向後千春のレビュー一覧
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「教える」とは、教える側と教わる側のコミュニケーション。そこに上下関係はなく、あくまでも対等な立場である。横の関係であるならば、教える側として大切なことは、まず相手を観察すること。次に、相手にとってちょうどよいものを提供すること。そして、適切なフィードバックをすることである。
「教える」には3つのパターンがある。運動スキル、認知スキル、態度スキルを向上させることである。つまり「教える」とは、相手のスキルアップをサポートすることであると言える。中でも一番難しいのは態度スキル。どんなスキルを伝える場合でも、態度スキルの向上を意識する必要があると感じた。
コーチングとティーチングは別物であると考えていたが、「教える」ことを極めるとコーチングにたどり着くと気づいた。いずれにしても「教える」とは教える側と教わる側の協働作業である。教える側も「教える」ことを通じて成長するのである。
「教える」ことを専門とする人だけでなく、部下を持つビジネスマンや、子供の教育に悩む親にもオススメしたい一冊である。 -
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教育工学専門の方から教えていただく。タイトルも内容も「教育」という言葉を一切使わないのが、新鮮。どこまでも「学習者検証の原則」に貫かれている。そして、学問的裏打ちのある記述に、頭が整理され、「ようし自分もやってみよう」と思えたから不思議だ。私の「ちゃんと教えたい」態度スキルが本書で確実に向上したのは著者の思いやりと賢さの賜物か。
・教えたつもりがダメ。
・教えるゴールは行動になるように言い換える。
・相手の心を変えるよりも行動を変えよう。
・「それぐらい、なんでできないの?」は禁句。
・認知スキルを教えるときは、うまくやるためのコツを教える。
・態度を決めさせたいなら、相手の心にタッチするスキルが必要。
・おおげさに褒めてはだめ。評価フィードバックは情報フィードバックに比べて、効果が微妙。
・相手が好む行動をご褒美にする。
・人は自分の技能とちょうど釣り合った挑戦を受けると、もっともやる気が出る。
・集中学習より分散学習の方が効果的。
・覚える内容とすでに知っている知識を結びつけると記憶できる。
・相手は聴覚型か、視覚型かを見極める。物語か図か。
・質問して、やってほしいことに目を向けさせる。
・自分というものはそう簡単に変わらない。しかし、なぜ必要か、どんないいことがあるかが分かると態度が変わる。 -
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ネタバレ■インストラクショナルデザインの本質
本書を通じて、インストラクショナルデザインは単に教える技術だけでなく、学習者が主体的に学び、成長できるような環境を設計する学問であることが理解できました。インストラクションは意図的な介入であり、教える側と学ぶ側の相互作用を考慮する必要があることが強調されています。デザインは原理と見かけを結びつけるプロセスであり、抽象的な教育理論を具体的な実践に落とし込むことが重要です。
■学習を効果的に促進するために
学習は多くの変数に影響されるため、教育者は単に知識を伝達するだけでなく、学習者のモチベーションを高め、自ら学ぶ意欲を引き出す必要があります。成功的な教育観は、学習者の成果を重視し、教えたという実感ではなく、学習者が実際に学んだという実感を重要視します。効果的な学習支援には、明確なゴール設定、学習者検証の原則、ADDIEモデルの活用、ラピッドプロトタイピング、積極的折衷主義などが有効です。
■学習者の視点からの教育設計
学習者の視点を重視することは、効果的な教育設計において非常に重要です。学習者のニーズを理解し、適切なリソースと活動を提供すること、そして、適切なフィードバックを通じて、自己改善を促す必要があります。また、学習は個人の努力だけでなく、コミュニティとの関わりも重要であり、相互作用を通じて学びを深めることが推奨されています。
■認知と行動の変化を促す
認知心理学の知見を踏まえ、記憶や知識の構造、スキーマなどを考慮した指導法が重要です。行動分析学に基づき、強化と弱化、好子と嫌子を適切に用い、行動変容を促すことが大切です。また、認知技能の熟達には、言語情報、知的技能、認知的方略のバランスが重要であり、特に初期段階での言語によるインストラクションが不可欠です。
■態度の変容を促進するために
態度変容は、命令ではなく、体験学習を通じて内面的に納得するプロセスを重視します。コミュニティとの関わりや価値体系の理解を深めることが、態度変容を促進する鍵となります。さらに、状況的学習論に基づき、真正性のある学習環境を設計すること、ゴールベース・シナリオ(GBS)を活用すること、認知的徒弟制度の手法を取り入れることが有効です。
■主なキーワード:
以下に、私が気にしたキーワードに基づいて、本書の内容を引用可能な形で記述します。
インストラクショナルデザイン:
「インストラクショナルデザインは、教えるという側面と沿い得られるという側面がある」(メモより)
「デザインとは、原理と見かけをつなぐこと、原理を見かけに変換すること」(メモより)
「インストラクショナルデザインは、教育の原理を具体的な指導方法に変換することを目指す」(本質記述より)
インストラクション:
「インストラクションとは意図的な介入」(メモより)
「インストラクションは、学習者が特定の知識や技能を習得するために、教え手が計画的に行う指導行為」(本質記述より)
コース:
「インストラクションを複数組み合わせたもの」(メモより)
コンテキスト:
「コースが設定されたまわりの状況」(メモより)
行動随伴性:
「行動とそれによる環境の変化の随伴性がその次の行動を制御するというモデル」(メモより)
強化と弱化:
「行動の後に好子が出現することで、その行動の頻度が増加することを指します。また、行動の後に嫌子が出現することで、その行動の頻度が減少することを指します。」(メモより)
好子と嫌子:
「好子(こうし)とは、行動の直後に出現し、その行動の生起頻度を上げる刺激や条件を指し、嫌子(けんし)とは、行動の直後に出現し、その行動の生起頻度を下げる刺激や条件を指す」(メモより)
スモールステップの原則:
「学習を小さな段階に分けて進めることで、学習者が成功体験を積みやすくする方法」(メモより)
シェイピングの10の法則:
「十分な数の強化が得られるように、基準を少しずつ上げる」「一度に1つだけのことを訓練する」などの10の法則(メモより)
認知技能:
「言語情報と知的技能と認知的方略の3つの要素からなる」(メモより)
「知的技能を発揮するためには言語情報が貯蔵されていなくてはならない」(メモより)
短期記憶と長期記憶:
「短期記憶は、数秒から数十秒の間に情報を保持する能力であり、長期記憶は、情報を長期間にわたって保持する能力である」(メモより)
維持リハーサルと精緻化リハーサル:
「維持リハーサル: 内容を単純に繰り返す」「精緻化リハーサル: 覚えようとする内容を別の頃柄に結びつけること」(メモより)
スキーマ:
「情報を整理し理解するための枠組み」(メモより)
「誤ったスキーマを診断する」(メモより)
領域固有性:
「知識やスキルが特定の文脈や状況に依存している場合、他の領域に応用することが難しい」(メモより)
転移:
「学習した内容を異なる状況に応用する能力」(メモより)
メタ認知:
「自分の思考過程を客観的に観察し、調整する能力」(メモより)
アンカード・インストラクション:
「学習者が学んだ知識を現実の文脈に結びつけることで、知識の活用を促進する教育手法」(メモより)
ガニエの5分類:
「言語情報、知的技能、認知的方略、態度、運動機能の5つに学習成果を分類」(メモより)
ブルームの「情意的領域」:
「受け入れる、反応する、価値づける、組織化する、人格化するの5つのレベルに分類」(メモより)
状況的学習論:
「学習が特定の文脈や環境に依存することを強調する理論」(メモより)
アフォーダンス:
「環境が提供する行動の可能性を指す概念」(メモより)
正統的周辺参加:
「学習とは実践コミュニティ(community of practice)への参加の過程である」(メモより)
認知的徒弟制度:
*「モデリング、コーチング、スキャフォルディング、フェーディングなどの手法を含む」(メモより)
ゴールベース・シナリオ:
「事例ベース推論、真正性、織り込み、分節化、内省、学習サイクルなどの要素を含む」(メモより)
ニーズ分析:
「特定の対象集団が抱える問題や要求を明らかにするプロセス」(メモより)
ゴール設定:
「SMART原則に基づいて具体的なゴールを設定する」(メモより)
リソース設計:
「プログラム実施に必要な資源(人材、教材、技術、予算)を準備するプロセス」(メモより)
活動設計:
「学習者が参加する具体的な活動を計画すること」(メモより)
フィードバック設計:
「学習者の進捗を評価し、改善点を見つけるためのフィードバックを提供するプロセス」(メモより)
評価設計:
「プログラムの効果を測定し、改善点を特定するためのプロセス」(メモより)
まとめ
この読書メモは、あなたの深い洞察と分析によって、本書の重要なポイントを網羅的にまとめたものです。これらの知見は、今後の学習や教育活動において大いに役立つことでしょう。 -
Posted by ブクログ
アドラー心理学とは、
自分の人生は自分で決められるという「個人の主体性」を中心に考える。その周りに、①感情・理性・意識・無意識・肉体などの要素に捉われず全体として個人は行動を起こしているという「全体論」、②個人は社会の一因であり社会に埋め込まれているという「社会統合論」、③人はまず目的を持ち、それに向かって行動を起こす「目的論」、④人は自分、他者、世界を観たいようにみているため、今の仮定とは異なる状態も考えるとよい「仮想論」がある。
優越への努力ではなく完全の努力へ。
誰かより優位にありたいよりも、共同体を成長させたい、誰かの役に立ちたいと思い努力する方が幸せである。 -
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今回の学び:教える時は相手の立場に立つ
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教える上での基本的な心構えや、相手が無理なく理解していくための教え方のステップを学べたので良かったです。
相手により上達して欲しい、さらに成績をあげてほしいという思いから口を出しすぎたり、ついできると過剰に褒めてしまったりしていたのですが、適切な行動目標と、程よい声がけ・見守りで相手との信頼関係をより深く築いていきたいと思いました。
今回は1対1で教える場合を想定したテクニックが多かったような気がしますが、集団授業やセミナーのように1対複数の場合はどうなるのかも見られたら良かったなと思いました。 -
Posted by ブクログ
勉強になる事は多かった
他人に興味持たないひとは関心が自分自身だけになりそれは結果的に疎外感になり恐怖になる、逆だと勇気になる
いま充実してると感じるけど友達いないことってそんなにだめかな?ってずっとモヤモヤしてたけど、自分のことしか考えられてなかったのが良くないことだったんだなって気づいた
確かに人と関わることで自分の無能さを確定するのが怖かったり、自分が仮定した世界の証拠を集めて事実をみずネガティブになってたのは認める
それは関心が自分にしかなかった証拠なわけで、まわりに関心を持とうとしなかったからいつまで経っても同じところで止まってたんだ
これからはバランスを大事にして社会を意識しながらより人間らしい人間になっていきたいと思う
なんかでも個人的に違和感感じるとこがちょいちょいあったかな
視野を広げてくれてありがとうございました!