中土井僚のレビュー一覧

  • 出現する未来から導く ― U理論で自己と組織、社会のシステムを変革する

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    サンクコスト、しがらみ、そういったものから如何に囚われない判断ができるか。その昔、ある役員の凄いところを聞いた先輩が「囚われないところ(捉えどころがない、ではない。)」と評したことを思い出す。

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    2016年12月01日
  • マンガでやさしくわかるU理論

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    ネタバレ

    自分自身の対応が問題に影響し解決策が簡単に見つからないルービックキューブのような複雑型の問題と、ピースがはまれば解決に前進していくジグソーパズルのような煩雑型の問題の捉え方が自分にとって新鮮だった。
    ルービックキューブ型の問題に取り組むには、単純に自分を変えるということだけでなく、相手との対立ループの中の見えていない・気づいていない部分の感情や言い訳を点検するために、自分の考えを保留して相手の靴に足を入れるように相手の立場・視点で見つめてみること、相手・周囲への貢献の視点をもって問題をひたすら観察すること。そのためにソーシャル・フィールドの3つのレベル(ダウンローディング、シーイング、センシング)を下り、プレゼンシングでは出現する未来を一歩下がって内観し内なるノウイングが現れるに任せる。そしてクリエイティングでは素早く即興的に試行錯誤を重ねながら実践する。そうしたU字の活動を繰り返しながら、より深いUを実現する。
    各ステップをストーリー化したマンガとそれ以上の分量の説明文で、U理論では何を行っているのかが理解しやすかった。
    16-51

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    2016年03月20日
  • マンガでやさしくわかるU理論

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    おどろいた。西洋的な理論的な考え方が、東洋的な仏教的な考え方にここまで近づいているとは。「理論」と名がつくものの、「やり方」の限界を認識し、「あり方」に向かう具体的な手法や、枠を超えた考え方が体系化されてまとめられている。

    「相手の立場に立つ」という、シンプルで高い目標を、「やり方」と「あり方」の変革により、鮮やかに描いて見せる。マンガだからこそできる、ビジュアル的表現が、「共感」のイメージを補足している。

    ここまで泣けるビジネス書は珍しい。

    「共感」の大事さを心底感じている人に、読んでほしい。

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    2016年01月11日
  • マンガでやさしくわかるU理論

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    結局ちゃんと文章も読まなければいけないけれど、マンガのストーリーとともに読むと、自分の場合にも当てはめて考えやすくて、実際にU理論を活用していけそうな気持ちになりました。

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    2015年10月13日
  • 人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

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    U理論の入門書としてわかりやす事例を用いて解説されている。ワークも紹介されており、U理論に初めて触れる方にとってはとっつきやすいと思われる。しかしU理論を理解するには、幅広い知識が必要となるため、この本だけでU理論を理解することは難しいだろう。

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    2015年08月24日
  • 人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

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    2014年105冊目。

    過去ではなく「出現しようとしている未来」から学ぶという、直観的には分かりそうで、でも言葉では説明できなかった「U理論」だったが、この本は本当に分かりやすかった。
    Uの谷を下り、再び登るまでの7つのステップごとの解説の理解しやすさに加え、数々の事例がその理解を深めてくれる。
    自分が尊敬する方々は、コーチであれ、アーティストであれ、みんな意識的に無意識的にかこのUの谷を降りているという実感を持てた。
    「入門」書なのに400ページというボリュームだが、中身は本当に入門書として最適。

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    2014年11月06日
  • 人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

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    本当に素晴らしい。2回読んで、著者の研修に参加。相手の目玉になる、自分のことばかり考えないということを著者から、徹底的に学んだ。
    リーダーシップや、組織変革、自己変容などの根底にある原理であり、手段ではないとのこと。これからの私のバイブル。

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    2014年09月08日
  • 人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

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    目標を見失ったり、人間関係がこじれたりして、どう解決すればよいか分からない課題に直面した時の処方箋として、非常に参考になりました。

    おおまかな流れとしては、身体に染み付いた先入観を一つ一つはがして、自分の根っこにある気持ちをまずは再確認。あわせて他人の視点(未来の自分含む)も取り入れて、ちっぽけな自我を超えてこれからを考えましょう、過去に囚われず未来から今を見つめましょう、てことだととりあえず理解してます(-_-)

    これさえマスターすれば年収1千万ヒャッハー!て内容ではなく、どうすれば心安らかにより良い方向に感情を持っていけるか、という明文化しづらい内容をうまくまとめた素晴らしい本でした。もともとはかなり難解らしいU理論を、噛み砕いて易しく説明されてるので、手元においてちょくちょく読み直そうと思います。

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    2014年05月16日
  • 人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

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    前半は、U理論の概要説明。後半は、個人/チーム/組織の視点でU理論を実践する際のポイントなどがまとまっている。
    個人的には胡散臭くなく、無意識にやっていたことを言葉にしてくれた感があり、自己啓発本の中でも気に入った部類に入る。
    今は個人ベースで参考にしているが、ゆくゆくはチーム/組織の部分が役に立ちそう。繰り返し読みたい1冊。

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    2014年05月14日
  • 人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

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    やっと読み終え思い出した本があります。思考の整理学でした。全く異なりますが思い出しました。固定観念を取り除くことは大切ですが、難しい。それを助けてくれるかもしれません。学習する組織、場の論理とマネジメント、ワークシフト読みたくなります。

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    2014年05月05日
  • 人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

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    ネタバレ

    U理論とはどのようなもので、どのように実践するのかも、印象的な事例紹介によって理解しやすい。
    複雑性により建設的な答えが見いだせない状況への解決策として意識して取り組んでみたいと思った。
    14-42

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    2014年04月09日
  • 人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

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    No.611
    「U理論」よりも実践的な例が紹介されており、わかりやすい。組織は感情によって動く。そこにたどり着くためには、Uのカーブを深く降りていく必要がある。

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    2014年03月30日
  • 人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

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    FBの他の方達の投稿から存在を知り、セミナーにもちょっとだけ出させてもらいました。そこでトモダチになった方もいます。
    本書の冒頭から引用させていただくと、U理論とは「過去の延長線上にない変容やイノベーションを個人、ペア、チーム、組織やコミュニティ、そして社会で起こすための原理と実戦力手法を明示した理論」であり、これまでのPDCAを回す「過去からの学習」ではなく、「出現する未来からの学習」という考え方に基づき、これまでになかったイノベーションを生み出す手法のことです。
    これだけ聞くと、非常に胡散臭く思われる方も多いでしょうが(私もそうだった)、推している方々が理性的にも人間的にも信用できることもあり、興味半分でちょっとかじってみました。
    翻訳書である元のU理論の方は非常に難解なところもあり、今回、待望の入門書が出るということで、すかさず購入、ちょっと間が開いてしまいましたが、読み終わりました。
    結論から申しますと、今まで判りにくかったU理論が、実例多く説明されており、非常に分かりやすく説明されております。今後の組織や社会はこのように変わっていくべきなのであろうと、改めて感じました。 凡百のマネジメント書、ビジネス書とは一線を画している感があります。現実の課題をよくとらえています。
    あとは自分として、実践していけるかどうか。手元に置いておいて、都度、読み返していきたい一冊です。自己実践のやり方もあるので、試してみたい。
    ただ、冒頭の化粧品会社の事例は、ちょっと出来すぎの感もありましたが。

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    2014年03月02日
  • 心の複雑さに向き合うとは、どういうことか 成人発達理論がひもとく痛みと成熟の心理学

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    成人発達心理学をコーチング視点でまとめた一冊。

    本の読み方としては、加藤洋平氏がまとめて書いてくれている通り、まとめから読んでみると良い。そして、各章を読んでいる時もまとめに戻ると思考が整理されてくる。
    インテグラル理論や成人発達心理学を読んだ事がある人は6章から読むと良い。それ以前はそれらのまとめを書いているので、必要のない方は読み飛ばしても問題がない。

    各章に発達段階に併せたアプローチ方法が書いてある。コーチングを含めて人材育成に携わる方はこの本を参考にアプローチしていくと良いと思った。
    知識での関わり→関係性や共感→その人のあり方がクライアントに癒しや影響を与える
    コーチ側も生涯をかけて発達や進化をし続ける必要があると心を新たにさせてもらえる本であった。

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    2026年05月01日
  • なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか ― すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる

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    発達心理学と教育学の見地から、アメリカの会社を中心に、DDO(発達思考型組織)と呼ばれる組織のそのメカニズムを具体的に見ていく本です。DDOは人間の「培養器(インキュベーター)」や「加速器(アクセラレーター)」の役割をする、といいます。

    現今のVUCA時代(不安定さVolatility,不確実さUncertainly,複雑さComplexity,曖昧さAmbiguity)は、「技術的な課題」だけでなく、もっと根底の「適応を要する問題」にも直面するといいます。前者はマインドセットと組織デザインを改良することで対処できますが、後者は個人や組織がそれまでの自己を超越しないと対処できない、といいます。この「超越」に、発達心理学の知識が活かされていて、そこにDDOの大きな意義があります。

    「環境順応型知性」→「自己主導型知性」→「自己変容型知性」というように知性は進歩していくと、本書において、発達心理学の見地から説かれています。前提として、脳は20代まで成長するのではなく、終生にわたって成長するという知見がありますね(80年代の脳科学者たちが愚弄して、のちに恥ずかしい思いをした知見でもある)。

    「環境順応型知性」は第一段階の知性だけれど、「帰属意識を抱く対象に従い、その対象に忠実に行動することを通じてひとつの自我を形成する」とあります。帰属している共同体を絶対視しているのがこれですね。前提はゆるぎない、っていう。これはこれで、一段階目の発達の階段を上がれた「大人」なのです。

    こういう人は多いですよね。少なくとも、僕のオフライン生活(リアル生活)での付き合いのある人はみんなこの知性です。こういう発達の話を知って、ちょっとたまげました。個性とか性格、考え方の違いではなく、なんと知性の段階の違いだったのだ、と。

    良いとか悪いとかじゃなくて、「よくなろう」「向上しよう」とかと思わないと知性は第一段階のままそこから発達しないのかもしれなません。その先があるなんて思わないし、必要性も感じなかったりするでしょう。知的好奇心の強弱も関係あります。

    これ、知性が進歩して「自己変容型知性」までいくと矛盾が受け入れられるようになるし、対立も「あるもんだ」とわかるし、ひとつの考えをすべてに適用するものじゃないと考えるようになる、と。つまり多くの知性が進歩すると、争いが減るんです。おそらく戦争も含めて。それでもよくなろうと思わなかったりするのは、ある意味で豊かだからなんだろうか。

    と、ここまで書きましたが、400ページほどの単行本であるのもかかわらず、版がでかいせいか、800ページくらいのものを読んでいる感覚でした。中身も濃密です。そのため、なかなかうまく感想がまとまりませんので、ここからは箇条書き的にいきます。


    ◆社会を生きやすいものにしていくのにもっとも大切なことは、政治でも経済でもないかもしれない。組織開発の本である本書を読み始めての直感とこれまでの自分の考えとが結びつくのだけど、それは文化の発展にありそう(会社の社内文化を大事にする意味合いからもそうではないかと)。教育も大事だけどそれは人が対象だし、共同体の枠組み自体の変化のほうが効果があるのでは。
    たとえば文学。教育的効果、知的刺激を与えるものとしての文学と考えていたところがあったのだけど、文学は文化を豊かにしていくものとして捉えると、もっとダイナミックかつ繊細なものに思えてくるのでした。もちろん、知的刺激を受けた人たちが協働して文化を生んでいき、総体として文化は豊かになるのだから、間違ってはいないのか。

    ◆長所を伸ばしていくのがスペシャリストへの道で、弱点をなくしていくのがゼネラリストへの道だとすると、前者は社会の部品として有用であろう的だし、後者は人間性を向上させていこう的かもしれない。

    ◆DDO(発達思考型組織)の方法論である本書を読んでいると、これって認知行動療法のことじゃないのかな、と既視感を覚えます。内省のしていき方が似ているのか、はっきり指摘は出来ませんが、同じ領域にあるもののように思えます。

    ◆本書の立場に思うこととして。心の問題までをもシステマティックに解決する姿勢が西洋的です。第一印象としては、「人をモノ扱いしているところがある」と感じました。そこまで徹底的にやらなければ勝ち残れないという競争社会の進んだ時代だからそうなるのでしょうけれども、です。まあ、ある意味では明快。でも、人間的じゃないんじゃないか、という印象が残りました。ただ、「あっ」と気づいたのは、自分の誤りをすぐに受け入れるかどうかなど、日本では現場レベルで当たり前に要求されているし、みんな従っているということ。意外と、日本の仕事現場は本書でいう発達と無関係ではありません。

    ◆職場などでは各々の立場がフラットではないから、意見があっても言いにくかったりします。だからといって、やっぱり立場はフラットにはできないものです。ではどうするか、と考えて出てきた言葉・考え方が、本書でも大切だと説かれている「心理的安全性」なのかもしれないです。立場を維持しつつ、萎縮する人をつくらないというように。心理的安全性のない組織に未来はないのではないか、とまで僕の考えは進んでいきます。自分の身を守る仕組みをつくり維持するために権力を使いがちなのがふつうの人間だから。そういう観点で政治家たちを見てみると、全然だめじゃん、と思えてきたりするのでした。

    ◆会社では弱さを見せるような姿勢で発達しても、私的な時間においてはそんなことをしたら弱肉強食の論理でマウンティングされてしまう、みたいなのってあると思うのです。野球やサッカーの選手みたいな発達(成長)がふつうに認められている人たちならば、私的な時間の周囲の人たちも邪魔したりしない雰囲気があるような気がします。一般的な会社人なんかは、プライベートではそうじゃなかったりもして、会社がDDOだとしても、自分が公と私の両面から引き裂かれるような気持ちになるかもしれません。そういう意味での公私の同質性が強いと、余計なストレスのないなかで、自分の発達へと踏み込めるのではないでしょうか。

    ◆エンタメ小説に取り掛かっている僕にとって、「他人を喜ばせたいと考えているのは環境順応型知性」だという一文には立ち止まらざるを得なかったです。なるほど、読み手をリードしていくエンタメ、そして読み手に新たな視界を見せるエンタメがあるし、それぞれ自己主導型知性と自己変容型知性であって、発達理論的に説明がついたりする。でも待て待て、そもそも、素晴らしいエンタメって、これら3つの要素がすべて入ってできているものではないかなあ。どれかが欠けていては欠落感を感じるエンタメになるのかもしれない。…と、こういう観点から考えてみるとまったく新たな学びがあるものですね。

    ◆自己変容型知性を考えていて思いつくのは、ダブスタ批判。ダブルスタンダードではないほうがいい、というのは、まあそういうところはあっても、それにこだわってしまうのは知性の二段階目、「自己主導型知性」までであって三段階目の「自己変容型知性」には到達していない、ということになる。



    では、ここからは引用をしながらコメントしていきます。



    __________

    一般には、仕事は公的なものなのに対し、人間としての側面は私的なものなので、人間的な要素は仕事に持ち込むべきではない、という考え方が暗黙の前提になっていることが多い。デキュリオンは、このような前提を表面に引っ張り出したうえで覆している。(p51)
    __________

    →仕事の自分と、プライベートな自分とのギャップに悩むのが人間だというところに頷く方は多いでしょう。かく言う僕もこのあたりは解決できません。そういうもんだ、と割り切るか、仕事の自分とプライベートな自分の間のどのあたりにポジションを定めればもっとも気持ちが乱れないか(比較的安定するか)を考えて職場に向かったりしました。そして、その職場の性質によって、このポジションは決めかねてくる。上記引用のデキュリオンは大企業の名前なのですが、この会社はDDOであり、人の発達と会社の発達を不可分にして同時に向上していこうとする組織。人間も会社もWINーWINになる、という構想です。



    __________

    デキュリオンでは、「仕事を手放す」ということがよく言われる。専門知識や肩書きなどの権威に寄りかからず、苦労の末に獲得した知識をみんなと共有することが求められるのだ。その対極にあるのが、知識を力の源泉と位置づける考え方だ。これは、弱肉強食の職場で生き延びるために、ほかの人との知識のギャップを武器にすべし、という発想である。実際にそのとおりである場合も少なくないが、デキュリオンのリーダーたちはこのような考え方を非常に嫌う。会社の理念に反するからだ。「仕事を手放す」ことを重んじるのは、影響力と地位が人々にとっていかに重要なものかを知らないからではない。それは承知の上で、情報を独占したい、権限と権力を守ることで他人より優位に立ちたい、好印象をもたれるために時間を費やしたいという衝動を断ち切るよう、一人ひとりに求めている。そのために、「替えの利かない」人物をつくらないように仕事を設定している。(p62-63)
    __________

    →知識を共有する(シェア)ことは仲間内での利他的行動ともとれます。反対に、仲間内でも団結していなくて、そのなかで利己的に振舞わないといけないと考えるような組織もあります(というか、多いですよね)。シェアすることで、みんなの利益としては成長ができるし仕事がはかどるし、会社の利益としては質の高い仕事が得られるし仕事量も多く得られるし、という結果につながるといいます。でも、以前読んだ本のなかで、利他行動と利己行動のどちらが優れているかをコンピューターシミュレーションしたところ、利他行動派が繁栄したと思えばそこで利己行動派が得をし始めて逆転して繁栄をはじめ、またその反対になり、といったようなシーソーゲームになっていきました。だから、信念をもって、自分の生き方としてやるぶんにはシェアの行動はいいのではないか。本書にもありますが、勉強が出来て高学歴の人でも、会社の方針に合わなければ辞めてもらうとあります。会社の仕組みを乱すタイプの人は、残念ながらそこから排除されるのです。
    それと、引用部の最後のほうにありますが、「替えの利かない」人を作らないことというのは、替えが利かないことで権力が生じるからです。力関係をフラットにすることが、シェアの職場には必要ですし、心理的安全性の面からもマストなのでした。ちょっと話が脱線しますが、エンパワメントと逆の考え方なんです。だから、ここからは逆に、社会の中でエンパワメントしていくためには、替えが利かない存在になること、専門性を持つこと、それをみなが理解すること、が必要事項だと学ぶことができます。



    __________

    職場で自分を守るための努力を延々と続ける結果、人々はさまざまな「ギャップ」を生み出している。自分と他人の間のギャップ、計画と実行のギャップ、そして自分のある部分と別の部分の間のギャップだ。(p148)
    __________

    →本書のスタートで述べられているのが、自分を守るための個人的な仕事がいちばん要らないということでした。そういうことをしなくてよい職場であれば、ほんとうの仕事に労力も時間もずっとかけることができるからです。この引用では、そんな、自分を守る行動によるマイナス面を述べています。行動と発言のギャップ、感情と発言のギャップ、給湯室での発言と会議室での発言のギャップなどなどがこのあとに述べられていきますが、こういう二枚舌みたいなものって、多くの人が心当たりのあることなんじゃないでしょうか。僕にはあります。



    __________

    ブリッジウォーターは、現実を歪めて認識しないことも非常に重んじている。この方針の下、人々が自動的・反射的に取っている自己防衛反応を自覚させるための慣行を大がかりに実践している。自己防衛反応に走ると、人はものごとの見方に死角をいだき、現実を歪めて認識しかねないからだ。(p155)
    __________

    →ブリッジウォーターは金融関連のDDOですが、信じられないくらいに社内の透明性を重んじるのです。なにせ、社内の会話はすべて録音されて、誰でも聴取可能になっているくらいですから。そこまで徹底的に露わにしてこそ、人の内面に関与できるという方針なんですが、これは社員みんなの内面へのマネジメントということであって、話を聴くだけでアレルギー反応を起こす人もいらっしゃるのではないか、と思います。でも、そうすることで、成果をあげてきました。ミスを全力で洗い出し、防止するために社員の内面を発達させることで回避するんです。上記引用部もその一環としての手立て、あるいはスタンスなのでした。内面に踏み込まれるのですから、自己防衛反応がでないほうがおかしいのですけれども、そこを耐えろという、または明け渡せというのです。そうすることで、まっすぐに発達の道を歩めるというわけでした。



    __________

    あなたがDDOで働いているとして、みずからの学習の過程をさらけ出してもいいと思うためには、明示的にせよ暗黙的にせよ、ある「契約」が成立していると信じられなくてはならない。その契約は、あなたの学習を促す人たちにも多くの責任と義務を負わせるもので、神聖不可侵とみなされていなくてはならない。一回でも違反があれば、直接の当事者だけではなく全員にとって、コミュニティの信頼性が崩れるからだ。弱点をさらけ出したら自分に対して不利な材料として用いられたとか、ありのままの自分を洗いざらい見せたら評価が下がったといった出来事があってはならない。そのような問題が起きた場合に、コミュニティが過ちを正せなければ、(謝罪して、有効な再発防止策を打たなければ)、そのコミュニティとDDOは有害な存在に成り下がる。(p173-174)
    __________

    →DDOでは、自分をさらけだします。内省をしたり他者から指摘をしてもらうのです。そのため、弱いところを見せますし、自分で気づかなかった弱点を指摘されることもあります。なぜそうするかというと、自分の弱点を隠すために使う時間や労力というものは、実はかなりあるもので、それを無くして仕事に向かってもらうことと、弱点を自覚してそれを克服していきうまく発達していけば、仕事ができるようになっていくからです。ミスは減りますし、視野が広がり仕事を見つめる目の深さや広さそして解像度が変ってくる。だから、社員の発達を促すのです。上記引用部分はそのために必要な、ホームのあり方についてですね。「ホーム」すなわち「場」の基本として、最近いわれる言葉でいうと「心理的安全性」を作り上げてキープしようということです。その大切さが述べられています。僕はこういう「場」はとても好みますね。以前、観光の仕事をしていたときには、こういった知識がなかったにもかかわらず、僕はこのような、心理的になるべく不安をかかえないで働ける環境づくりを暗にしていました。現場では一番先輩でしたから、なにもせずともある種の権力がデフォルトでくっついていましたし、怒らずそして弱さも見せるようなコミュニケーションの取り方だけである程度できあがったのを覚えています。



    __________

    要するに、イシュー・ログ(誰でも閲覧可能な、個人的な「問題の記録」)と会議の録音は、一般的な組織で日々無駄を生み出している二種類の力学に対処する役割を果たしている。一つは、人々が言うべきことを言わないこと、もう一つは、言うべきでないことを言うことである。一般的な組織の人々は、一方では自分をよく見せ、他方では同僚を悪く見せるために時間を浪費しているのだ。(p255)
    __________

    →西洋人的な、「徹底的にやる」という態度の現れのような方策ではないでしょうか。こういうのは、心掛けをするように社員に促しても、しょせんは人間なのでうまくかないという見抜きからきているように感じます。ルールや、テクノロジーを用いた仕組みを作ってこそ、人の心理も動かせる、といった考え方であり、この会社の場合はうまくいっているそうです。ちょっとやりすぎな感じはしますけれども。



    __________

    しかし、善良な精神、言ってみれば「よき心」がそこになければ、誰も自分の内面を職場という公の場に持ち込みたいとは思わないだろう。(p374)
    __________

    →これも心理的安全性の大切さを述べていますね。心理的安全性がもっとも基盤となるものなのかもしれないです。



    __________

     DDOの考え方を説明すると、人間の性質を理由に実現可能性に疑問を呈する意見がかならず出てくる。「自分を守ろうとし、自分を実際よりよく見せたいと思うのは、人間の避けられない性質だ」「人が職場で弱みをさらけ出すなどというのは、青臭い理想論だ。理屈としては素晴らしいけれど、人間はそういう生き物ではない」といった具合だ。
     このような粗雑な人間観は、組織に対する見方にも投影される。「ビジネスの状況が厳しくなれば、営利企業が社員のためにこんなに時間を割くことはありえない。個人の成長の状況より、利益追求がつねに優先される」
     (中略)
     あといくつのDDOが出現し、あと何年成功を収め続ければ、人間の性質に対する(上記のような)常識が変わるのか? 真に画期的な考え方とは、最初は既存の常識に反し、無謀なアイデアに見えるものなのだろう。だからこそ、固定観念を破壊できるのだ。そうしたアイデアは、人々の行動の仕方だけでなく、考え方も根底から揺さぶる。(p390-391)
    __________

    →人間と会社の相互の発達を促すために弱さをさらけ出し合うなんて、夢物語だ、なんて言われがちなのを、著者が反論していますね。大人の発達理論的に、こういう考え方をすること自体が、三段階目の発達を成し遂げた自己変容型知性の人間ならではではないでしょうか。僕は、上記引用の言い分はとても言い得ているなあと思います。ただ、やりすぎな感じもしますけれども、中途半端ではいけない、ということなんでしょうね。

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    2025年06月20日
  • U理論[第二版]――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術

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    著者オットー・シャーマーは、変革を「未来の可能性を感じ取り、それに基づいて行動するプロセス」と定義し、その中心にあるのが「プレゼンシング(Presence+Sensing)」という概念で、深い内省と集合的な感受性を通じて、まだ現れていない未来を「感じ取り、共創する」姿勢が求められると述べている。プロトタイピングを通じた実践重視の姿勢が特に印象的で、小さく試しながら学びを深めるフレームは、イノベーションや組織変革に携わるビジネスリーダーに有効であると感じた。
    「思考を変える」のではなく「あり方を変える」ことが変化の出発点であることを論理的かつ実践的に教えてくれ、ビジネスの枠を超え個人の成長にも直結する一冊に思える。

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    2025年05月18日
  • ロバート・キーガンの成人発達理論――なぜ私たちは現代社会で「生きづらさ」を抱えているのか

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    読み応えのある本であり、大人も成長し続ける存在であるという視点に気づかせてくれる一冊だった。現代社会の複雑さに対し、自分の思考の枠組みがどの段階にあるかを見つめ直すことの大切さを実感し、特に「自己主導自己」から「自己変容自己」への移行は、自分を超えて他者と深く関わるための大きなヒントになると感じた。また大人の成長に必要なのは「気づく力」と「対話する場」という点は腹に落ちた感があり、心が成長すれば、生き方も変わるという点に深く感銘を受けた。「心の成長」という言葉を胸に留めておきたい。

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    2025年05月01日
  • U理論[第二版]――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術

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    U理論
    第2版

    著:C・オットー・シャーマー
    訳:中土井 僚
    訳:由佐 美加子

    読むのに時間がかかってしまい、もうへとへとの状態です
    読む前まで、ちょっと楽しみにしていたのですが、甘かった。

    近頃であったことのない感覚がありました。そういう意味では脳細胞は活性化されてよかったかもしれません。
    各章のうしろに、フィールドノートというまとめがついているのですが、わからないものをまとめてもわからないのです。図表がたくさんついているのが幸いでイメージ的に感じられた、ような感覚をもちました。

    現在のやり方でも、過去のやり方でも、問題は解決できない
    そこで、過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出せる技術、がU理論と冒頭でいっています

    正直、用語の使い方がビジネスライクでなかったりするところや、論理の飛躍が多々あったりするかと思いますが、方法論のひとつとして、チーム・組織・社会におけるイノベーションを生み出す方法として書かれています

    否定する⇒感知しない⇒不在化⇒欺瞞⇒破壊 という道をたどって滅亡するか
    観る⇒感じ取る⇒開かれた意思⇒結晶化⇒共創造という道をたどって共に生きるのか

    どちらのサイクルをたどるのかという,問いかけからはじまっています

    個人ではなく、集団を扱っていることが特徴です

    U理論は、共プロセッシングという道をたどって、問題解決をしましょうというのが主張です
     共始動⇒共感知⇒共プレゼンシング⇒共創造⇒共進化
    と言う道です

    おもしろい比喩がいくつかありましたので下に並べさせていただきます

    盲点に突き当たる
    空白のキャンバス
    膜を突き破る
    器を満たす
    全体にいたるには、部分を通り抜けることによって全体に入り込む
    全体をみるためには、下がって眺めるだけではなく、内側へ入り込む
    視座の転換と手放す
    針の穴を通る
    大きなバイオリンを弾く
    8つの鍼のツボ
    時間の彫刻

    真実を知る5つの方法
     エピステーメ 才能、能力
     プロメーシス 知恵
     ソフィア 理論的な知恵
     ヌース 直感
     テクネー 技術

    複雑性には3つある
     ダイナミックな複雑性
     社会的複雑性
     出現する複雑性

    こういう本には、索引がないと漂う海に一人さまよっている感がありました。

    目次

    日本語版訳者まえがき
    第二版まえがき――10年ののち、立ち現れる地球
    序文――ピーター・センゲ
    はじめに

    第1部 盲点に突き当たる

    第1章 火事
    第2章 Uへの旅
    第3章 学習と変化の四つの層
    第4章 組織の複雑さ
    第5章 社会の変容
    第6章 哲学的見地
    第7章 敷居

    第2部 Uの領域に入る

    第8章 ダウンローディング
    第9章 観る
    第10章 感じ取る
    第11章 プレゼンシング
    第12章 結晶化する
    第13章 プロトタイピング
    第14章 実践する

    第3部 プレゼンシング

    第15章 社会的な場の文法
    第16章 個人の行動
    第17章 会話の行動
    第18章 組織の行動
    第19章 グローバルな行動
    第20章 現実創造の瞬間をとらえる
    第21章 プレゼンシングの原則と実践

    エピローグ Uスクール

    原注
    参考文献
    用語解説

    ISBN:9784862762474
    出版社:英治出版
    判型:A5
    ページ数:592ページ
    定価:3500円(本体)
    2017年12月25日第1版第1刷
    2021年06月05日第1版第3

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    2024年12月25日
  • なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか ― すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる

    Posted by ブクログ

    ビジネスマンたちは、本業以外の仕事として、自らの弱さや不安を隠すためにかなりの時間と努力を注いでいる。これらのエネルギーを組織力として活用するための手法として免疫マップの作成によって個々人の固定観念を取り除く工夫を唱えている。良き組織のリーダーは、本来の自己と役割の自己が明確であり、一致させている。

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    2024年12月20日
  • なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか ― すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる

    Posted by ブクログ

    研修の副読本として。
    大人の知性にも発達段階があることが希望。わたし自身にとっても、組織にとっても。

    ——-

    ・大人の知性
    ①環境順応型知性
    ②自己主導型
    ③自己変容型・・・フィルターをいくつも持つ。フィルターと自分が一体化していない。自分の枠に疑問を持つ。

    ・仕事ができる人の知性
    ①既存のやり方を疑う能力
    ②ビジョンを共有させる能力
    ③意見対立に対処する能力
    ④問題を解決する能力
    ⑤仕事を任せる能力
    ⑥人々に自信を持たせる
    ⑦良好な人間関係を築く能力

    ・次の大地へ引き上げる
    あなたは単なるポップコーン売りではない。この会社を担うビジネスパーソンだ
    ・コスト、売上、目標を理解し、アイデアを出し、実行を求める
    ・より大きな仕組みの一員であることを示す

    ・自らの死角を知ってそれを克服し、失敗と弱さを成長のチャンスとみなすような環境を作る

    ・個人としては進化したいという思いこそ、人を動かす最大の原動力

    ⭐️何かを育てたければ、定期的に関心と手間を払い続ける必要がある。植物に太陽と水と肥料をやるように。

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    2024年08月17日