宇野朴人のレビュー一覧
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この作品には新刊が出る度に圧倒されっぱなしだが、新章となった今作でもその勢いは衰えるところを知らない。
やはり今作で最も印象的なのは王女から女帝となったシャミーユだろう。作中で二年という月日が経ったとはいえ、その変容ぶりには唖然とさせられる。
前章では目覚ましい活躍をした騎士団たちも、前章の悲劇から各々立ち直ることが出来ず、過去、そして現実と向き合いながら生きている姿が印象的だ。
とはいえ、そこで読者をがっかりさせたままにしておかないのがこの作者の素晴らしいところ。後半の後宮での一幕には思わず涙させられるし、何よりこの巻ラストの展開、大きな伏線が回収された瞬間には得も言われぬ高揚感があった -
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ネタバレ評価:☆5
今度の舞台は海ということですが、海戦でもイクタの采配は光る。
爆砲を積んだキオカ艦隊に対抗するために作戦は勿論、船乗りの技量のぶつかり合いもあって燃えた!
この作品は敵も一筋縄でいかないっていうのがいいね。
「この土壇場で選ぶなら――いちばん大きな失敗を犯して、それと正面から向き合ったやつに命運を預けたいと思う」
このマシューのイケメンさといったらもう・・・マシューが主人公でいいんじゃね?w
更に海戦の後はヒオレド鉱山に籠城するキオカ軍の攻略へ。
ここでは再びジャンとイクタが邂逅し、頭脳戦を繰り広げるのが面白かった。
そして今巻は何と言ってもラストのイクタの演説でしょう。鉱 -
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壮絶、としか言いようのない、最初から最後まで圧倒されっぱなしの1冊だった。このシリーズはいつも分量の割に中身が濃厚なのだけれど、この巻はいつもにも増してそれが顕著だ。
主人公イクタと、ヒロインというより、主人公の座をイクタと分け合っているという表現の方がしっくりくる少女ヤトリ。
いかなる時も手を携え、文字通り互いの全てを知り尽くした連携で、鬼神のような戦果を上げつづてきた二人。その二人が、国を巻き込んだ大きな流れ、陰謀によって戦地にて対立する、よりにもよってその時に、今まで語られてこなかった二人の過去が明かされる……。
物語は過去と現在を交互に行き来しながら、未来に対する予感を孕ませながら進ん -
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購入済み
在れば覧たかったもう一つの伝説
読み物としてとてもワクワクさせて頂きました。
で、途中ふと思い出したんです。
(決して非難ではなく)よく似た「と在る宇宙の伝説」を。
成りたくなかったのに成ってしまう軍属、そして政治に利用されて成らされてしまった「創られた英雄」、でも結果を見れば部下達も皆納得。
体力面では劣り、精神面では「軍属」の対局に在る「常怠」でありながら皆が考えつかない視点から『ミラクル』な「勝利」を味方にもたらし、必要なためにはあっさり降伏してしまえる辺り。
味方を普通の上官じゃ言わない内容で鼓舞しちゃう『ペテン師』。
数え上げれば切りが無いんですが…
「ってあれ?コレもし帝国側にヤ◯ ウェンリーが -
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物語のクライマックスに登場する言葉を借りれば、「全身に鳥肌が立つのを感じた。」といったところだろうか。
この本について、何よりも特筆すべきはその内容の濃さだ。印象的なプロローグに始まり、息もつかせぬ展開には、読者としてただただ圧倒されるしかない。なにしろ最初に巻き込まれた事件のくだりを読んでいるときは、この事件だけで1巻が終わると思っていたほどなのだ。
魅力ある文章も物語に華を添えている。主人公イクタが語ってみせる台詞には、登場人物だけでなく読者の私達をも、理屈をすっ飛ばして本能で頷かせる摩訶不思議な力がある。
その内容の濃さ故に、次巻から内容が薄くなってしまうのではないか――物語が佳境に差し -
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ネタバレまずあれやね、ちゃんと陣形を図面で見せてくれるのは素晴らしいよね。
ファミ通のお気に入り異世界架空戦記の最新刊はそれで戦術がイマイチピンと来なくてテンション上がらなかったんだけど、
丁寧な戦術の説明に細かな戦闘の描写のおかげで、
臨場感あふれる脳内描写で楽しめました。
海戦のオチはしまらなくてそれこそ面白かったですしねw
で、海戦終了時点でまだ100Pあって「長げえよ!」
ってちょっと思ったんですが、
ふっ飛ばすぐらいの急展開ですね。
目の前にライバル置いといて逆方向に引っ張られる的な。
一本道ですまないのは当たり前ですが、
まさかライバル目の前にして…放置するのかなコレ?
いやいや、だ -
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隣接するキオカ共和国と戦争状態にあるカトヴァーナ帝国。
その国にある事情で嫌々高等士官試験をしようとしている戦争嫌いで怠け者で女好き少年イクタ。
そんな少年がのちの名将となるとは誰もが予想してなかった。
戦乱渦巻く世界で生きるイクタ少年の半生を描いた作品。
最近、こういったファンタジーの作品が増えていて、脱力系の主人公の作品も結構あると思う。
この作品もその系統なんですけど、構成力、キャラなど頭1つでてる気がします。
主人公が強いわけじゃないけど、知恵を絞って闘う姿もいいし、脇を固めるキャラ達も一癖、二癖あって読んでいて飽きない。
変にコメディに走るのではなく、シチュエーションや言葉のやり -
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Posted by ブクログ
ネタバレ評価:☆5
本格派ファンタジー戦記第3弾。
圧倒的な戦力差、そして現れる「不眠の輝将」ジャン・アルキネクス。絶望的な状況の中での撤退戦に果たして勝機はあるのか――!? と言ったところです。
いやーホント面白い!安定しすぎてて怖いw
始めはかなり成り行き感が出てたイクタだけど、もうすっかり名将としての風格が出てきてるね。
いつもの軽い感じが消えてた分、読んでるこっちにも緊張感が伝わってきた。
序盤のマシューがかっこよすぎて涙腺熱くなってしまった・・・。
「だったら!――ここで仲間にかける言葉は、『先に逃げろ』じゃないだろうが!」
いつの間にこんなイケメンに(ノД;)
イクタとジャンの -
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異世界ファンタジーの戦記物というと往年の名作「ロードス島戦記」を始め「空ノ鐘の響く惑星で」「火の国、風の国物語」などの傑作がありますが、この「天鏡のアルデラミン」もそのリストに加わってくる作品でしょう。それほど面白く、また今後を期待させる作品でした。
個人的に、何よりの魅力は主人公イクタのキャラクター。
基本的に怠けたがりで軍を嫌っており、しかし指揮官としての才能に溢れ軍人の道を歩む様はかの魔術師ヤン・ウェンリーと重なります。。
まぁ女たらしという点でヤンとは決定的に違うわけだけどw
「怠け者で女好き」という言い方をするとどうしようもないキャラな気がするけど、そんなイクタが機転を利かせて道を -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「このラノ2013」で全くのノーマークだったところでなんと13位。
確かにとても面白かったと思いますが、既刊2巻(というか対象期間内では1巻)の段階でここまで評価されるのはさすがに過大。いかにも「ここから物語が動き出す!」みたいな終わり方するので。
これが評価されるなら、「エスケヱプ・スピヰド」とか「烙印の紋章」とかももう少し評価されてもいいと思うんだけどな。
六花の勇者もそうだけど、協力者層は「今は地味でも今後に期待」な作品を推す傾向ですよねー。
内容としては、まあこのラノのコメント通り。
戦争嫌いの怠け者の主人公が、運命に翻弄されて一国の英雄に祭り上げられていく。しかも主人公には軍師と -
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