二村ヒトシのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
AV監督の二村ヒトシ、社会学者の金田淳子、エッセイストの岡田育の三人が、BLを中心に性について縦横無尽に語りあっている本です。
BLにおける「やおい穴」「雄っぱい」「タチ」といったテーマについて三人の鼎談がくり広げられますが、青年コミック研究家やSMの実践者、ゲイなどのゲストも加わって、それぞれの立場から興味深い意見が展開されており、性にまつわる多様な考えかたを知ることのできる内容になっています。
わたくし自身は男性であり、BLには拒否感こそないものの関心もなく、著者に二村がくわわっているという理由で手にとったのですが、予想以上のおもしろさでした。すこし残念だったのは、岡田とともに金田も腐女子としての立場からの発言がめだち、社会学的な観点からの考察をくわえることを怠っているように感じられたことでしょうか。BLのえがかれかたについて歴史的に俯瞰して整理するといったこともおこなっていますが、たとえば「表象の横奪」といった問題を指摘しながらも深入りすることは避けられています。反対に、巻末の「文庫版増補 挿れられる勇気」では、「オメガバース」の流行に対して生物学的決定論を嗅ぎつけて拒否感を示すなど、やや教条的に思えるところもあります。
おおむね腐女子ふたりの熱いトークに二村が合の手を入れるといった印象ですが、個人的には二村の荒削りの「思想」を研ぎ澄ませるような役割を金田に期待していたので、その点ではやや期待はずれでした。もっとも、わたくしのような関心で本書を手にとる読者は、それほど多くないのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
さすがは社会学者の著書でした。表紙の愛らしいイラストからは想像できないくらいにちょっとヘビー。笑
難しい言葉が沢山並んでいて、とてもすべてを理解するには及びませんでしたが、非常におもしろく読ませていただきました。
小生、普段はこういった本を手に取ることが少ないため、性産業に従事されている方々が、こんなにも真剣に人間の性に向き合い思索していることに率直に感動を覚えました。
自分の無知と無教養を晒す覚悟で申しますと、「セックスは、欲を抑えきれない動物がそれぞれの性欲を処理すべくとる刹那的な手段」だと思っていました。とんでもなかった。もっと奥が深かった。(謝罪)
最後の方の章で書かれていた言葉が特に印象的でした。
「セックスの醍醐味とは、眩暈である。つまり、忘我。
ハイデガーの言葉で言えばエク・スタシス(脱自)。(以下略)(人は)リアルというクソから逃避すべく性交する。」
なるほど。わたしはセックスをしたことがなかったのか…。 -
Posted by ブクログ
<メモ>
女性の中にも結婚して幸せになれるであろう相手と、恋をしてしまう相手(発情できる相手)は違う、という人がいる。多くの男性は侮辱・支配できないような、尊敬できるような女性に対して、女性は自分を尊敬してくれる男性には発情しない(逆もたまにあり)。まったく立場が同等・公平になって友愛的な男女関係になってしまうと、そこには興奮が入り込まなくなる。しかし、それも社会によって信じ込まされている物語では?79
現代の若者の大半は、自分の心の穴を埋めるために相手の存在を使ってそれを恋愛と呼んでいるに過ぎない。相手の感情を自分の心に映して同じ感情に感染する能力が落ちた。109
東洋的な武道や格闘技、ヨガなど体を動かす習慣があり自分のカラダの癖を知っている人の方がいいセックスができる可能性が高い。女性は体が柔らかい方がオーガズムに達しやすい。ストレッチや骨盤矯正などで体のゆがみを開放する。腹筋や腹式呼吸 152
損得よりも正しさと愛を重視する相手を選ぶ
ラカンが提示した「倒錯者」として社会に適応した「ふり」をして生きる道274
結婚しないで妊娠するとヤバいぞ、セックスするな、しかし適齢期になったらさっさと結婚して子を産め、それ以降は貞淑であれというメッセージが、社会や親から女性に対して押し付けられていますよね294
射精の快感よりシンクロの快感の方がずっと大きい。散歩や料理やスーパーでの買い物でもシンクロ率が高まる300