飯田晴子のレビュー一覧
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大王の使者として息長を訪れた佐保彦から「滅びの子」と詰られ昏倒した真秀は、若き日の日子坐がなした恐るべき陰謀、そして日子坐と母・御影の出会いを神夢にみる。目覚めた真秀の前に現れたのは、佐保彦の伴人・速穂児だった。速穂児によって佐保の人々が自分のことも御影のことも、兄・真澄のことも疎んじていると思い知らされた真秀は、衝動的に佐保彦のもとへ走るが、かえって激しい憎悪を浴びせられる。打ちひしがれ、我を失った真秀を抱き上げたのは、美知主の弟であり、息長の首長である真若王だった。だがそれは、真秀を救うためではなく…!?
果てしない憎しみの連鎖に囚われ、互いを憎まざるを得ない真秀と佐保彦。
なのにどうして、あたしは彼を憎みきれない!?
真秀の心は千々に乱れて――?
オレンジ文庫小説紹介文
この物語の発端は ヒコイマス という事になるのかもしれない。
『日本書紀』では「彦坐王」、『古事記』では「日子坐王」と記され、他文献では「彦今簀命」とも表記されるこの人物は、伝承の範疇なのかという疑問を抱えながらも、確かにどこかに実在の気配がある王なのです。
本作は、そうした古代の曖昧さをベースに持ちつつ 時代設定としては、朝鮮半島の諸国や氏族のあり方まで踏まえる。史実そのものをなぞるのではなく、断片的な記録を想像力で ひとつの“あり得たかもしれない歴史”に挑戦ですね。
この巻では あとがきで著者自身が用語解説までされています。読者に理解の手がかりをとしながら 最終的には「自分でも古語を調べてほしい」と委ねる姿勢には、古典への誘いを感じます。
また、本巻の解説を担当する町田そのこさん、単なる紹介にとどまらない、長年の読者としての親密さが感じられます。作品への敬意と愛着を感じました。 -
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初潮を迎えた真秀は「月の忌屋」に籠められた。十日後、ようやく外界へ戻った真秀は、真若王や息長の男たちの邪な視線に晒されることになる。絶体絶命の真秀の危機を救おうとする真澄に、おそるべき霊力が目覚めーー。必死に逃れようとする真秀の前に現れたのは、ずっと焦がれていた同族「佐保」の若き王子・佐保彦だった。しかし佐保彦は真秀が御影の子と知るや「滅びの子」と罵り鞭打って…次々と襲う、苛酷すぎる運命に真秀はどう立ち向かうのかーー?
オレンジ文庫紹介文
氷室さんは、大和言葉を思わせる語りを織り込みながら、『古事記』の神話的で断片的な世界に、確かに人が息づいていたのだと思わせる。
若い少女と青年は惹かれ合いながらも、すでにその関係は個人のものではなく、部族や血族に強く縛られている。政略としての婚姻が前提となる時代の中で、その想いは決して自由ではない。
だからこそ、この物語に描かれる感情は、やわらかな恋情であると同時に、どうにもならない現実に押し流されていく切実さがあります。
巻末解説は夢枕獏さん。
あとがきで夢枕獏氏と氷室さんの
交友関係を読んで、良いお仲間だったのだと知りました。そして 夢枕獏さんがコバルトに書いていた事を知ってびっくりです。
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夢のなかで、真秀は船にのっていた。これは夢だと、夢のなかでわかっている。
舞台は古代日本――湖の国・淡海。14歳の少女・真秀(まほ)は、複雑な生い立ちのため人々から疎外されながらも、病で寝たきりの母・御影(みかげ)と、目も耳も不自由だが不思議な霊力をもつ兄・真澄(ますみ)とともに気丈に生きていた。ある日、真秀は母の病にきく薬をもらうため丹波行きの船に乗るのだが。「古事記」を愛した氷室冴子が手加減なしで書いた、超弩級のエンターテインメント小説!
-オレンジ文庫紹介文ー
解説は書評家の嵯峨景子さん
古事記中巻、垂仁天皇の段、沙本毘古の叛乱をベースとした長編小説。
雑誌『Cobalt』に1991年から1995年まで連載され、昨年オレンジ文庫で新装復刻。全巻が出揃ったので読ませていただく。
今回は 復刻版なので このあたりの情報は
えていたのですが、当時連載当初は、なかったのではと推測。
当時の『Cobalt』は中学生前後が主な読者層だったのではないかと思うので菅、思いのほか導入に時代設定などの説明はなく、そのまま『古事記』の世界に入っていく構成に驚きます。解説を読まなければ、沙本毘古の叛乱が下敷きになっているとは気づきにくい。しかも 知ってもわからない。
古代転生ファンタジーと称されているが、その意味さえまだおぼろげなのです。
氷室冴子は北海道岩見沢市の出身で、2018年には地元で氷室冴子青春文学賞が創設された。さらに2024年には北海道立文学館で企画展が開催され、その副題は「ふくれっつらのヒロインたち」
確かに そんな感じもしますね。
そしてこの『銀の海 金の大地』のヒロイン真秀もまた、ほとんど“ふくれっつら”で登場。
彼女の立場は奴婢。「神の愛児」とされながらも自立の難しい母は病に伏し、美しくも目も耳も口も使わぬ兄を支えて生き抜こうとする少女は、強くなくてはならない。
本作は、四世紀頃の生活と感覚を背景に、そうした少女の生を描いていくのでしょう。
まずは 1巻 -
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はあはあ…怖い
不穏オブ不穏。まだまだ続きそうなこのムード。
カガメの言ってたことが怖いし、まだ何かなんだか壮大な背景は見えてこないし、ミチノウシはやっぱり良いと思いました。怖いけど。解説の町田さんもミチノウシは夫にしたいと話してた。同意オブ同意であります。
こんなに母系の力の強い時代でも、ヒコイマスやらを始めとした男たちの力づくのヤリモク、ヤリ捨てが溢れてて吐きそう。
未遂シーンは毎回死ぬほど嫌なものとして描かれていて、読者のこちらも怖くなる。そこに筆力が割かれてるの、女性作家への信頼と言う他ないですね。
感想は、がんばれ、真秀、です…。
まだヒーロー役の少年の良いところがほぼ出てこないんだけど、あの人がヒーローで合ってる?よね? -
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なるほど、このための1巻だったのかー、という感想。
ここで話がかなり動き出した。
登場人物もそろいつつある。
苛烈なキャラクターが多くて、読むとクラクラしてしまう。
夢中になると、こちらは息を止めてしまいそう。
生理用品のない、長い長い時代に、女性たちはこんなふうに休めていた(⁇)のはある意味羨ましいなと思った。
それが当たり前だった+女系の支配力も強い時代だった。
今みたいに、生理なんて存在しないような顔して生きていないといけないのもなかなか難しい。
(あ、古代ローマ時代には生理ナプキンもタンポンもあったらしいけど)
作者のあとがきを読んで納得したし笑った。
挿絵の飯田晴子さん、ここまで作者に惚れ込まれての登板だったのか。
イラストレーターとしてこんなに誇らしいことはないかも。 -
Posted by ブクログ
ずっと手を出すか迷っていた大作についに手を出してしまった…。
未完の大作とはなかなか苦しいものだ。
ドキドキするが、クララ白書で育った私には、氷室冴子=ほぼ神なので期待大である。
ちょうど最近、福永の古事記を読んだところでタイムリーな内容でもあった。
まだ1巻は序章も序章で、登場人物紹介にすぎない。
あんまりストーリーも動かない。
それにしてもこんな軽い文体だったのか。
(セリフ「何よっ?」みたいなやつ)
それにびっくりしてしまった。
空色勾玉も十二国記も守り人シリーズも、みんなこの後にあるんだなあ…。
1巻の登場人物では、ミチノウシとかイオヨリちゃんにほのかに好感をいだいたけど、たぶんかなりの脇役だと思われます。
主人公の真秀は、あまりにも境遇が過酷でかわいそうだった。一種のヤングケアラーである。でもこれからまだまだ悲劇が起こるんだろうな…。
とりあえず今後に期待!
そういえば。初潮の驚きと戸惑いと恐怖をキッチリ書いているといえば、カルバニア物語(tono)が浮かんだけど、この作品も同じだなぁ。
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Posted by ブクログ
『海がきこえる』以来2作目の氷室作品。
自分の感情を思うままに表し、好き嫌いをはっきりと示して、強い意志を持って主体的に生きる真秀というキャラクターに共感できるかどうかによって、この作品の評価が大きく分かれるのかなぁっと感じました❗️
個人的には、真秀はちょっと苦手なタイプのキャラクターなので、正直SNSで騒がれている程面白いとは思えませんでした。
ただ古代という、とても限られた時代と地域の中で、次はどんな展開になるのだろうとワクワクさせてくれる雰囲気は流石、コバルト文庫の看板作家さんです❗️
真秀が今後、どのような波乱に満ちた人生を歩むのかがとても気になるので、続きもチャレンジしていこうと思います❗️
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ネタバレ 購入済み
オタク君に期待!
いつも暗くて顔すら見えないけど、灰色の瞳?!
もしかしてキモオタ君はイケメンなのでは…?と期待してしまった!
これからに期待したいけど無料分が1話だけか〜
購入はないかな。。