あらすじ
変化の激しい時代を生き残るには
現在の延長線上で
物を考えていてはダメだ。
正解/不正解でなく
必要なのは現実を超越した想像力。
SF作家の力が未来の企業を刺激する。
ビッグテックの多くが導入する
SF作家をコンサルに迎えた
未来の世界観構築「SFプロトタイピング」。
日本でも浸透し始めたこの手法を
ITジャーナリスト・佐々木俊尚氏と
SF作家・小野美由紀氏が共同起業。
実践を基に記す一番わかりやすい
SFプロトタイピングのテキスト。
第1章 SFプロトタイピングにできること
なぜアメリカの大手企業は
SF作家をコンサルに雇うのか?
文責・佐々木俊尚
文学がテクノロジーとビジネスに橋を渡す
未来の戦争を想像する欧米軍部
日本の技術者が想像できなかった
スマホ支配の社会
未来都市「カルデサック・テンペ」の挑戦 他
第2章【実践編】
国内大手企業が見据える未来図
私が見た日本企業
「SFプロトタイピングの現場」
文責・小野美由紀
「ありえない未来像」から
現状の課題を炙り出す
日本のSFプロトタイピングの現状
必ずしも面白い小説である必要はない
小説を書くことでチームビルディング 他
第3章【特別収録】
SFプロトタイピングatワコール
『私の、美しい皮膚』 小野美由紀
第4章【特別収録】
SFプロトタイピングatカミナシ
『カミナシビジョン2030』 小野美由紀
SFプロトタイピング導入を経て――
株式会社カミナシCEO・諸岡裕人氏
第5章 社内ワークショップをやってみる
未来の印刷会社はどうなる?
「ありえそうな未来」を想像する!
「世界で一着、一冊」の
プレミアム感が生まれる
「推し活」を支える未来の印刷会社の役割 他
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルだけ見て、大企業が自社アピールのために突拍子もないことをやっているのかと思ったが、読み始めてすぐ納得がいった。
会社が未来像を描くためには、現在の社会や技術を延長して考えるのではなく、一度突拍子もないような未来を考えてから、逆算でそこまでの道程を模索する。そのためにSFは非常に有効らしい。
帯の「未来は現在の延長線上にはない」という一言が印象的だった。
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」とは、SF作家のジュール・ヴェルヌの名言だが、妄想・理想を実際の事業に落とし込んで実現していこうとするSFプロトダイビングの試みは、物語が社会に可能性をもたらすという意味でとても示唆的だと感じた。
本書はビジネス書としてだけではなく、人がナラティブを語る上での「想像力」の可能性を知れる文芸書として読んでみても面白かった。