中里京子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ非常に勉強になる良書なので、一読を推奨する
1) 全体要約(本文)
本書は、進化適応的な「サバイバル・スイッチ(脂肪スイッチ)」が現代の食環境で慢性的に作動し、肥満・脂肪肝・高血圧・2型糖尿病・炎症・認知機能低下などを共通メカニズムで説明できると論じる。中心となるのは、果糖摂取や体内産生果糖が誘発する尿酸上昇とミトコンドリア機能低下、ATP不足感であり、これが空腹・渇き・摂食行動亢進・省エネ代謝・脂肪合成促進を同時に駆動する。対処は、液体糖の遮断、高GI・過度の塩・過剰なうま味の抑制、十分な飲水、ゾーン2中心の運動、コーヒー・緑茶・オメガ3・適量ビタミンC等の組合せを、継続可能な生活設計とし -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
# 運動がヒトとしての文化かどうか、考えさせられた一冊
## 面白かったところ
- 「運動」 == 「ヒトにとってよいこと」に切り込みを挿れるあたりのセンスがもう面白い
- 座ることや睡眠、エネルギーのライフサイクルを含めた、人間の分析が面白い
## 微妙だったところ
- 特になし
## 感想
食料や領土に命を差し出す必要がなくなって、たかだか数百年を生きる我々にとって、運動という記号が必要になってしまった。
かつては、「生きるために必要だから動く」というシンプルな答えが、今は産業・商業化されたスポーツであったり、エクササイズでありふれている。
動物としてのヒトに求められた運 -
Posted by ブクログ
ネタバレ運動に関して私たちが抱いている態度は神話に過ぎない
“現代の産業化された運動に対するアプローチは、身体活動に関する進化論的・人類学的な視点を無視あるいは誤って解釈しており、誤解、過大評価、誤った論理、散見する誤り、そして許しがたい責任転嫁により損なわれているという事実を、論拠を挙げて明確にしたい。”(p.16)
著者は、文明が発達した現代社会において、人間が運動するのは正常なことであるという神話のもとで「私たちは運動をしたがってあたりまえだ」、「私たち人間は運動をするために生まれてきた」という、運動愛好者による誤った吹聴や誇張された表現も多く、そのことは運動しない人々に手を差し伸べ -
Posted by ブクログ
「憎悪の科学」読んだ kawade.co.jp/sp/isbn/978430… 誰もが持つ嫌いという感情が、強い憎しみに変わったりさらにある人は暴力や殺人を起こすのは何故なのか、一線を越えるきっかけは何か、越えない人との違いは何か、脳科学にフォーカスして論じててすごくおもしろい(つづく
性犯罪者のように脳の先天的な特徴が原因かと思いきや、後天的つまり生育環境とか成長過程で決定的な体験を重ねてするとか、トラウマの共有による強い帰属意識(信仰心も)とかによって脳反応が次第にカスタムされていく、というのが驚き。事例がどれも陰惨でしこも実例なのでものすごい疲れながら読んだ -
Posted by ブクログ
著者は英国カーディフ大学の犯罪学教授。
同性愛者でもあり、そのことで暴行をされたことをきっかけに研究者の道を目指す。
研究の結論が、憎悪の根底には偏見があるということ。
偏見は全員にあるけど、行動にする人しない人の違いとは?
偏見はどんな時に憎悪に変わるのか?
を探る憎しみの科学。
憎しみを持った個人が集団になると、私たちvs彼らという対立を作り出す。
集団になると没個性化といった個人と集団の壁が曖昧になる現象が起きる。
そのため、群集心理として個人の責任が希薄化する。
集団は怒り、怖れ、屈辱、恥、共感の欠如といったネガティブな感情も助長する。
最終形態には相手の絶滅があり、ナチスドイ -
Posted by ブクログ
(上巻より続く)
パートⅢは3章を割いて持久力が取り上げられる。ランニングを趣味とする自分としては最も興味深く読めた部分。
ウォーキングを扱う章では、「代償性代謝」即ち運動を多くすると安静時代謝が抑えられる現象のせいで、活動的な人と非活性な人で結果的に1日あたりのカロリー総予算がさほど変わらないという「制約された総エネルギー消費量理論」が面白い。歩行などの低負荷の運動ではカロリー予算に大きな影響はないのだ。著者はpedestrian(歩行者、歩行の) という言葉が「平凡な、ありふれた」という意味でも使われることを引き合いに、人間にとってありふれた行為である歩行がカロリーを消費しないよう効率 -
Posted by ブクログ
運動そのものが、根拠なく礼賛されており、それはまるで「神話」のように、理由なく正しいものとして扱われている。
「運動は、体に悪い」と言われれば、その前提があるがゆえに、「なぜ?」と悪いことに対してのみ根拠が求められる。
この本では、そんな運動に関する、数々の神話を紐解いていく。この本の面白いところは、運動が嫌いな人の視点から書かれていること。通常であれば、運動をすれば、こうしたメリットが得られる、という結論へと繋がる本が多いのだが、冒頭でいきなり、運動することの矛盾性を解く。
『つまり、運動とは逆説的なものなのだ。健康的でありながら異常であり、本来無料でありながら高度に商品化され、喜びと -
購入済み
遺伝子による食事の相性という発想はこれまでなかったので、興味深かったです。お酒が強いかどうかの耳垢判断法も当たっていて笑ってしまいました。
食事は健康の基本。この食材が体に良いといわれると出来るだけ取ろうと頑張ってしまいますが、そういうものでもないんだなと気づかされました。体に良いといわれるものを食べておけば大丈夫、という考え方はかなり乱暴なんですね。
-
Posted by ブクログ
面白いけど難しかった!
結局人は顔「だけ」では識別できなくて、予めの情報とか身体の動作とかと一緒に認識しないと、その人の性格とかはわからない。
ただ赤ちゃんとかは顔を最初に認識していて、顔に反応する。
その人が真顔で怒った顔、悲しい顔してたら、かなりの確率でそういう風に考えてる時間が長い。
2秒程度あれば人はその人の印象を決めてしまい、しかもそれはその後もほとんど変わらない。
自分と同じような顔の人を人は自然と信用する。
んー、印象に残ることはかなり書いてあったけど、じゃあ実際の生活でどう活かそうと考えるとどう活かせばいいか難しい。
ただ元々目とかを合わせるのが苦手だったけど、こ