作品一覧

  • 寿命は遺伝子で決まる 長寿は女性の特権だった
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    1巻2,640円 (税込)
     女性は長命だということは、平均寿命から、だれでも当たり前だと思ってる。ではそれをひっくり返して、なぜ男性は短命なのかと考えたことはあるでしょうか。  それに、男性には知的障害に関連する疾患が多いこともご存じでしょうか。色覚異常も男性のほうが多い。本書はこれまで女性の長生きは、ストレスが少ないだとか、いろいろ的外れな見解が繰り返されてきた中で、本当の理由について明らかにしていく。  本書は、著者本人が救急車で搬送されるシーンから始まる。追突事故による病院への搬送の途中、著者の頭によぎったのは全く別の2つの経験、医師としてNICUで未熟児として産まれた赤ん坊たちの世話をしたこと、そして神経遺伝学者として人生最後の時を迎える老人たちの研究をしたことだ。この2つの経験がストレッチャーに寝そべりながら衝撃的に結び合わさったのだ。そして気づいたのは「女性は遺伝学的に男性より優れている、そのことをわれわれは認めるときがきた」と。  つまり、生まれてから老いにより死を迎えるまでの人生の様々な局面で見受けられる女性の生きる力の強さについてだ。本書では遺伝学からみた男女の違い、つまり女性の性染色体「XX」が個体にもたらす恩恵に注目する。著者は男性で「XY」のようにXを1つしか持たない。それに比べ、女性の方が一般的に長生きし、強い免疫力を持ち、癌などの病気への抵抗や大病の後の回復力があるという。  女性の持つ2つのXはおのおの父親と母親それぞれの遺伝子から受け継いだ情報を持っており、どちらの親から受け継いだXを使うかの選択肢を持つ。そのため、より多様な細胞パターンが可能となり、これが事故による大怪我や大病などで、性染色体内にXを1つしか持たず選択肢のない男性に比べて底力のある身体をつくるのだと説く。また、X染色体異常によって起こる色覚異常を例にとっても、男性は1つしかXを持ち合わせないので顕在化するが、女性であればもう1つのXが正常ならそちらが機能するため、顕在化しない。専門的に言うと女性のバー小体は決して眠っているわけではないのだ。  しかしこの本は、単に女性の方が優れていると訴えるものではない。著者は、この男女の差異と、女性がもつ遺伝子の優位性を認識することが、病気に対する新たなアプローチに繋がると論じている。これは、現在の、汎用性を追求しながら男性にあわせて開発されている治験や投薬への問題提起であり、医療業界が、性の違いに適切に対応した投薬・治療へシフトしなければならないと主張する。  男性偏重の身近な例として、医療実験を専門に行っている企業に、雌雄両方のマウスでの実験結果を依頼したときのことを語る。その企業は雄のみのデータしか持っておらず、その理由が、雌のマウスをサンプリングに含めると、雄よりも強い免疫力を持つために実験結果が複雑になってしまうというものだった(したがって実験予算も膨らむ)。そのために雄のみを採用していることを知った。こうした傾向は、その企業にとどまらず一般的に行われていることであり、著者は、その結果、女性の方が薬による副作用が起きやすく、薬の過剰摂取に繋がりやすくなると、現代の医学が孕む問題を指摘する。しかも単純に雌での実験を行えばいいという話でもない。雌のマウスは、同系交配で量産されているため、XX染色体がまったく同じになっている。つまり実際の女性が持つ遺伝的多様性がないのだ。遺伝的性差を考慮するにしても、この問題も併せて考えなければならない。  ちなみに女性にも前立腺がある。本書にはPSAマーカーが高いため著者のもとに送られてきた女性の話が出てくる。その女性は、前立腺癌であることがわかったのだ。これは、女性の体そのものへの理解が一向に進んでいないという例でもある。  冒頭の事故では、自らもストレッチャーに寝そべりながら、一緒に事故に遭った妻の怪我を案じていたことに端を発している。彼女の方が深刻な怪我を負っていたが、著者の頭の中で過去の様々な経験や知識が繋がり「遺伝子的に女性だから大丈夫」、そんなことを思ったのだ。本書は、男女の違いについて、著者と伴侶(ベターハーフ、これはXXともかけている)との卑近なエピソードや歴史的な出来事、進化論、遺伝子学、生物学、そして薬学などの多面的な科学的見地を織り交ぜながら、男性中心の価値観によって医療開発の過程で見過ごされていた人類の片割れ、すなわち女性とその遺伝子学的特性を積極的に医学に取り入れることを論じている。

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  • DNA再起動 人生を変える最高の食事法
    4.8
    健康法、ダイエット、アンチエイジング……うまくいかないのは、すべて自分のDNAと合った食事をしていないせいだった!? 全世界大注目の「医師×科学者」が患者に教えている秘密のノウハウ、ついに公開。超便利な「4週間プログラム」と遺伝子を整える最強のレシピつき!
  • 遺伝子は、変えられる。―――あなたの人生を根本から変えるエピジェネティクスの真実
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    食事、仕事、人間関係、環境……何気ない日常が、遺伝子を変える!? 全世界注目の「遺伝学者×医師」が、最先端の遺伝学「エピジェネティクス」のすべてを解き明かす! 世界18か国でベストセラーとなった「人生を変える遺伝子の真実」、ついに日本上陸。「遺伝」を、もう「運命」とは呼ばせない。

ユーザーレビュー

  • DNA再起動 人生を変える最高の食事法

    Posted by ブクログ

    自分の知らないことばかり書いてあったので、とても為になりました。
    食べた方が良い食べ物を、文章に書いてあり、それを表にまとめてくれているので、とても分かりやすかった。

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    2024年12月03日
  • DNA再起動 人生を変える最高の食事法

    購入済み

    遺伝子による食事の相性という発想はこれまでなかったので、興味深かったです。お酒が強いかどうかの耳垢判断法も当たっていて笑ってしまいました。
    食事は健康の基本。この食材が体に良いといわれると出来るだけ取ろうと頑張ってしまいますが、そういうものでもないんだなと気づかされました。体に良いといわれるものを食べておけば大丈夫、という考え方はかなり乱暴なんですね。

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    2021年01月23日
  • DNA再起動 人生を変える最高の食事法

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ面白かった。いろいろと食事健康法の本はあるけど、個人的にはずっと疑問に思っていたことが晴れた画期的な本。
    一人ひとり違う遺伝子を持っているのだから万人に同じ食事法はなく、遺伝子に合わせたカスタマイズをすべきという主張で、その具体的なガイドが示されている。
    歯磨き粉など口に入れるものを事例に出していたりもするので、食品業界だけではなくヘルスケア・消費財メーカーの人にもぜひ読んでもらいたい。

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    2020年11月14日
  • 遺伝子は、変えられる。―――あなたの人生を根本から変えるエピジェネティクスの真実

    Posted by ブクログ

    タイトルの「遺伝子は、変えられる」は、若干、強引な印象です。

    遺伝子(DNA)について、以前は「完全に固定されたもので、一生を通じて変わらないもの」(環境からなどの影響により、突然変異が起こることはあるとしても)と捉えられていました。
    が、遺伝子の中には、何かをきっかけとして、スイッチがオンになったりオフになったりする部分もたくさんあり、この本では、そのことを「遺伝子は、変えられる」と言っています。
    ちなみに、一卵性双生児に差が出るのは、環境の差異によるスイッチのオン・オフの違いの影響も大きいようです。
    また、スイッチのオン・オフは、次の世代(子の世代)と、その次の世代(孫の世代)には遺伝す

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    2022年11月25日
  • DNA再起動 人生を変える最高の食事法

    Posted by ブクログ

     教養で読むというよりかは、タイトルの通り「最高のDNA」を手に入れるためのノウハウが詰まった本。
     もちろん書いている内容をすべて実践するには、個人の努力が要されると思うが、例えば、「肥満」であったりといった具体的な項目に対して、自分が今どういった位置づけであるのかというのを確認する手段及び、各々にあった問題解決方法を具体的に提示してある。

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    2022年03月20日

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