小野美由紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2018.4.17
P179
私が見ているこの世界は、紙芝居のように何十枚かの層で出きている1番上の私が今見ている絵は大人たちが用意した子供向けの1枚で真相をもっとずっと下に埋まっていて幼い私には決して掘り当てられない。
◯茫洋としていた 広々とした様、また目当てがつかない様
P196
家族の形と言うのは「こうしたい」と思ってできるものじゃないんだ、なんかよくわからないけどどうにかしてそうなっちゃうものなのだ、家族って
◯私はひきこもらざるをえなかった自分を、あのとき自分の中のかすかな走光性にしたがって、玄関でうつむいていた自分を
自分のスイッチが、ぱちんと切り替わるのを、ただ、待っ -
Posted by ブクログ
・《そこにあるというだけで意味のある場所》(p.213)
・就職先が決まらないまま大学卒業に至ったマヒコは古くからの銭湯「刻の湯」に住み込みで働くことになった。そこには数人の若者が暮らしていて・・・
・妙に居心地のいい刻の湯での暮らしに馴染みつつこのままでいいものかどうかマヒコは行く末をつねに探している。
・優柔不断なマヒコそのままにすべてが中途半端なまま時間は進んでゆく。実人生はそんなもんかもしれないが。なかなか落としどころの難しいお話っぽくてどういう終わりを迎えるのだろう?と思っていた。
・誰かに何らかのラベルを貼って分類できたと安心する感覚に与したくないというのがこの話の要素のひとつで