月谷真紀のレビュー一覧
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この本がセンセーショナルな本として受け取られているらしいが、正直内容はだいぶ見飽きたような話である。
物語批判からくるプラトン解釈は、本書にもあるようにやはりというか、ポパー読解に通ずるものがある。物語を支配することが独裁政権がやってきたこと、というのはまあ間違いない。ただ、
「カトリック宗教が物語を利用している」
このくだりを読んだ瞬間、
「そんなん誰もが知ってる話やん!!!」
と思わず突っ込んでしまった。
「悪魔は私たちだ」と、
米軍の戦争を批判するところでは、
思わず突っ込んだ。
「…やっと気づいた?」
物語のパノプティコンを批判する本書だが、批判自体は正当なものと受け取られるとし -
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小さな事象が大きなカオスを巻き起こす、「予測できない極端な現象」=ブラック・スワンにまつわる物語。
『ブラック・スワン』の著者ナシーム・タレブ氏と本作の実質的主役であるマーク・スピッツナーゲル氏のテールエッジ・ファンド「ユニバ―サ」が話題の中心だが、環境問題やパンデミックなど破産問題全般を取り上げているので、題名の「ウォール街の覇者」を念頭において読み進めるとやや面食らう。一方で、ソネット氏やリード氏、リッカーマン氏など多種多様な面々との闘争や共創が刺激的。
ファットテールをロジックにして実装し、S&Pを97%とヘッジを3%とし、来るべき日に向けてプット・オプションを購入し続けるという -
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ネタバレタレブらのファンドはFar out of the moneyのプットオプションをひたすら買い続けてブラックスワンが来るのを待つ、というだけ。
市場は正規分布よりもファットテールになっているので理論的にはこの戦略は正しいのだろうけど、買っても買ってもExpireし続けるのは精神的にキツイ。実際、タレブ自身もこれに耐えられずに文化人への道を選んだようだし。
本書はタレブの著作の実践編という感じで面白かった。
アメリカには文化人のサークルのようなものがあり、大富豪たちがノーベル賞級の科学者を呼んで話を聞くような場も多いそうで、こういうのはいいなぁと思う。
指数関数的な爆発をし、人類滅亡の可能性が -
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ネタバレ文章を書くことは難しい。
キーボードの前で、手が止まった経験がある人なら誰でも理解しているだろう。
結局「自分の声で書く技術」とは、内なる自分の「ああでは駄目だ」「これは良くない」という声を抑えて、思うがままに書いてみるということなのだろう。そういった声はむしろ検閲(校正)の時に出すべきであって、何かを各段階では出しちゃ駄目なのだ。
正直自分の書き方とはまた違ったやり方だったけど、参考になった部分はあったかな。感じたことを論理的に証明することが自分の書き方だけど、それとは別に対立点や矛盾点を出すことで新しい地平へ迎えるかもしれない。 -
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自分のために読んだが、子供の勉強法を考える上でも参考になった。
小学校で同じ漢字を何度も書かせる宿題が出た時に疑問に思ったのは間違いではなかったと。
大人であれば学ぶ内容を自分で絞り込めるが、子供の場合は受験に向けて全科目満遍なく学ぶことが求められる。その場合に、興味の薄い科目を学習することに対して価値を見出すのはなかなか難しいように感じた。
テッドドークの話もまさに!と気づかせられた。興味のあるセミナーをちょこちょこ聞いても身になりにくいのはそういうことかと。人の話が簡単そうに聞こえ、わかったつもりになる、だから学習につながらない(知識が深まらない)というのは実際よくありそうだと感じた。
こ -
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「物語」が持つ力のダークサイドをアテネの盛衰、ルワンダの虐殺、トランプ現象などと重ね合わせ、プラトンの「国家」を引き合いに紐解く。啓蒙書や歴史書、小説は言うに及ばず、ニュースも私たちを〝なびかせる〟ドラマの一部に過ぎない。現代はそこにソーシャルメディアやAIが加わり、事態はより複雑に、深刻になっていると説く。確かに、と思う。陰謀論やディープフェイクの横行には辟易しているし、「物語とストーリーテラーが力を増し、事実とエビデンスが弱まっていく」一途の世界は本当にゾッとする。自分の読書嗜好や歴史認識、SNS依存度などについても改めて見直してみる気になった。ポスト真実時代の今こそ読むべき一冊。
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物語:私たちに感情を抱かせるためのもの
感情に訴えない部分を取り除いた現実
emotion(感情)は動かすを意味するラテン語emovere が語源
説得には 理性の経路か感情の経路 要点を感じてもらうには物語を
「パノプティコン」監視技術 すべてを見ているというギリシャ語
無料デジタル経済 何から何まで知っている ナラティブのターゲットに
対立するナラティブを作り出す プロパガンダ攻撃
物語戦争 普及したものが勝つ
芸術 感情の感染症(トルストイ)
活性化する感情と不活性化する感情
教会 キリスト教の物語で国境を越えた 一大文明を作り上げた独占組織
ユ -
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みずからの人間性を否定したいという願望以上に人間らしいものはない ースタンリー・カヴェル
人間は一生懸命、動物にならないようにしている。たえず他者に訂正される事で、私たちは心を持つ。だから、孤立すると頭がおかしくなるのだという。また、非人間化とは、人間を動物化したり、機械化したりする事。こうした定義、哲学的な人間とは、という語り口が一つ一つ胸に刺さる。
コロナ禍で分断が露見したのか。元より人間には統一した思想がない事は、民主主義の必要性から自明。思想が異なるから、手続きが必要なのだ。ならば、コロナ禍で表面化したのは、その不寛容という事ではないのか。異なる意見に対して、許容できずに原状変更に -
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学習も経営と同じく戦略が大事で、学びの目標に対してどのように成果を出すかのプロセス、メソッド、システムを理解することが重要である。単純に本を読んで線を引いたり、たくさんのインプットをしているだけでは学びや記憶の効果は薄い。質の良い学び方を学ぶための本。学び方を知れば、どんなことでも学ぶことができるようになる。
学びの手順
・価値を見出す
・目標を設定する
・能力を伸ばす
・発展させる
・関係付ける
・再考する
学びメモ
・手順やノウハウを身につけるだけではない、大事なのは学び方を知り、思考のスキルを身につけることである。
・学ぶものに、自分にとって価値があるものだと思えるか、学びたいものに -
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『Learn Better』 ウルリッヒ・ボーザー
2022年10月―12月期 グロービス参考図書
学びのための6つのポイントを示すもの。なんといっても学習はActive。主体的な学びが重要
1.Value 価値を見出す
学びたいことに自ら価値を見出し、意味付けをする
2.Target 目標を設定する
学ぶためにはリソースの集中が必要。楽々とできる少し上の範囲に目標を設定し、その為に短期集中で努力する。
3.Extend 知識とスキルを伸ばす
自分の知識に対して、記憶から取り出す練習を行う。これは検索練習ともいう。受験時代、私も世界史の問題集を解いた後に、解答を見ずに、わからない問題は教科 -
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ダーウィンは人種差別主義者だとか、Facebook は2030年までに終わるとか、こども授かる前に絶対合格できる親テストとか、優しい顔して過激な話しで面白いです。
他者を愛することすなわち、恋愛関係は永久に恋は続いてほしいということは、別の人と恋愛関係になることもできるという話しや他人のためにワクチン接種受けるのは間違いだという話しは納得しました。
哲学の対義語はもしかしたら科学かもしれないですね。
あとSNSとロックダウンは倫理的に毛嫌いしているのがよく分かりました。特に宗教に対して無知な日本人に倫理を勉強しないと他者と生きることが難しい時代なんだなぁと思いました。資本主義がよくわかっている -
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新実存主義による他者論。ちょっと難しい感じ。
家族とは「親密さ」を基盤とした結びつきである。
家族を健全に保つのは「正しい喧嘩」である。
高い生産性の秘訣は短時間睡眠ではありません。
非効率であっていいタイミングがわかっているから効率を上げられるのです。
人生のこの部分(恋愛)に偶然はないと思うのです。物語が必要なのです。そして物語は予想もしていないときに生じます。思いがけずぴったりくる相手と出会うのです。だから自由と切り離せないのです。そして恋に落ちるわけですが,愛するためには相手が自分の思っていた人とは違うと気付かなければなりません。