松木武彦のレビュー一覧

  • 古墳とはなにか 認知考古学からみる古代

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    古墳についての研究がどうなっているのかわかるものでよかった。
    弥生時代の「古墳以前」の状態から古墳の発生、時代による古墳の形状の変化とか、まったく知らなかった。たぶん研究の蓄積でいろいろなことが明らかになったのだろう。
    日本だけでなく、中国・朝鮮半島、さらにはユーラシアの反対側のイギリスの状況も見据えて、人類史の中での位置づけを述べている(仮説という面もあろうが)。

    前方後円墳がああいう形状であるのは仏教が広まる前のカルトによる儀式の場であったことが由来であろうということで、仏教後に古墳が廃れたことと整合性はある。
    ただし、そのカルトはなんだかブラックボックスに見える。おそらく「認知考古学」

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    2025年05月18日
  • 古墳

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    <目次>
    第1部  いろいろな古墳
    第2部  古墳の歴史をたどる
    第3部  古墳はどう変わったか
    第4部  古墳が終わる道筋
    第5部  古墳とは何か
    第6部  古墳、ここが一番

    <内容>
    古墳研究の第一人者による古墳の概説。ただ地域別とか時代別とかの作りではなく、松木先生らしい、形や副葬品などでの分類が面白い。写真もふんだんで、その古墳に行きたくなる。また先生による古墳見学の注意も(例えば、○○古墳は羨道が低いので要注意など)。

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    2024年06月26日
  • 古墳とはなにか 認知考古学からみる古代

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     本書の主な内容
    〇前方後円墳の成立年代
     ・鏡や土器の型式の検討、年輪年代、放射性炭素といった複数の手続から、纏向の前方後円墳は3世紀前半には出現し、半ばごろには箸墓が完成していた(76頁)。
     ・一方で経済の中心については、生産技術の一つのメルクマールである鉄器を見ると、鉄センターの拠点は九州北部と考えられる。
       ⇒ツクシとヤマトの関係 

    〇前方後円墳の形(第2章)
     ・箸墓を例に取ると、箸墓の前方部が、後円部の上からゆるやかに、しかし深く降下し、そこから再び前方部の前端に向かってせり上がる、逆放物線のスロープ面を作る形を目指した結果としてできた形(99頁)。
     ・後円部は石室と棺

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    2023年07月20日
  • 考古学から学ぶ古墳入門

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    古墳の変遷や最近の発掘成果や学説が分かり面白い。NHK「英雄たちの選択」で松木先生の古代へのロマンを熱く語る語り口を聞いて、この本を読もうと思った。古墳から当時の人々が古墳に情熱を注いだ理由や、古墳の盛衰、古墳が作られた後どのようにみられてきたのかなど、様々な視点で古墳を知ることができた。

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    2023年06月05日
  • 美の考古学―古代人は何に魅せられてきたか―

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    人の脳の実に1/4が美を認知するための部分だと脳科学者の中野信子さんは言った。
    じゃあ人は美をどう必要としてきたのか?めっちゃタイムリーに興味があったので、とっても面白かった。社会的な情報ツールである側面やモノ時計の感覚は特に興味深かった!

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    2023年02月11日
  • はじめての考古学

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    大学時代の恩師のお名前を本屋でお見かけして、思わず購入。
    分かりやすい文章、語りかけてくる文体に当時の講義を思い出しました。

    「はじめて」と銘打っているだけあって、まずは考古学が扱う年代や史料についての話から入り、実際に旧石器時代から古墳時代にかけての時代解説。
    そして考古学が現代人にとって、どう役に立つかなどの解説も。
    初心者にも親しみやすく、それでいて内容は完全に初心者よりは詳しいため、それなりに考古学に触れている人でも楽しんで読める本でした。
    要は誰でも楽しんで読める本。
    是非、これまで考古学に触れてこなかったけど、少し勉強して見たいなと思う人に読んでいただきたいです。
    考古学の世界に

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    2022年02月20日
  • はじめての考古学

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    最新の考古学の成果を比較的平易な言葉で分かりやすく解説してくれる初心者にも優しい良書。邪馬台国や天皇家については意図的にぼやかしてる?のが残念。

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    2022年01月01日
  • 考古学から学ぶ古墳入門

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    小学6年生のとき、社会の授業(歴史の授業)で古墳について学び、しかも、当時、自分が住んでいた市にも古墳があることを、友人のお父さんから教えてもらい、その友人と、友人のお父さんと自分の3人で、その古墳に見学に行きました。

    そのとき以来、古墳には興味を持っているのですが、この本で読んで、古墳は奥が深い、と改めて思いました。
    同時に、古墳は日本にとって、非常に魅力的な文化資産だと思いました。

    中高生時代に、こんな風に古墳について学べていたら、もっと楽しく、もっと好奇心を持って古墳や歴史を学ぶことができたかもしれません。

    それにしても、古墳って、たくさんあるんですね。
    全国も15万もあ

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    2020年01月26日
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記

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    日本列島の旧石器時代から縄文、弥生時代までを認知考古学という新しい手法で述べた試みである。認知考古学では、当時の人々の考え方から考古資料を読み解く。例えば、縄文時代は平等ではなく競争社会だったが、それを合理化するための儀式として土偶や祭具が使用されたという。

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    2017年08月16日
  • 美の考古学―古代人は何に魅せられてきたか―

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    日本古代史を政治や経済ではなく「美」で捉え直す。博物館・歴史資料館において、展示されている実物を見ずに説明パネルを読んでいるような考古学のあり方と一線を画す。
    文化のライフサイクルとも言うべき、素朴段階(発現期)、複雑段階(機能的役割以上の社会的メディア)、端正段階(機能優先)の考え方はピラミッドをはじめ様々な古代史の疑問へのヒントになりそうである。
    物時計(世代が変わると物の見た目が変わる)、物地図(地域ごとの変異)。

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    2016年09月09日
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記

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    松木先生の書く文書はほんとにおもしろいです。
    大学入学直前に読んで夢をふくらませた一冊。
    しかしいざ発掘・整理作業・卒論等をやっていくと、なんだかこの本のイメージからかけ離れてしまっているのが現状 笑
    もう一度読みたい。

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    2011年10月31日
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記

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    [ 内容 ]
    四万年の歩みを一気に描く新しい列島史。

    [ 目次 ]
    第1章 森と草原の狩人―旧石器時代
    第2章 海と森の一万年―縄文時代前半
    第3章 西へ東へ―縄文時代後半
    第4章 崇める人、戦う人―弥生時代前半
    第5章 海を越えた交流―弥生時代後半
    第6章 石と土の造形―古墳時代

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    [ 関連図

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    2010年06月26日
  • 古墳

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    ・松木武彦 「古墳」(角川文庫)を読んだ。といふより見た。前著「古墳とは何か」に続く書である。基本的 に、写真とその説明が見開き2頁に収められてゐる。読むよりは見る方が多い。うつかりするとポイントを見逃してしまひさ うである。しかし、そのポイン トをきちんと見ていくと、第1部「いろいろな形の古墳」、第 2部「古墳の歴史をたどる」、 第3部「古墳はどう変わったか」のそれぞれが分かるやうにできてゐる。前著でははつきりしなかつたところも本書では写真付きで分かり易くなつてゐ る。筆者が同じであるから、書いてあることに違ひはない。本書を先に見てから前著を見るのもありであらう。松木氏の基本 的な立場は、「

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    2025年06月07日
  • 縄文とケルト ──辺境の比較考古学

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    縄文とケルト、イギリスと日本の先史時代を概観する。一見遠く隔たる文化圏だがその深層には驚くべき共通点がある。著者は旧石器から新石器時代の遺跡を巡り比較考古学の視点から相違点を解き明かそうとしている。基層文化の痕跡を辿りそこに宿る原像とその後の変遷を読み解く。古代に根ざした暮らしと民族、国々を考察している。同じように遺跡を巡りその時代に想いを馳せたい。


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    2024年12月10日
  • はじめての考古学

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    誰にでも考古学の道は開かれている
    戦争や国家が生まれる発祥を考えることで、今の歴史に対することができる、歴史学って浅はかだけどロマン!面白い!という点だけが自分としては強かったので、歴史学を学ぶことへの意義として新しい観点。
    日本人は他国に比べると、古墳やら大仏やらなんでも大きく作りたがる。面白い。

    大仙陵古墳はぜひ行きたい、卑弥呼の箸墓古墳も。
    大和統一者が女性で、権力者の男女比も6:4と、
    女性社会である点も興味深い。

    勉強になった。数年に一回読み直したい。

    ⚫︎ローマやギリシアの古典考古学に対して、辺境のデンマークやスウェーデンで発祥した先史考古学。
    ⚫︎考古学を学ぶことは今や未来

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    2023年10月17日
  • 古墳とはなにか 認知考古学からみる古代

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    ・松木武彦「古墳とはなにか 認知考古学からみる古代」(角川文庫)を読んだ。私は単なる古墳の書であらうと思つてゐた。ところが「はじめに」にはかうある。例へば「なぜ前方後円墳なのか」等々「といつた根本的な疑問(中略)これらの問題にアプローチするには、歴史学としての考古学よりもむしろ、人類学や社会学や認知科学としての考古学が力を発揮する。(原文改行)この本では、それらのうち認知科学を用いた考古資料の解釈法=認知考古学を加味して、古墳の成立から発展を経て衰退にいたる道筋をさぐってみた。いわば、心の考古学による古墳の理解である。」(7〜8頁)「心の考古学」とは何かと考へてしまふのだが、 同時に「古墳の成

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    2023年09月15日
  • シリーズ 地域の古代日本 出雲・吉備・伊予

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     出雲・吉備・伊予は大陸文化の通過地点であるだけでなく、日本海側と太平用側をつなぐ回廊であり、様々な文化が交わる地域でもある。これらの地域にスポットあて、代表的なトピックスから古代の様子を紐解いている。出雲は製鉄や出雲大社、吉備は古墳、伊予は山城と限られた内容であるが、最新の発掘の成果に触れることができる。いずれも大陸文化の影響があり、まさに大陸への窓口であったことが分かる。歴史が下るにつれて東へ政治の中心が移り、忘れらた存在となってしまった近畿以西の地域であるが、古代日本においては重要な地域であったことを思い出させてくれる。

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    2023年07月29日
  • シリーズ 地域の古代日本 東国と信越

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    6章「ヤマトタケル東征伝承とアヅマ」大隅清陽で否定される原秀三郎説を7章「三川・穂・三野・科野・越の地域と社会」田島公が肯定的に引いているあたりおもしろい。
    まあ前者が正しいんだろうな。

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    2022年06月16日
  • 縄文とケルト ──辺境の比較考古学

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    私もケルト、縄文の遺跡にも行っているので大変に興味を持った。しかし別の方が感想を書いたように読んでも何も頭に入らない。ある意味不思議な本である。写真と文章のバランスが悪いのか?旅行感想文なのか?

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    2017年08月06日
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記

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    旧石器から古墳時代にかけての数万年を一人の著者が述べるという野心的な歴史書。まだ文字をあまり使わない時代であるため歴史の詳しい部分を語ることができないのはもどかしいが、異物や遺跡を通して断片的ながらと応じの状況を垣間見えることができる

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    2011年04月12日