小野美由紀のレビュー一覧
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購入済み
好きなお話し
なんとも不思議な銭湯です。ある種異世界かもしれません、魔法も勇者も転生もチートも無いけどお伽噺のような、でも何処かにあって欲しいいて欲しい人達。
ただ話しがサラッとしすぎていて少し物足りない上巻でした -
Posted by ブクログ
老舗銭湯に居候する若者達の物語。
普通の就職から離脱したマヒコは、アキラと出会い、下町の銭湯で居候達と暮らしだす。
マヒコの幼なじみで自由奔放な蝶子、セクシャルマイノリティのゴスピ、義足の龍くん、プライドの高いまっつん、銭湯主人の戸塚さんと孫のリョータ。
それぞれがいろんなbackboneを抱えながら不器用に暮らす。
しかし刻の湯の危機を発端として、歯車が狂いだす。
それぞれの運命はいかに。
作者初の小説です。
表現は少し回りくどい気もしますが、登場人物の心理を一生懸命描写しようとしている作風が伝わってきます。
自作も読みたいと思わせる作品でした。
人間完 -
Posted by ブクログ
初出 2018年 ウェブサイトcakes
著者初の小説
大学を卒業しても就職先も住む場所も決まらないマヒコは、古い銭湯に住み込んで手伝うことになる。
同居人は、オーナーの戸塚老人のほかは同年代で、IT企業をやめた実質的経営者アキラ、片足が義足の美容師、トランスジェンダーのプログラマー、マレーシアとのハーフなど、社会からの疎外感をもっている。
迷い込んでくる徘徊老人を拒まず、戸塚老人の孫で母親に育児放棄されたリョータが加わると、いじめを受けていた学校に行かないという決断を尊重するが、銭湯寄席に出演させ自信をつけさせる。
メンバーはそれぞれに自分の問題に向き合い、仲間の絆を強めるが、老朽化した施 -
Posted by ブクログ
ネタバレうぉぉ…作者の小野さん、めっちゃ勉強できますやん。
TOEIC950点とか、慶應義塾大学とか……うちの親だったらそんな成績持って帰ったら泣いて喜ぶな。
でも、それでも、小野さんの母は満足しなかったんだねえ。贅沢者だな〜。
途中で、友人(確か)に、「お前は自分の不幸をお母さんと祖母のせいにしている」って言われてたけど、実際そうでは?
確かに、不本意でも人生は自分で選択したことの連続ではあるけれど、小野さんの場合実際そうじゃん…と思うわ。
子供時代に母親からの無関心ってつらいと思うぞ〜。
でもお母さんも祖母も改心してくれて良かったよね。
人間って普通なかなか変われないし、継続しているようですご -
Posted by ブクログ
少し寂しくなる。
だがとてもスッキリする。
変な感じだ。
こんな感覚は今までにない。
と言うことは、良書ではないかと考える。
読む前と読み終わった後の自分の世界観が変わった。
俯瞰的にものを見ないとなどと良く言いますが、今まで見てた世の中の完全に外側の話だなと。
自らの考え方の枠の小ささを痛感する。
生憎私は両親や祖父母がいる中で育った。
両親の愛を感じれなかった時は祖父母が愛をくれた。
だから心のバランスが取れていて、ここまで来れたんだと思う。当時の僕はそれは当たり前だと思っていた。
普通だと思っていた。
でも今思えば、片親の友達もいたし名字が変わる子もいた。
不登校の子もいたし、不良もい -
Posted by ブクログ
小野美由紀さん。ボクがこの著者を知ったのは『傷口から人生』だった。キョウレツ。それが彼女の第一印象。一度、お会いしたいぐらいのインパクトだった。本書が2作目の著作だと思う。
エピソードとしては1作目と重なる部分はあるが、スペインのキリスト教の巡礼の道、「カミーノ・デ・サンディアゴ」の旅の紹介になっている。小野さんが巡礼炉を歩くことになったのは、あるとき聞いた「この道を歩くということは、どうしても捨てられないものを知るための作業なんですよ」という言葉が胸の中に引っかかっていたからだ。キリスト教の巡礼なんて、大方の日本人には関係ないし、海外旅行をするなら別に巡礼路を選ばなくたっていい。だから、目