がどうなるのか見たい…そう言う気持ちにさせる人物(外見が女の子みたいに可愛い為に父親に姉の着物着せられて売られてしまう、その先に待っていたのは恐らく「暴力の的になる」と言う役目だったと思われるが、そこからどうやって僧侶になったのかを知りたい…)。
乱丈さんの『ペット』読んだ時の衝撃に似ている!!
その漫画にハマる瞬間ってあるかないかだと思うんだ…読み始めは無論初見な訳だから作品に対する期待と不安がないまぜになった気持ちで、そこにひと波が押し寄せて、でもまだ解らない、って時に最初の波が大波になって覆い被さって来る瞬間。おかざき真里さん『阿・吽』1巻目は羽取の袂を嗅ぐこのコマだった。幼少期、広野(後の最澄)は泣くと母親の袂の匂いを嗅いで落ち着く子供、と言う描写があって、これが史実に基づく描写なのかな、どうなのかな、とか思ってる内に、大きくなった広野がまだ「人の袂を嗅ぐ」と言う幼児行動を行っている…で、史実とかどうでもよくなる。人物設定として引き寄せられる。最澄の繊細さに震えるんだよなー。そして、空海は天性の知識への渇望が物凄くて、それを湛える身が「美少年」として描かれているから溜まったもんじゃない、と言う面白さ。お気に入りの毛布がないと寝られない、と言う子供時代を過ごした人には心臓射貫かれる一コマ。ライナスの毛布ってやつ。
‟正しい力”を持つことは‟正しい”…
「正しさ」が人を救わないのだとしたら—————?
最澄が心の中で自問し、ぞっとするこの場面。
亜門も同じ考えに至ったのではないか、カネキくんが初めて自分の前に立ち塞がり、止めようとした後に。東京喰種好きな人には特にお勧めしておく。
頭使って読める漫画に捕まって、捕まったが自分はまだ未熟であると言う事に喜びを見出すのが楽しい人には最適だよ。頭使うよー、だけど「犀の角のごとくただひとりゆけ。」の一文読んだ時に、稀代の天才の生き様を見届けたい気持ちと、こういう心境で現在を生きている名もなき人もいると思うと読める! -
Posted by ブクログ
おかざき先生の、こういうのが読みたかったのだなあ。
読むまではわからなかったけど。
絵的な表現がとても好きだ、と思いながら「&」が読めなかったのは、人の情念のような暗い感情の描かれるレベルが高すぎて、恋愛もので見るのはもう辛かったのだなあ。
と、これを読んだ後なら思える。
「あの人も、救われなくてはならないよ。」
今作は人間の業と戦うひとたちの話でもあるわけだから、全開で描かれても爽快に読んでいけそう。
野生の空海が素敵だけど、泣き虫最澄も可愛いなー。
怨念の文字を吐き出す悪霊のくだり、鬼気迫るものとユーモアが絶妙に同居している。
こんな表現方法があるのかー。すごいなー。 -
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最澄さま、もう3年も保たないのか。
終わりが見えていると生も凄味を帯びてくるのかもしれない…彼もすっかり怪物になって、凄絶な美を醸し出しています。
そんな最澄と空海が組むのを阻止してくる藤原冬嗣、政治家としては有能なんだろうけど人の心はあんまり無いんだなぁ、と思います。とうとう良房も出てきた。
終わりの方で念押しされる承和の変。
前の方の巻では確か、「私の名は残らないでしょう」って言ってた気がする光定さんが、めちゃくちゃ伸びてて嬉しいです。問答の場面よかった。
光定さんと良岑安世が文通したり仲良くしてるのもかわいい。
空海・嵯峨天皇・橘逸勢で三筆なのか。各時代に三筆っているらしいけど、特にこの御三方が書道に優れた人たちとされてるのすごいなぁ。
嵯峨天皇が書いた「哭澄上人詩」、切ない -
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ネタバレ自分の道を共に歩んでほしいと思っても一筋縄ではいかない。空海から最澄に向けられる想いの大きいこと……
契約を交わし、求められることに応え続ける空海は永遠に生きなくてはならなくなった。とどめを刺せるのは、同じ高みにいる最澄だけだったけど、彼は先に逝ってしまうらしい…と知ったときの空海の表情が悲しかったです。
「花を美しいと思うのは、受け取る側の阿頼耶識の美しさ」。同じもの見ても想うことが違うというのはここからなのか…と思ったりします。
藤原冬嗣怖いな…萩子は有能だから生き残ったけど、別シーンの端女は毒の方食べちゃったっぽい。坂上田村麻呂も殺したの…?やっぱり藤原は〜などと(良房と良相の親か…納得) -
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遣唐使へ
桓武天皇の息子が色々闇を抱えて、ただその彼のおかげで最澄の留学が決定するというのが歴史の皮肉でしょうか。
遣唐使の話は井上靖氏の小説等にも出てきていましたが、命懸けだった訳ですし。
最澄の講義中に空海と遭遇する場面も非常に印象的でした。
にうつ様と空海の繋がりも強いです。かなりの良作ですね。続きも読みたいですが、どうしようかしらん、です……。 -
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まだ留学前
若き日の最澄と空海が交互に出てきて、やがて接点を持つという王道展開というか、歴史ものではあるので、最初はずっと後のあの人が出てきたりで、スケールと筆致が大きくて良いです。最長の悩みもある意味、等身大というか。
見開きの大ゴマが派手で良いです。