松木武彦のレビュー一覧
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考古学的アプローチによる古墳の解説、私の愛読するジャンルの一つであるが、未解明な部分が多すぎるが故に、それぞれの学者は一つの研究テーマについて緻密に研究を進め、発表する。読み手はその情報を読んで知識を蓄え、その充実した内容に満足するわけだ。しかし研究者による古墳へのアプローチの幅はとても広く、一冊の本から与えられた知識からは全体像が掴めない。だからこそたくさん読むのだが、読めば読むほど新たな疑問が湧いてきたり、一度吸収したはずの情報が記憶から抜け落ちてしまったりして、自分の中の古代へのイメージがどんどんぼやけていってしまうことに気づいた。
多方面から古墳を見つめた学者がこぞって本を出してくれる -
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古墳についての研究がどうなっているのかわかるものでよかった。
弥生時代の「古墳以前」の状態から古墳の発生、時代による古墳の形状の変化とか、まったく知らなかった。たぶん研究の蓄積でいろいろなことが明らかになったのだろう。
日本だけでなく、中国・朝鮮半島、さらにはユーラシアの反対側のイギリスの状況も見据えて、人類史の中での位置づけを述べている(仮説という面もあろうが)。
前方後円墳がああいう形状であるのは仏教が広まる前のカルトによる儀式の場であったことが由来であろうということで、仏教後に古墳が廃れたことと整合性はある。
ただし、そのカルトはなんだかブラックボックスに見える。おそらく「認知考古学」 -
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本書の主な内容
〇前方後円墳の成立年代
・鏡や土器の型式の検討、年輪年代、放射性炭素といった複数の手続から、纏向の前方後円墳は3世紀前半には出現し、半ばごろには箸墓が完成していた(76頁)。
・一方で経済の中心については、生産技術の一つのメルクマールである鉄器を見ると、鉄センターの拠点は九州北部と考えられる。
⇒ツクシとヤマトの関係
〇前方後円墳の形(第2章)
・箸墓を例に取ると、箸墓の前方部が、後円部の上からゆるやかに、しかし深く降下し、そこから再び前方部の前端に向かってせり上がる、逆放物線のスロープ面を作る形を目指した結果としてできた形(99頁)。
・後円部は石室と棺
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大学時代の恩師のお名前を本屋でお見かけして、思わず購入。
分かりやすい文章、語りかけてくる文体に当時の講義を思い出しました。
「はじめて」と銘打っているだけあって、まずは考古学が扱う年代や史料についての話から入り、実際に旧石器時代から古墳時代にかけての時代解説。
そして考古学が現代人にとって、どう役に立つかなどの解説も。
初心者にも親しみやすく、それでいて内容は完全に初心者よりは詳しいため、それなりに考古学に触れている人でも楽しんで読める本でした。
要は誰でも楽しんで読める本。
是非、これまで考古学に触れてこなかったけど、少し勉強して見たいなと思う人に読んでいただきたいです。
考古学の世界に -
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小学6年生のとき、社会の授業(歴史の授業)で古墳について学び、しかも、当時、自分が住んでいた市にも古墳があることを、友人のお父さんから教えてもらい、その友人と、友人のお父さんと自分の3人で、その古墳に見学に行きました。
そのとき以来、古墳には興味を持っているのですが、この本で読んで、古墳は奥が深い、と改めて思いました。
同時に、古墳は日本にとって、非常に魅力的な文化資産だと思いました。
中高生時代に、こんな風に古墳について学べていたら、もっと楽しく、もっと好奇心を持って古墳や歴史を学ぶことができたかもしれません。
それにしても、古墳って、たくさんあるんですね。
全国も15万もあ -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
四万年の歩みを一気に描く新しい列島史。
[ 目次 ]
第1章 森と草原の狩人―旧石器時代
第2章 海と森の一万年―縄文時代前半
第3章 西へ東へ―縄文時代後半
第4章 崇める人、戦う人―弥生時代前半
第5章 海を越えた交流―弥生時代後半
第6章 石と土の造形―古墳時代
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図 -
Posted by ブクログ
・松木武彦 「古墳」(角川文庫)を読んだ。といふより見た。前著「古墳とは何か」に続く書である。基本的 に、写真とその説明が見開き2頁に収められてゐる。読むよりは見る方が多い。うつかりするとポイントを見逃してしまひさ うである。しかし、そのポイン トをきちんと見ていくと、第1部「いろいろな形の古墳」、第 2部「古墳の歴史をたどる」、 第3部「古墳はどう変わったか」のそれぞれが分かるやうにできてゐる。前著でははつきりしなかつたところも本書では写真付きで分かり易くなつてゐ る。筆者が同じであるから、書いてあることに違ひはない。本書を先に見てから前著を見るのもありであらう。松木氏の基本 的な立場は、「