小嶋陽太郎のレビュー一覧
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両親の不仲、祖母の認知症、イライラする女子高生
不幸が空から降っている、蹴り返さないと、という怪しい蹴り男に会い
試しに空を蹴るが、、、
自分の性自認に悩みつつ諦めの感のある高校生
周りの変化に感情が右往左往
空から降る雨の日、友人と和解
空に向かって笑顔の練習
空がテーマか?
母親の再婚で、新しい家族として過ごす
母親の変化や、新しい家族に違和感と不自然さを感じるが、やがて自分抜きの家族が自然なのではと思い直す
だがある出来事から、みんなが無理をして家族を演じてたことが分かる
その鍵になるキャラクターが本人の悩みさえも解決に導く不思議な存在感
小学校の思い出を持って妄想にかられた大学生活を送る男
その妄想から目を覚ますきっかけとなる女子高生
みんな一人で孤独に悩んでるけど、実は意図してかしなくてか、寄り添う人が身近にいることをさらりと描く、連作短編集です -
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面白かった。設定と表紙で手に取って正解。文学には詳しい、漫画は「読んだことがない」主人公:山田友梨が、希望した文芸部に入社できずなぜか気鋭の漫画編集部・ヤングビートの新人漫画編集者となってしまうところから始まる。キャラの濃い編集部の先輩に囲まれながら、風変わりな漫画家に翻弄され自分の心にしまい込んだ「トラウマ」にも触れていく。軽いタッチでスイスイと読めるがヤングビートの設定が青年誌であることから、友梨に対するセクハラに耐えられない人も出てくるだろう。割り切って読めればかなりおすすめ。特に漫画が好きな人には。漫画化しても面白いのではないかとも思った。
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ネタバレ久々に読んだら小嶋陽太郎のイメージをガラっと覆す小説でびっくり。もっと軽妙で前を向いたポップな小説を書く人のイメージだったのだが、この本は軽妙さやポップさは(ないとは言わないが)影を潜めている。
主人公と親友とそこに現れた一人の女の子。そういう三角な関係が2つ。大学生の市川君と中学生の佐野君の視点で交互に章立てされて話が進む。どちらもまっすぐな友情物ではなく、かなりの登場人物それぞれの背景からして曲者で、一角を成す女の子との関係もそうとうに曲者。
話が進むにつれて張られた伏線になんとなく気付いてくる。その伏線は決して目新しいものではないのだが、それでも回収されるときの衝撃は鈍くドンっと響く。ミステリーじゃないので「あっ」と驚く必要はない。そうかこういう回収による表現もあるんやと、衝撃におののきつつ感心する。
読後にタイトルの意味と、第一章が唐突に始まる意味が分かって、それでまた感動する。小島陽太郎、やっぱただものじゃない -
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小嶋陽太郎が描く人の抱える痛みが、踏切の遮断機の音のように急かされて押し寄せてくる。
『火星の話』で見せていた片鱗が大化けした。
環境に恵まれて毎日元気に暮らしている幸せな人にはこの小説はただの暗い話にしか見えないかもしれない。
でも、人の悪意に敏感で、ぐちゃぐちゃと深く考え込んで、勝手に痛みを抱えてこんでしまうような人には、とてもよくわかる物語だと思う。
主人公がまさにそういう青年で、主人公視点の地の文は鬱屈している。
広崎と吉岡との出会いのシーンはとてもわくわくしたのだが、主人公は過去の経験からなかなか彼らと距離を詰めることができない。
でも、痛みを抱えているのは主人公だけではない。
他の登場人物たちにもそれぞれに暗い過去があって、どうにもすれ違ってしまう。
はじめに「幸せな人にはわからない話」なんて、まるで自分だけが被害者みたいなことを書いたが、幸せばかりの人間なんていないということは私もよくわかっている。
誰しも少なからず傷跡はある。
周りとの価値観の違いに悩んだり、作中で「バランス」あるいは「ゼロととなり合わせの百」と表現されるような人間の不安定さに振り回されたり。
でもそれはいつかは乗り越えなければいけない。
その方法はいくつかあるけれど、私はやはり互いの荷物を共有していける相手がいればいいなと思う。
物語のラストは小さな光だが、私には小さくとも眩しく感じられた。
「悲しい話は終わりにしよう」というタイトルが、とても大きな一歩になる力を秘めている。 -
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ネタバレどうしても行きたくないときだって、ある。を綴った6人の作家さんの物語。
内容紹介:誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。 ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。 ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。 僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。
こちらの著書を購入したきっかけは、作家の一人の住野よるさんの作品が載っててそれで読んでみたいと思って購入したんですが、読んで見るとどの話も良かったです。特に心に残ったのが
阿川せんりさん・・・好き・嫌いどっち? 「あなたの好きな/わたしの嫌いなセカイ」
渡辺優さん・・・エラー?ロボットだって... 「ピンポンツリースポンジ」
小嶋陽太郎さん・・・人は見た目では。なんとなくホッ 「シャイセ」
住野よるさん・・・住野さんの空気が。幸せって... 「コンピレーション」
ほんとどれも良かったですが、やっぱり短くても住野さんワールドが一番良かった(^^) -
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これは、もう素晴らしい作品です!!!!!!!!!!!
とにかく、面白い。
変わり者の3人が、暗号解読に挑む中、ようような事件が起こる。
また、サクが近田さんの事を突然好きになってしまう、恋愛小説でもある。
僕が一番面白いと思った、シーンは最後暗号が解けた時に、予想とは全然違うもので、それは角田先生が昔、音楽の佐藤先生宛てに書いたラブレターであって、それを見つけ角田先生に見せたおかげで、角田先生は、佐藤先生にサプライズをして、2人は結婚するかとになった、このように変わり者の3人が暗号解読をするというということが、角田先生と佐藤先生と結婚に結びつくところがおもしいろいなと思った。 -
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ネタバレ「ぼくのとなりにきみ」の続編、長谷川調査隊シリーズの第2弾である。
前作より、好きな展開。こういう小説を読みたかったし、こういう中学時代を送りたかったし、こういう連中と友達になりたかったし、こんな夏休みを過ごしたかった。
大人がジュブナイルと読むと「この子ら健気だな、可愛いな」と大人目線で鑑賞するのが普通なんだか、こんな風に思えるジュブナイルって素晴らしいじゃないか。
新キャラ、永瀬さんも桐子さんも素敵な女性で、俺なら絶対彼女らの方が好み。そして4歳の時のハセがもうとにかく絶対、圧倒的にエエ奴!正義の味方ってのはこういうヤツのことなんやで。絶対 -
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ネタバレ小嶋陽太郎らしいというか、さすが楽しませてくれるエンタメお仕事小説。
可愛くはないがブスではない(自称)、巨乳(自他ともに認める)の大卒新人文学少女が、よりによってコミック誌の編集に配属される。
そっからはもう、ジェットコースター。大御所漫画家に留めを刺すわ、覆面作家の謎を暴くは、チラエロコミック作家に惚れられるわ…。
ちょっとした謎解きもあったり、意外なドンデン返しもあったり、退屈させない展開で、これぞエンタメ。肩肘張らずに楽しめる快作。
しかし、コミック界出版社ってとこは、ある意味変態だったりパワハラだったりの温床やな、小説だから笑ってられるが、電通や朝日新聞のブラックぶり観てると現実にこんなんやってると思うと、ちょっと胸が痛む -
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「いきたくない」
そう思っちゃダメなのかな。
自分は不出来なのかな。
そんな気持ちがなんだか浄化された1冊。
ピンポンツリースポンジ。ロボットと心。対極にあるものだと思ってたけど、実は違うのかも。ロボットが抱く気持ち。ほんとはあるのかも、と思うと、不思議な感覚となんだか心があったかくなる感じがした。
シャイセ。日常の少しずつのストレスは、まわりの人が包んでくれる感覚で緩和されてて、その感覚がなくなった瞬間、耐えられなくなる感じ。すごーく沁みる。「いきたくない」って当然だよ、のシャイセの言葉に救われた。
週末のアクアリウム。普通と普通じゃないの、境目。平常心と狂気の境目。人って、絶妙なバランスで立ってる。足元がグラグラする感じの怖さを感じました。 -
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作品紹介・あらすじ
誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。
ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。
ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。
僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。
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6人の著者による、「行きたくない」をテーマにした短篇集。「とりあえず気楽に暇つぶし程度に読めそうだな」と手にとったのだけれど、そんな安易な気持ちはいい意味で裏切られた。
●加藤シゲアキ「ポケット」
アイドル・グループ「NEWS」のメンバー。2020年と2023年に直木賞候補となる作品を発表している。本書「行きたくない」は2019年の出版なので、直木賞候補になる直前の短編。だからかどうか分からないけれど「これから本領を発揮していくのかな」なんてちょっとイジワルな感想を持ってしまったのは、この「ポケット」が今ひとつよくわからなかったから。言いたいことはなんとなくわかるような気もするのだけれど(回りくどい言い方ですが)どうもかゆい所に手が届かない。いや、違う。かゆいという感覚はあるのだけれど、どこをピンポイントでかいていいのかわからないので、とりあえずかゆい感覚がありそうな周辺をボリボリとかきまわっている感じ。決してつまらなくはないので、余計にもどかしい気持ちだけが残ってしまった。それでも矛盾しているようだけれど好感が持てた作品。
●阿川せんり「あなたの好きな/わたしの嫌いなセカイ」
楽しい作品ではないです。読んでいてもちっともハッピーにはなれないのだけれど、目を背けることが出来ないというか、変に共感してしまうような状況。淡々とした文体なのに書かれている内容は登場人物本人にしてみれば、どうしようもないほどに切羽詰まった心境になっていると思う。しかも「わかる!わかる!なんとなくその気持ちわかる!」と思えてしまうのだからたちが悪い。僕にとってはそんな作品。「面白かった」という感想は相応しくなさそうなので「物凄く印象に残った」にしておきます。
●渡辺優「ピンポンツリースポンジ」
これはもしかしたら近未来SFなのかもしれないですね。AIがどんどん進化していった結果、AI自体が「なんとなく行きたくない」という感情を表現するようになるかもしれない。そしてAIを使用している人間を困らせる。この「なんとなく」というのが、白黒はっきりしている感情よりも、より複雑なのかもしれない、という指摘だけでも「おお、そうかも」と思えてしまった。またそんな「なんとなく」という感情を持ったもの同士に仲間意識が生まれるのも、なんとなくわかる気がする。面白かった。
●小嶋陽太郎「シャイセ」
この作品に出てくる「2階の住人が床に物を落として騒音を発したら、その下の1階の住人が天井を突っついて2階の住人にクレームをつけてくる」みたいな状況は、実は僕はリアルで体験している。なので、途中までまるで自分のことのような気持ちで読み進めた。実際にはクレームではなかったのだけれど。恋人との別れ、現実とうまくかみ合えない状況とそれに対する諦念、それでも誰かと結びつきたいという欲求、コンビニや喫煙所での邂逅、DV、そして不器用ながらなんとなく結びついた2人。そんな物語が重くなることもなく、時にはユーモラスで軽快に描かれている。これまた面白かった。
●奥田亜希子「終末のアクアリウム」
これはどうなのだろう。男性である僕が読むのと、女性が読むのとではやはり受け取り方が大きく違ってくるように思う。一組の夫婦が登場するのだけれど、なんとなく不穏な空気を僕は常に感じながら読み進めていた。しかもそんな夫婦にちょっかいを出してくる第三者の存在。そしてバランスが崩れてしまったラスト。「終末のアクアリウム」とはそういうことだったのかと思い知らされる。結末は用意されていない。でも「自分の家に、帰ります」という一言にひとすじの希望が見られたような気もする。物凄く印象に残った。
●住野よる「コンピレーション」
仕事から帰宅すると毎晩知らない友達が待っている。しかも毎晩違う友達で既に400人は超えている。そしてそんな友達と楽しく交流する。主人公の女性はそんな環境に疑問も不安も抱かずに浸っている。次の夜の「初めて出会う友だち」を心待ちにしている。途中でこの環境を「初めてではない、二度目の友達」が打破しようとするのだけれど、結局はうまくいかない。
決して現実味のある設定ではないのだけれど、「二度目の友だち」が打破できずに主人公の女性が、このある意味自堕落でただ流されて生きているだけの状況を受け入れる、という点がすごくリアルに思えた。仮にここで主人公の女性が、「よし、自分を変えてやろう」なんて一発奮起したらかえって嘘っぽくなってしまったように思える。打破できなかった友達が、それでも主人公の女性とふくれっ面のまま食事をしたり、泊まっていったりするあたりも僕にはすごくリアルに思えた。
少し違うかもしれないけれど、映画「トゥルーマン・ショー」みたいな世界観なのかもしれない。タイトルの「コンピレーション」とは「編集、編集物」といった意味で、「なるほど」と思わせてくれる。この異様な状況に関する説明は作品内ではほとんどでてこないのだけれど、それに対しては全く気にならなかった。
作者は「君の膵臓をたべたい」の著者とのこと。僕はこの「君の膵臓を~」を読んでおらず、いままでは食指も動かなかったのだけれど、この「コンピレーション」を読んでみて、機会があったら読んでみようと思った。この「コンピレーション」、本書の中では一番面白かった。 -
Posted by ブクログ
いやあ、面白かったー。どんな話なんだろう?と予備知識なしで手に取ったが、まさかの漫画編集者の成長物語とは。このタイトルでこの舞台設定、なかなかやるな。登場人物のキャラが立っているし、エピソードも面白いし、構成もバッチリだし、活写もうまい。つまり、いろいろと「生きてる」ってことだ。本当に小嶋さん上手い。
今回の主人公のトラウマは比較的軽めということもあってか、単純に娯楽物の読み物としても楽しめた。「いまだ、できず」も「キヨのひらく箱」も本当に目の前にありそうで、とても読んでみたくなった。
文学だろうが漫画だろうが、そこに隔たりはなく、それらの創作物に携わる人たちへの敬意を表した力強い応援讃歌であると感じた。