江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
魔法博士と名乗る黄金怪人が少年探偵団の名コンビ。井上くんとノロちゃんの拉致監禁を皮切りに小林少年、明智小五郎をも拉致せんとして、結末はいつも通りの予定調和物語。
今回は、魔法博士の地下劇場での、魔法というか、手品の種明かしで、ほぼ全編費やされていて、こういうお話にワクワク胸をときめかせた少年時代もありましたわなぁー、ということで、巻末エッセイの「おおらかな、古き良き時代のエンターテインメント小説」という表現がぴったりあてはまった。
それにしても、小林少年だろうが、魔法博士だろうが、その手下だろうが、誰彼かまわず、相手を「きみ」呼ばわりで、やりあうあたりには、どうにも緊張感が途切れてしまいます。
(2009/10/20) -
Posted by ブクログ
この本、団子坂にある喫茶店「白梅軒」で読もうと思っていたのだけれど‥残念ながら存在しないようだ。代わりに、この夏、団子坂の先の三崎坂にある「乱歩」にて読むが、長時間ねばること能わずにつき、表題作「D坂の殺人事件」他数編を読むに止める。その後しばらく放ってあったのだが、先日ふとした切っ掛けで発見され(未読・途中放置の山から‥)読み切った。10編の短編及びSSが収録されているが、その中で最も面白かったのは「虫」。主人公の狂気と執着が妙に理解できた‥というか自分の中にある何かが彼の行動に強いシンパシーを感じたのである。また、そんな風に思う自分の心に嫌悪や恐怖を感じることなく嬉しく感じたのも事実である。やっぱ自分の中にも狂気は存在しているし偏執的な要素も多分に在るのだ。通常はそれを同様に心に存在する社会性や規範といったものが押さえているのだと知って嬉しくなったのだ。何時でも壊れることができる‥それは無制限の自由への可能性と感じる。そして‥やっぱミステリーは晩秋に限る。汗だくの猛暑の中は似合わない。とつくづく思ったのである。