小野美由紀のレビュー一覧
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ネタバレこの短編集を貫くテーマは、性とジェンダー。大半はヘテロセクシャル・シスジェンダー同士の関係性を描いていますが、一部は女性同士の強固な結びつき、シスターフッド的な風味を感じさせます。そして、ほぼ全編に漂う暴力性。
現代に生きる女性作家が、直球ストレートに性を扱った作品群ですが、決してセンセーショナルではありません。むしろ、いろいろと考えさせられます。
惜しむらくは、全作品が既存のジェンダー規範に囚われていること。「SEX=暴力」という現実の側面を全面に押し出し、男は搾取する側、女は搾取される側、という前提で価値観が構築されているところが、極めてコンサバティヴです。表題作は、暴力の方向性が男→女 -
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小野美由紀
1985年東京生まれ。著書に銭湯を舞台にした青春小説「メゾン刻の湯」(ポプラ社)、韓国でも出版された「人生に疲れたらスペイン巡礼」(光文社)「傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった」(幻冬舎文庫)絵本「ひかりのりゅう」(絵本塾出版)など。2020年4月に刊行された”女性がセックス後に男性を食べないと妊娠できない世界になったら?”を描いた恋愛SF小説『ピュア』は、早川書房のnoteに全文掲載されるや否やSNSで話題を呼び20万PV超を獲得した。イタリアでの出版が決まっている。ウェブメディア・紙媒体の両方で精力的に執筆を続けながら、SFプロトタイパ -
購入済み
自分に住むメンヘラ
自分にメンヘラな部分があるのは自覚していた。でもどこか自分と違うものだと切り離して考えていた。
こちらの本を読み、メンヘラな自分以外の自分も居て動き出すのにお互いエネルギーになりうることを教えてもらった。 -
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ネタバレ自分の人生を改めて考え直すきっかけとなった...と言えば言い過ぎかもしれないけど、銭湯刻の湯を軸にした日常系小説かと思いきや、ものすごく深みのある小説でびっくりしました。
読み終わった後も心の中がなんだかグチャグチャとしてしまっているんだけど、今まで読んできた小説とは違った角度から自分の思考にいろいろなことを伝えてきて、今はなんだか謎の焦燥感に包まれています。
みんな何かを抱えていて、物語に登場する一人一人の口から語られる過去の出来事はとても壮絶で、、、
主役のマコもマコでそうなのだけど、マコは自分なりにその抱えているものと戦って、みんなを自分なりに助けようとしている姿はとても素敵で。
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ネタバレ近所の銭湯「みどり湯」(目黒区緑ヶ丘)の待合スペースにおいてあったサイン本。
「パニック障害は天才がなる病気ですよ。治らないほうがいいですよ。小説を書けなくなります。病気があなたを作家にしたんですよ」
作家宮本輝は、25歳の時から心の病と戦っていた。
仕事ができなくなり、引きこもり、文筆業を志し、31歳で芥川賞を受賞した。
その後も病は氏に襲い掛かった。
その時、担当医にかけられたのがこの言葉。
それからの氏の活躍はここに記すまでもない。
「メゾン刻の湯」の作者も、若くして心の病と戦っている。
苦しみ抜き、自分と向き合い続ける中でしか、見えないものがある。
この小説は、命を削っ -
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ネタバレこの本を手に取った、きっかけは、ご贔屓の、スペイン旅行のブログに、この聖地がでてきたから…
なんとも不純なものです。
数年前から、スペイン巡礼ブームのようで、
世界中の老若男女が、バックパックを背負って
聖地サンディアゴ・デ・コンポステーラを目指して、歩いています。
この巡礼路は、様々なルートがあり、その聖地への行き方も様々。
800キロを歩く人もいれば、交通機関を利用する人もいます。
日本でいうと、四国巡礼、お遍路さんですね。
途中、各地でご朱印のように、スタンプを押してもらうのも、同じ。
ウォーキング好きの私としては、近年中に、
足腰がたつうちに、ぜひ、行きたいと思います。 -
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タイトルだけ見て、大企業が自社アピールのために突拍子もないことをやっているのかと思ったが、読み始めてすぐ納得がいった。
会社が未来像を描くためには、現在の社会や技術を延長して考えるのではなく、一度突拍子もないような未来を考えてから、逆算でそこまでの道程を模索する。そのためにSFは非常に有効らしい。
帯の「未来は現在の延長線上にはない」という一言が印象的だった。
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」とは、SF作家のジュール・ヴェルヌの名言だが、妄想・理想を実際の事業に落とし込んで実現していこうとするSFプロトダイビングの試みは、物語が社会に可能性をもたらすという意味でとても示唆的だと -
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やるからにはゆっくり回りたいから、いつかヨーロッパで暮らすようになったらいってみよう。
ただ無心で歩くだけ。余計なものが多すぎるんだろうな、普段の生活で。
何をそんなに焦っているの?あなたはまだ、他人の時間に引きずられているのよ。都会の慌ただしくて、人に左右される時間のまんま。でもそれじゃ体を壊しちゃう。
急がなくてもいいのよ。そうすればそのうちきっと、あなたのペースと、社会のペースが噛み合う時が来る。あなたが歩んでいるのはあなただけの道。
毎日月曜日だ火曜日だと思ってする仕事はいけないよ。毎日が土曜日、日曜日、祝日だと思えるような仕事に就きなさい。わたしは働いていた41年間、一日も仕事を