小野美由紀のレビュー一覧
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タイトルだけ見て、大企業が自社アピールのために突拍子もないことをやっているのかと思ったが、読み始めてすぐ納得がいった。
会社が未来像を描くためには、現在の社会や技術を延長して考えるのではなく、一度突拍子もないような未来を考えてから、逆算でそこまでの道程を模索する。そのためにSFは非常に有効らしい。
帯の「未来は現在の延長線上にはない」という一言が印象的だった。
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」とは、SF作家のジュール・ヴェルヌの名言だが、妄想・理想を実際の事業に落とし込んで実現していこうとするSFプロトダイビングの試みは、物語が社会に可能性をもたらすという意味でとても示唆的だと感じた。
本書はビジネス書としてだけではなく、人がナラティブを語る上での「想像力」の可能性を知れる文芸書として読んでみても面白かった。 -
Posted by ブクログ
やるからにはゆっくり回りたいから、いつかヨーロッパで暮らすようになったらいってみよう。
ただ無心で歩くだけ。余計なものが多すぎるんだろうな、普段の生活で。
何をそんなに焦っているの?あなたはまだ、他人の時間に引きずられているのよ。都会の慌ただしくて、人に左右される時間のまんま。でもそれじゃ体を壊しちゃう。
急がなくてもいいのよ。そうすればそのうちきっと、あなたのペースと、社会のペースが噛み合う時が来る。あなたが歩んでいるのはあなただけの道。
毎日月曜日だ火曜日だと思ってする仕事はいけないよ。毎日が土曜日、日曜日、祝日だと思えるような仕事に就きなさい。わたしは働いていた41年間、一日も仕事をしたと思った日はないよ。
自分を冬の薔薇にはしない。わざわざ苦しい思いをしない。人間は命だから。水を与えて光を与えて花を咲かせる。 -
購入済み
好きなお話し
なんとも不思議な銭湯です。ある種異世界かもしれません、魔法も勇者も転生もチートも無いけどお伽噺のような、でも何処かにあって欲しいいて欲しい人達。
ただ話しがサラッとしすぎていて少し物足りない上巻でした -
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老舗銭湯に居候する若者達の物語。
普通の就職から離脱したマヒコは、アキラと出会い、下町の銭湯で居候達と暮らしだす。
マヒコの幼なじみで自由奔放な蝶子、セクシャルマイノリティのゴスピ、義足の龍くん、プライドの高いまっつん、銭湯主人の戸塚さんと孫のリョータ。
それぞれがいろんなbackboneを抱えながら不器用に暮らす。
しかし刻の湯の危機を発端として、歯車が狂いだす。
それぞれの運命はいかに。
作者初の小説です。
表現は少し回りくどい気もしますが、登場人物の心理を一生懸命描写しようとしている作風が伝わってきます。
自作も読みたいと思わせる作品でした。
人間完璧でなくてもいい、ありのままを受け入れる人と生きればいいと思う作品。 -
Posted by ブクログ
初出 2018年 ウェブサイトcakes
著者初の小説
大学を卒業しても就職先も住む場所も決まらないマヒコは、古い銭湯に住み込んで手伝うことになる。
同居人は、オーナーの戸塚老人のほかは同年代で、IT企業をやめた実質的経営者アキラ、片足が義足の美容師、トランスジェンダーのプログラマー、マレーシアとのハーフなど、社会からの疎外感をもっている。
迷い込んでくる徘徊老人を拒まず、戸塚老人の孫で母親に育児放棄されたリョータが加わると、いじめを受けていた学校に行かないという決断を尊重するが、銭湯寄席に出演させ自信をつけさせる。
メンバーはそれぞれに自分の問題に向き合い、仲間の絆を強めるが、老朽化した施設設備の更新のためのクラウドファディングの中で、アキラの秘密にマスコミが殺到して大混乱になってしまう。
なかなか深いテーマをさらりと書いているエンタメ作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレうぉぉ…作者の小野さん、めっちゃ勉強できますやん。
TOEIC950点とか、慶應義塾大学とか……うちの親だったらそんな成績持って帰ったら泣いて喜ぶな。
でも、それでも、小野さんの母は満足しなかったんだねえ。贅沢者だな〜。
途中で、友人(確か)に、「お前は自分の不幸をお母さんと祖母のせいにしている」って言われてたけど、実際そうでは?
確かに、不本意でも人生は自分で選択したことの連続ではあるけれど、小野さんの場合実際そうじゃん…と思うわ。
子供時代に母親からの無関心ってつらいと思うぞ〜。
でもお母さんも祖母も改心してくれて良かったよね。
人間って普通なかなか変われないし、継続しているようですごい。
エリートでもこんなに悩んでるんだな〜って思うと、人生が果てしなく辛く思えて救いがない。
勉強して、いい学校入っても、辛いなら意味ないじゃん!
改めて、人生って「何をするか」よりも、「何を考えるか」で楽しさや辛さが変わるものなんだなと思った。
辛いけど、私も与えられた今の自分の人生の中で「幸せ」だと思いながら生きるしかないんだな。
人生は辛いな。
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Posted by ブクログ
少し寂しくなる。
だがとてもスッキリする。
変な感じだ。
こんな感覚は今までにない。
と言うことは、良書ではないかと考える。
読む前と読み終わった後の自分の世界観が変わった。
俯瞰的にものを見ないとなどと良く言いますが、今まで見てた世の中の完全に外側の話だなと。
自らの考え方の枠の小ささを痛感する。
生憎私は両親や祖父母がいる中で育った。
両親の愛を感じれなかった時は祖父母が愛をくれた。
だから心のバランスが取れていて、ここまで来れたんだと思う。当時の僕はそれは当たり前だと思っていた。
普通だと思っていた。
でも今思えば、片親の友達もいたし名字が変わる子もいた。
不登校の子もいたし、不良もいた。
自分の家には愛があったから、そう言う人たちもいていいんだと認めれたし交友関係を続けることが出来ていたんだ。
でもだ。
それは自分の小さな世界観の一方通行な見方だったんだ。
当の本人たちはもっと違ったんだろう。
いや、違ったはずなんだ。
それを37歳の今、感じることが出来たことはとても良かった。
自分では当たり前だと感じていた世界を、そうでもない世界もあると分かってるつもりだったけどなー。
さらにそのむこう側があったんだなー。
TOEIC950点、留学、最高峰の大学、インターン。
最強の履歴を引っさげ大企業に面接。
パニック障害、リストカットに、タンポンを売って小遣いを稼ぐことも僕には分からない世界。
だけどもだ。
負であったことを文字にし伝えるパワー。
色んな人が存在しているんだと今一度感じることが出来たことが、また僕の豊さへ繋がります。
また1人僕の中に生まれました。