中里京子のレビュー一覧
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「人間は運動するように進化してきたわけではない。むしろ逆に、運動に費やされるリソースをなるべく節約し、生殖や個体維持のために取り置くように進化してきたはずだ。それなのに、運動が健康のため推奨されるのは一体なぜなのか」。毎日のように何かしらの運動をしている僕だが、言われてみれば確かに不思議な話に思える。我々は盲目的に「運動は体によい」と信じ込んでいるが、もし本当に運動が自然選択上有利な戦略だというなら、なぜ世界がアスリートで溢れないのだろうか。
本書では、ランニング界に革命をもたらした著名本「ボーン・トゥ・ラン」にも登場する著者が、この意外な逆説を各種エビデンスを用いて小気味良く解きほぐして -
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タイトルの「遺伝子は、変えられる」は、若干、強引な印象です。
遺伝子(DNA)について、以前は「完全に固定されたもので、一生を通じて変わらないもの」(環境からなどの影響により、突然変異が起こることはあるとしても)と捉えられていました。
が、遺伝子の中には、何かをきっかけとして、スイッチがオンになったりオフになったりする部分もたくさんあり、この本では、そのことを「遺伝子は、変えられる」と言っています。
ちなみに、一卵性双生児に差が出るのは、環境の差異によるスイッチのオン・オフの違いの影響も大きいようです。
また、スイッチのオン・オフは、次の世代(子の世代)と、その次の世代(孫の世代)には遺伝す -
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人類はなるべくエネルギーを使わないように進化してきたが、運動は人間の健康に良い影響をもたらす。ことを説明するために、パートⅢではウォーキングやランニングがもたらす効能が書かれている。
そしてパートⅣでは運動嫌いな人に対して、どうやって運動させるか、どんな種類の運動をどのくらいの量させるか説明し、肥満や2型糖尿病、がん、アルツハイマー病、うつ病なども、運動することで改善するという。
最後に
・運動は必要かつ楽しめるように
・有酸素運動を中心に多少のウェートトレーニング
も行う
・運動はしないよりしたほうがいい
・年齢を重ねても続ける
と結論づけられていた。
諸説ある中の一つに過ぎないのか -
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ネタバレ……どの食べ物でとろうがカロリーは同じ働きをする、
と 言うわけではないのだから……
元米国農務長官、トム・ヴィルサック
皮下脂肪はok.内臓脂肪は悪
p169
空腹、報酬、ストレス。これら3つの脳の経路が高インスリン血症をもたらすと、肥満とメタボ症候群が引き起こされる。
視床下部で慢性的にインスリンが作用していると、レプチンはシグナルが出せなくなる。すると脳はこれを飢えと判断し、交感神経系活動を低下させ(怠惰になる)、迷走神経の活動を増大させる(空腹になる)。腹側被蓋野では、慢性的なインスリンがレプチンシグナルを抑制することによって快楽報酬経路を解除する(報酬をもた -
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ネタバレカバーをとったら、黒い本だった。いいデザインだな。気に入った。
本文中にも難しいと書いてあったが、体内のエネルギー状態の説明(4章)の部分がとても難しかった。体重を減少させる効果のあるレプチンが十分あっても、インスリンのせいでその効用が阻害されてしまう。またレプチンが十分あって(ほんとはもう十分なのに)も、脳が認識できないレプチン抵抗性もある(まだ足りないと錯覚して、たくさん食べてしまう。ほんとは十分なのに!)この本だけではインスリンは悪者だなと感じた(他書籍でインスリンの重要性必要性は確認済み)
肥満にたいし、どうしたらよいかという点で2点あげていた。低糖質・高食物繊維の食事をする。一日1 -
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本書は、香港民主化運動の若きリーダーであるジョシュア・ウォン(黄之鋒)氏による、香港の現状について書かれた本です。著者は1996年10月に生まれた23歳の若者ですが、逮捕、弾圧を繰り返されながらも不屈の精神で立ち上がり続ける姿が世界中から注目を浴びています。
本書は三部構成になっており、第一部は著者が2014年のデモ活動を理由に起訴され有罪判決を受けるまで、第二部は刑務所に投獄されてから釈放されるまで、第三部は釈放後、中国共産党及びその影響下にある香港政府により民主化運動の弾圧が着実に進捗する現状が描かれています。
第二部においては、他の受刑者と交わりなどを通して、刑務所の生活の様子が描かれて -
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選挙結果が顔みてわかるという実験をした人の本
私たちはみな、顔つきのステレオタイプ;頭の中の絵を共有している。顔写真を見て人を当てるゲームでは選択結果が非常に一貫していた。
知的水準が高いとみなされた顔(相関関係はほぼゼロ);困惑でなく感じの良い表情、よりさっぱりした外見
信頼出来る、親切、正直、愛想がいいといった性格特性において同じように評価される顔、投資したいと思われる;落窪んでいない目、太すぎない眉毛、明るい顔色、中ぐらいの顔の幅、ポジティブな感情の出現、ポジティブな表現をほのめかす、女性的
犯罪者タイプ、信頼できないタイプ;支配性モデルの顔、顎が大きく、目が小さく、目とまゆの感覚が狭ま -
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私たちの体を作るための設計図である遺伝子。けれど、私達の生活は遺伝子だけで決められているわけではない。
遺伝子によって継承されたものを「発現させるか」どうかを司っているエピジェネティクス。そして、さらにそのエピジェネティクスも世代を超えて継承されるとか!?
詳細な科学的なことは難しくてよくわからなかったけれど、この本では、いろいろな症例を紹介しながらわかりやすく書いてくれている。
ゲノム研究によって明らかになってきつつある遺伝子と病気の関係。今後も、次々に新しいことがわかっていくんでしょう。そして、私達が、病気になる前に、自分がかかる可能性がある病気を知り、その発現率を変えることができる -
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ネタバレ普段の食生活においてQCD(栄養(健康 )・コスト・時短 )を最適化するにはどうしたらいいんだろうと思っていた。
糖への興味だけでなく食べること全般においてインプットしておくべきことが書かれている。
・日常的な食事で心がけること。
お菓子、清涼飲料水、ファストフード、精製した炭水化物、アルコールの摂取をしない。
良質な油、食物繊維、ビタミン、タンパク質などをよく撮ること。地中海式の食事、米を抜いた古き良き和食がいい見本。
低糖・高食物繊維,本物を食べる(非加工)。
スーパーでは生鮮食品売り場にあるものを選ぶ
食品ラベルがついた加工品や腐らない食べ物は買わない。
・その他
運動の習慣を作 -
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顔を見て性格は分かっちゃうんですよ~…というような発想を観相学といいますが、この本はその観相学をめぐる本です。
観相学は今でも俗世では人気です。「性格の悪さが顔に出てる」とか、たまに聞くことがあります。かつては科学の世界でももてはやされ、その後証拠がない(また政治的にも正しくない)ことが判明し廃れましたが、最近また科学でも取り上げられるようになりました。
さて、この観相学というのは結局のところ正しいのでしょうか?著者いわく、「人間は他人の顔を見ると性格にまつわる印象を形成するが、その性格診断は偶然と同レベルの信憑性しかない」とのことです。
最近の研究として提出されているものは、偶然よりやや -
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今や全世界的に問題となっている肥満について、最新の研究成果を一般読者向けに解説した一冊。
一般に肥満は食生活を含めた生活習慣の問題として片付けられることが多いが、実はその生活習慣は身体のホルモン・バランスの影響を強く受けるものであり、単純な「意志の問題」ではないと指摘する。合わせて長年その栄養価が無視されてきた食物繊維についてその重要性を解き、(加工食品ではなく)食物繊維を豊富に含んだ「本物の食べ物」を食べることを推奨する。糖分を過剰に添加して、人々の健康を蝕む食品業界に対しては、かつてのタバコ産業と同じ欺瞞に満ちていると舌鋒鋭い。
全体的に面白かったが、結論から言うとまだまだわからないこ