中土井僚のレビュー一覧
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発達指向型組織(=DDO)について書かれた本。
今、よく聞かれる心理的安全性に近い内容についても含まれている。
組織の成果を上げることよりも組織の人たちがいかに成長していくかに重きを置いたものである。
(組織の人たちの成長によって結果的に成果が出る)
その個々の人たちの成長をするための要素の一つに自分に対しに真摯に弱さをさらけ出せるかということが本のタイトルにもなっている。
本書でも書かれていたが、今の時代仕事に求めているのはお金だけではない。
その仕事を通してどれだけ成長できるか、どれだけやりがいがあるのかということにとてもウエイトが高くなっている。
今のように数年後の世界の流れが読めない状況では誰でもできる取るに足らない仕事はどんどん淘汰されていくだろう。
その中で常に自己研鑽を積む風土の会社、そこで働く人たちでしか生き残っていくのが難しいのではないか。
つまらない揚げ足取りをしている職場をどうにか変えていきたいと強く思った。 -
Posted by ブクログ
とっつきにくい
世の中には、①煩雑な問題と、②複雑な問題とがあり、U理論は②複雑な問題の解法であることが冒頭で提示されます。
PDCAを回して解決するものを「過去からの学習」といっています
解決方法があるもの、①煩雑な問題 ⇒ ジグゾーパズルの問題
対応していけばいずれ解決します。
本書が扱うのは、「出現する未来からの学習」といっています
解決困難なもの、②複雑な問題 ⇒ ルービックキューブの問題
相互依存関連があり、旧来の手法では解決することは困難です。
②複雑な問題には3種類があって、それらが複合している場合もある
・ダイナミックな複雑性
・社会的な複雑性
・出現する複雑性
U理論の7つのステップは
1 ダウンローディング
2 観る
3 感じ取る
4 プレゼンシング
5 結晶化
6 プロトタイピング
7 実践
お互いに過去の枠組みからの認識から、出発していって、ひらめいたインスピレーションについて、仮説をたて、検証をおこなって、実行していくのがU理論になります。
目次は以下です。
第1章 人と組織が「頭を抱える問題」を解決する
第2章 U理論が起こすパラダイムシフト
第3章 本質的な変容を起こすU理論の7つのステップ
第4章 U理論の実践[個人編]
第5章 U理論の実践[ペア・チーム編]
第6章 U理論の実践[組織・コミュニティ編] -
Posted by ブクログ
U理論が何かを全く知らない状態で読んだが、
ダウンローディングがめっちゃ自分に当てはまっていて、
センシングを意識する必要があると思った。
傾聴が課題と言われたことがあるが、
話を聞いたところで、
先方の心理的安全は担保されるかもしれないが、
こちらの意見は変わらないし、
結果も特に変わらないと思っていたが、
プレゼンシングが必要ということが分かった。
下記、覚えておきたい内容。
・ジグソーパズル型
自分=問題の外
論理的に分解された個別の施策の積み上げによって解決できる問題
・ルービックキューブ型
自分=問題の一部
要素が複雑に絡み合っているために何らかの対策を打つと必ず様々な方向に影響をもらたす問題
・認知と行動のループ
「自分の認知」「自分の行動」「相手の認知」「相手の行動」という4つの要素が循環的な因果関係をもつもの
・U理論とは
マサチューセッツ工科大学上級講師、C・オットー・シャーマー博士によって生み出された、「過去の延長線上ではない変容やイノベーションを個人、ペア、チーム、組織、コミュニティ、社会のレベルで起こすための原理と実践の手法を明示した理論」である
特徴は「内面のあり方」に注目している点
U理論では、変革の成否は、何をどうやるのかではなく、何者としてそれに立ち会うのかにかかっているという考えに基づき、その変革者の内面の変容を重視
・U理論の3つのプロセス
センシング
プレゼンシング
クリエイティング
・ソーシャル・フィールドの4つのレベル
レベル1 ダウンローディング
レベル2 シーイング
レベル3 センシング
レベル4 プレゼンシング
・ダウンローディングとは
過去の経験によって培われた枠組みを再現している状態
何も結論(決めつけ)や判断をくださず、思考を吊るして眺めることが保留の本来の意味
・シーイングとは
目の前の事象、情報、状況に意識の矛先が向けられた状態
シーイングへの移行は自分の意志によって生じるものではなく、あくまで外部刺激によって起きる
過去の枠組みそのものが変わったわけではない
・センシングとは
過去の経験によって培われた枠組みが崩壊し、枠組みを超えた側から今の自分や状況が見えている状態
自分の靴を脱いで、相手の靴を履く
開かれた心にアクセスする
対立ループダイアグラム
・プレゼンシングに移行するために
自己同一視から生まれる何かしらに対する執着を手放すこと
・PDCAサイクルとUプロセス
PDCA「過去からの学習」
Uプロセス「出現する未来からの学習」
「そもそも、どんな計画を立ててよいのかわからない」という状況においては、PDCAサイクルを回しようがない
プレゼンシングの状態から何かが立ち現れ、計画が定まったところで、PDCAサイクルに移行
・クリエイティング
意識変容が生じた後、Uの谷を昇り、具現化していくというモデルの右側に位置する、行動変容のプロセス
・試行錯誤の質を高めるヒント
プロトタイピング
シンクロニシティ
・オーセンティックリーダー
本物の自分らしさから生まれる純粋な情熱と貢献意欲は、「自分あっての相手」という生き方から「相手あっての自分」という生き方への転換を生み出し、ただ誰かや何かの役に立ちたい、自分にできることをしたい、という自然な衝動へと育っていき、より自然体なあり方で周囲に肯定的な影響をもたらせるようになる
そうした自然体な、その人らしいリーダーシップを発揮している人は、オーセンティックリーダーと呼ばれている
オーセンティックリーダーの純粋な情熱と貢献意欲による衝動が、まるで結晶のように形づくられ、志を同じくする仲間との共創造(Co-Creation)を可能にしていく
以上 -
Posted by ブクログ
ネタバレ中土井僚さんの「U理論入門」が刺さったので、提唱者オットー・シャーマー氏のこの本に手が伸びた。
しかしこんなに宗教、自己啓発、スピリチュアル、有機野菜信者の色を放っていたとは。。。一般的な日本人にっては、「オペラ風の映画」くらい違和感というか、拒否感を反射的に身にまとってしまうんですよね。これがまさに本書の第一段階「ダウンローディング」になるわけで、なかなか読み手を試してくる本です。
「7つの習慣」も何年も本棚で埃かぶっていたんですよね、同じ理由で。でも家族ができて、この概念を共有しようと一念発起して精読を重ねる度に新しい発見があり、さらにいつしか心の清涼剤的な落ち着きが得られるようになって、それがキリスト教徒の日曜日の牧師の説教の効用なんだなとわかってきました。
ということで、この本も何度も読み貸す本に加えようと思ってる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ問題の種類には二種類ある。
・ジグソーパズル型
→課題を一つ一つ論理的に組み解いて行けば、自ずと解決するような問題
・ルービックキューブ型
→課題を解こうとすると、その跳ね返りが他所に悪影響を及ぼすような、複数の課題が複雑に絡み合った問題
ルービックキューブ型の問題を解決に運ぶために、U理論
ざっくり、3工程
①センシング…状況を感じ取る
②プレゼンシング…先入観を排除して観察、相手の視点からものごとを捉える
③クリエイティング…実践、試行錯誤(ここは過去のノウハウ等から)
物事を考える時や相手の意見を聞く時には、自分の過去の経験から、自分だけの枠組みの中で物事を捉えてしまいがちだが、一旦その考えを保留にして相手の立場を考えよう。そして自分のコンフォートゾーンから抜け出して、覚悟を持って挑めば(いわゆる一皮剝けた状態)確信的な新しい啓示が得られる -
Posted by ブクログ
『なぜ人と組織は変われないのか』の著者キーガン氏&レイヒー氏の最新作。
発達指向型組織(DDO)というコンセプトを打ち出し、その事例として実在の3社を挙げている。
これらの共通項を3つにまとめ、エッジ、ホーム、グルーヴと名付けた。
このうち「ホーム」は「弱さを引き出し、それを支える発達指向のコミュニティ」と定義されており、個人的にとても気になる。
CMC読書会19(2017/10)の課題図書に設定。
<キーフレーズ>
DDO 3つの軸 と 12の考え方
■エッジ(発達への強い希求)
1 大人も成長できる
2 弱さは財産になりうる。失敗はチャンスだ
3 発達指向の原則に従う
4 目標はすべてが一体
■グルーヴ(発達を実現するための慣行)
5 安定を崩すことが建設的結果につながる場合がある
6 ギャップに注意を払う
7 仕事の完了ではなく、成長のためのスケジュールを設定する
8 人の内面もマネジメントできる
■ホーム(発達を後押しするコミュニティ)
9 地位には、基本的に特権がともなわない
10 みんなが人材育成に携わる
11 みんなが「僚友(クルー)」を必要とする
12 みんなが文化を築く
※番号は、3章で紹介される順に便宜上つけたものです。
<抜き書き>
●はじめに
・実は、組織に属しているほとんどの人が、本来の仕事とは別の「もう一つの仕事」に精を出している。(略)大企業でも中小企業でも、役所でも学校でも病院でも、営利企業でも非営利団体でも、そして世界中のどの国でも、大半の人が「自分の弱さを隠す」ことに時間とエネルギーを費やしている。
・「もう一つの仕事」など誰もしていない組織を丹念に観察してはじめて、ありふれたことが実は「普通」ではないのだとわかる。(略)そうした環境は、みんなが自分の弱さをさらけ出せる、安全であると同時に要求の厳しい組織文化によって生み出される。本書では、このような組織を「発達指向型組織(DDO=Deliberately Development Organization)」と呼ぶこととにしたい。
●2章
・本書では「development」という言葉をかなり違う意味で使っている。社員のキャリアの発展(development)ではなく、社員の人間としての発達(development)に光を当て、組織を大きくするより、組織をよくすることをまず考えるのだ。(p.91)
・「大人の発達」の道筋
◎環境順応型知性(ソーシャライズド・マインド)
◎自己主導型知性(セルフオーサリング・マインド)
◎自己変容型知性(セルフトランスフォーミング・マインド)
●5章
・ブリッジウォーター社のイシューログ
「ブライアン、フィードバックをありがとう。同僚として、そして同じ部門責任者として、親しく付き合い、コメントを寄せてくれたことに感謝している。今回の問題に対して好ましい姿勢で臨んでいなかったという指摘は、全面的に受け入れる。きみのフィードバックは、要するに次のようなことだと思う。…」
●6章
・免疫マップの不安ボックス ※「エッジ」の要素として
1.改善目標
2.阻害行動
3.裏の目標
4.強力な固定観念
※特に、自身の「弱さ」へ直面することを求められるのが、3.裏の目標のなかの「不安ボックス」。どんな恐怖から自分を守っているのか、そのためにどんな行動をしてしまうのか、ということがあぶりだされる(アドラー心理学の目的論にも通じるものがありそう)
●7章
・DDOを目指す組織を多面的に見る
※思想家 ケン・ウィルバーが考案した4象限モデル。「組織⇔個人」×「外面⇔内面」のマトリックスで考える
●エピローグ
ルーミーの詩「ゲストハウス」
ーーー
人間は1つのゲストハウス。
毎朝、新しい客がやって来る。
喜び、憂鬱、意地悪さーー
一瞬湧き上がる感覚が
思いがけない客として訪ねてくる。
そのすべてを歓迎し、歓待しよう!
(略)
誰が訪ねてきても感謝しなさい。
その一人ひとりは、あなたを導くために
かなたから遣わされた存在なのだから。
ーーー
<きっかけ>
発売日直前の中土井僚さんのメルマガで興味をもった。 -
Posted by ブクログ
学習する組織、が流行り言葉になって久しい。が、実際に実践できている会社はごく一部ではないだろうか。にも関わらず、学習に特化した組織がすでに出てきているとは!
一見、カルト的。既存の組織がDDOに変革する道筋は全く思い浮かばない。ティール組織の衝撃と同じで、こういうプレイヤと競合することは悪夢だろう。彼らは荒削りかも知れないが、常に修正できる。若い人も惹きつけられる。「もっとうまくやる方法があったのではないか?」とトップや幹部がフィードバックを求め、新入社員がコメントするなんて!
結局のところ、企業文化に属する話で、自社にインストールするには自らの奮闘を要するものだろう。まだ理解できてはいないが、何か爪の垢でも煎じて飲みたい。 -
Posted by ブクログ
第1版より、だいぶ薄くなった印象の第2版。
ページ数では、605ページが、585ページと20ページくらいの減少だが、紙質が変わったせいもあるのか、それ以上にコンパクトになった印象。
あと、30ページくらいの前書きが追加されているので、本文は、50ページほどコンパクトになったことになる。
コンパクトになったのは、第3部のプレゼンシングの部分。第1版を読んだときは、第2部まではなんとか読めるが、第3部になって、だんだん読むのが面倒になったことを思い出した。
ページ数が減ったからといって、内容が薄まるはずもないわけだが、なんだか、第1版に比べると、ずっとわかりやすくなった印象。
それは、第1版から10年を経て、表現がよりシンプルに洗練されたとか、実例が増えたということもあるのかもしれないが、この10年でU理論を踏まえた本やセミナーも増えたし、日本でも、こういうU理論的なことをまさに実践しているリーダーたちが沢山現れてきているということも、関係するのだと思う。
こんな具合で、久しぶりに読んでみて、以前、読んだときより、はるかにわかりやすく、頭に入ってくる。
一方、以前にはない微妙な違和感も感じつつあるかな。
なんだろうか、それは多分、現象学的な哲学的なスタンスと神秘主義、本質主義的なところかな?
「本当の自分」みたいな概念は、やはりなんだか落ち着かない気持ちになってしまうんだよね。
ナラティヴ・アプローチの本とか、ミシェル・フーコーなどを読むことを通じて「本当の自分」という概念への違和感をもってしまう自分の感覚がことさらに否定されるものでもないことがわかりホッとしているところだしね。
その辺が、整理できて、よかった。 -
Posted by ブクログ
タイトルからは、入門書ぽいイメージがあるが、組織開発という文脈での「基本と実践」の本。
組織にありがちな課題をループ図で説明したり、学習する組織や成人発達理論との関係が説明されたりされているので、入門書よりは、ややアドバンスな内容。
さて、U理論を使って、具体的に組織に関わっていくかという時に障害になるのは、「 U理論」とか、「プレゼンシング」とか、もろもろのジャーゴン群。
というわけで、そういう言葉を使わずに、組織開発に取り組むステップというか、「グランド・デザイン・コード」が、この本の最大の読みどころ。
といっても、あっと驚く最新のツールが記載されているわけではない。
組織開発の色々なツールが、Uプロセスの進展にあわせて、組み合わされているという感じかな?
U理論の初版が翻訳されて、すでに10年近く経っているわけで、それだけU理論的なツールやステップが一般化しつつあるということかな?
いうまでもなく、この本に書いてあるようなツールをステップ通りに進めても、プレゼンシングが生じたり、実践が生み出されることが保証されているわけでは、全くない。
つまり、U理論はどんなツールを使うかというより、プロセスに関わる参加者の意識の状態、そしてファシリテーター自身のありようや場で起きていることへの感受性が、極めて重要であるということが、改めて明確になったということかな? -
Posted by ブクログ
コンサルティングや課題解決のプロセスを自分の中で体系化したいなと考えているのですが、U理論や学習する組織周りの話は、イノベーションを引き出す実践的かつ普遍的な方法論としてまとめられていて、参考になります。
U理論、ざっくりとは「問題にはジグゾーパズル型の煩雑な問題とルービックキューブ型の複雑な問題とがあって、前者は時間をかければとけるが、後者はそうは行かない。論理的な思考やPDCAをまわす方法には限界があって、飛躍的思考がいる。」っていう話があって、その飛躍的思考のプロセスとして、U理論が展開されていきます。枠にとらわれない、共感性をもつ、直感を受け入れる、といった段階が定義されています。
後半、なんかこう、ややスピリチュアルというか、「出現する未来から導く」?ん?ってなるところもありますが、でもおもしろいです。
イライラしている時の自分の顔を鏡で見たことがなく分からないように、自分の行動と他者の認知はわからないもの。だから空回りする。
PDCAによる過去からの学習には限界がある。
過去の枠組みにとらわれているダウンローディング、前例にとらわれずフラットに認知するシーイング、相手や状況を感じ取るセンシング、質の良い直感を受け入れるプレゼンシング。これらを経て、新しい何か、未来からの学習が生まれる。そしてそれをすばやくクリエイトするのが大事。