松木武彦のレビュー一覧

  • シリーズ 地域の古代日本 東アジアと日本

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    日本列島の文明化と国家形成を、中国を中心とする東アジア(漢字、仏教、儒教、律令)の相互作用として捉え直す試み。本書の特色は、前方後円墳や聖徳太子といった「定説」を、東アジア全体の激動のなかで最新データを用いてアップデートする点にある。

    まず刺激的なのは、巨大前方後円墳を直ちに「大王墓」とするテーゼを執筆者自らが「撤回する」と明記している点。前方後円墳は、一義的にはリネージ(出自系統)やクラン(氏族)のランクを表示する葬送舞台であり、王権秩序とは別次元の組織形態を反映していたという整理は、権威の表現が複線的であることを示す。

    都城史では、藤原京から平城京への遷都が、大宝律令への対応だけでなく

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    2025年12月23日
  • 古墳時代の歴史

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    面白かった。
    古墳時代が時系列に沿って記述されている。それが新鮮で分かりやすい。
    あとがきの冒頭に「本書は考古学の先端的な研究成果を広く関心を持つ人に伝えることを大切にしていた松本武彦が最後に書いたものである」(松本直子氏)とある。その通りで、最新の知見に満ちていながら、素人にも分かりやすい。古墳時代の日本列島の人々の動きが、頭の中に入ってくる。
    日本列島の白地図を何枚も用意して、それをノートがわりにしなが再読しようと考えている。

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    2025年12月17日
  • 古墳時代の歴史

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    弥生時代から古墳時代のどの本よりも詳しい考古学的解説書。
    松木武彦氏の研究の集大成。
    弥生時代からの各地域圏での氏族の始まりから、大王、ヤマト政権へ至る流れ。
    ヤマト政権の確立とともに徐々に畿内は古墳の縮小、消滅へとむかう。

    ・1-2世紀
    北部九州:外交と交易の先進地帯、甕棺墓がなくなる、原の辻貿易。
    山陰:日本海交易の拠点、四隅突出型墳丘墓。
    北近畿:貿易技術立国。
    瀬戸内:内海航路と農業生産。
    近畿中央部:農業社会の伝統と変革。
    東海:肥沃な三日月地帯の要衝。
    北陸:倭国乱の焦点。
    関東:弥生の新開地。関東と東海にわたりアヅマの醸成。
    ・3世紀
    古墳は氏族のシンボル、東日本で発生した。個

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    2025年11月22日
  • 古墳時代の歴史

    購入済み

    丁寧な解説

    年代と出来事の関係を明らかにしてゆく資料は少ない中で、この本は実に丁寧に追いかけられているために、因果関係の追跡の手がかりとして、大変参考になりました。 

    #共感する #深い

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    2025年11月10日
  • はじめての考古学

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    本書は児童書の棚にあった。編集者は少なくとも中学生あたりを読者に想定しているのだろう。けれども内容はとっても高次なことを語っている。元の原稿は駒澤大学の学部生向けの「日本考古学概説」である。コロナ禍の下、配信のみになったのが残念で書籍化したらしい。目次全文が手に入ったので、本レビュー最後尾にコピペした。よくぞ新書体裁にここまで詰め込んだ、というぐらいに日本認知考古学のパイオニアとしての矜持を持った概説書になっていることが、この目次を眺めるだけで判ると思う。栞だけで頁が倍くらい膨らんだ。全部メモすると大変なことになるので、どうしてもという部分のみメモしてゆきたい。
    以下少し専門的になるので、(い

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    2024年09月30日
  • 美の考古学―古代人は何に魅せられてきたか―

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    自分にとって良い本とは、読んだ後にこれまで意識しなかった世界を想起させてくれる本です。美と考古学の観点から古代の世界観をわかりやすく描き出し、近現代を生きる我々との相違を浮き彫りにしたことで、自分の中に人間像に対する新しい疑問が生まれたことが個人的な収穫です。
    古代が好きな人には情報量は物足りないのかもしれませんが、美と考古学というタイトルに沿えば素晴らしいまとまりでした。

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    2023年03月20日
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記

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    旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代それぞれにおける、人々の思想的な営みがよく理解できた。本書で扱う原始時代という時代は、文献資料がない時代ということで、古代以降の歴史と比べて当時の人々の理性的・人間的な部分を軽視してしまいがちな時代であると思う。しかし、そこには人間の理性の萌芽ともいえる「文明」が存在していたということを本書を通じて実感した。

    原始時代人の理性のどのような部分が、今を生きる現代人と共通しているのかに注目していきたい。

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    2021年05月01日
  • 考古学から学ぶ古墳入門

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    さくっと、考古学的エッセンスを交えながら古墳について学ぶことができる。専門的知見もふまえながら概説してくれるのでありがたい。例えば、須恵器の編年で年代特定していること(稲荷山古墳鉄剣)など今までなんとなくだった知見が更新された思いだ。また、古墳の見つけ方では、最近のGISを用いて古墳を発見した人などが紹介されており、刺激的である。前方後円墳のでき方についても、おそらく諸説あると思われるが、楯築などの張り出しが、周囲から断絶する形で巨大化していったというせつが、やはりなるほどである。

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    2020年05月12日
  • 考古学から学ぶ古墳入門

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    古墳についての基本的な知識を幅広くやさしく与えてくれる好著
    古墳の成り立ち、造り、埋葬者・埋葬物などの情報も親切にかかれている。

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    2019年08月02日
  • 美の考古学―古代人は何に魅せられてきたか―

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    美の考古学、古代人は何に魅せられてきたか ということで、従来の考古学にはないアプローチの仕方、つまり、
    第1章 人類は美とどうかかわってきたか
    第2章 形の美の変遷
    第3章 数と図形の美
    第4章 色と質感の考古学
    という方法をとり、その中身を詳しく述べている。
    その成果を踏まえ、
    第5章 美の人類史と列島史
    で、仮説の理論づけを施した著作である。
    従来の単純な縄文時代、弥生時代、古墳時代・・・
    という直線的な歴史認識では、面白くもなんともないわけで、著者の論法からいけば、ユーラシア大陸の東西で、同時期同じような石斧が作られることも立証できるわけです。
    考古学の世界におけるステレオタイプ的な実証

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    2017年02月09日
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記

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    考古学者である著者が、ヒトの確かな足跡が発見される旧石器時代から、巨大古墳が築かれる5世紀までの4万年の日本列島の歴史を文字の記録に頼らず、物質資料のみで描いた大作。

    何より新鮮だったのが、歴史科学の再生において「認知科学(ヒューマンサイエンス)」をベースにし、人の心の普遍的特質から人の行動を考古学的に説明しようとした点。文字のない「物質」と「人の心」から読み解く考古学の世界は、自分が想像していた以上に惹かれるものであった。

    無文字社会の人、もの、心のあり方とは?そもそも宗教というものはあったのか?日本という国はどうやって形成されていったのか?

    こういった素朴な疑問に対し、なんらかの新し

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    2017年01月07日
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記

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    文字による記録がほとんどない5世紀までの日本古代史について書かれた本。

    文字資料がない、つまり物質資料しかない時代における社会のあり方や人々の心を読み解こうというのが、本書の趣旨となる。認知考古学という学問があるというのを初めて知った。読み物として非常に面白い。まさにこんな本を読みたかった。

    たとえば。地球が寒冷化した時期には無個性なツルンとした土器が増える。なぜか?寒くなると食料が得にくくなるため、同じ場所に定住するのが難しくなる。結果、人の移動が増え、文化の交流が生まれる。これが土器の無個性化に繋がった。。。

    面白いけど、推理ゲームの感はある。その説の裏づけとなる証拠を見つけるのは難

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    2015年02月22日
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記

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    旧石器時代から古墳時代までの約4万年が対象。

    当時の気候や土器、墓等の出土品から人々がどのように歩んで行ったかを検証していく。
    なによりこの本が特徴的なのが、上記要素に加えて「心の科学」認知科学を用いて既成の解釈に囚われずに、新たなアプローチでこの時代を検証しているところ。
    文字による記録がないこの時代のことを、日本列島の形や気候、土器の形状等の証拠と、人間の普遍的な行動を説明している認知科学とを用いて、さながら事件のプロファイリングをしていくように、その時々を推理していく過程はかなり分かりやすく、且つ刺激的だった。
    そしてなにより、土器や古墳程度の認識しかなかったのが、本書のおかげ

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    2009年10月04日
  • 古墳時代の歴史

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    ヤマト政権の道筋や、男系氏族社会の移行の変化、とても面白かった。
    皇室がどのように成立し、こんな世界に珍しい体制になったのか、とても興味あり。もっと研究が進んでほしいです。

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    2025年12月21日
  • 古墳時代の歴史

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  古墳が現れるまで(紀元後1~2世紀)
    第2章  古墳はなぜ現れたか(紀元後3世紀)
    第3章  古墳はどう拡がったか(紀元後4世紀)
    第4章  古墳が巨大化した(紀元後5世紀)
    第5章  古墳時代の地域・社会・暮らし
    第6章  古墳時代はこうして終わった

    <内容>
    古墳時代を編年体で、最前線の知識を元にまとめたもの。著者の遺著となる。以前からわかりやすく、新しい視点で解説書を書く人と思っていたが、この本でも遺憾なく発揮されている。地域を旧国名を参考にした表記で現わし、朝鮮半島などとの関連も示唆し、俯瞰されたものである。

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    2025年12月18日
  • シリーズ 地域の古代日本 畿内と近国

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    王権下における手工業生産の展開や、六道通路を中心とした畿内の交通体系、国分寺と東大寺の関係などが興味深かった。

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    2025年12月10日
  • シリーズ 地域の古代日本 出雲・吉備・伊予

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    九州と近畿をつなぐ回廊としての特質から考古遺物や遺跡分布を検討していく視点だけでなく、吉備の製鉄や古代出雲など地域独特の要素についても興味深い内容だった。

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    2025年12月08日
  • シリーズ 地域の古代日本 陸奥と渡島

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    古代東北を南北に分ける文化の境界線をまたいだ相互交流の諸相や、南北からの影響を受けて形成が進んだ古代アイヌ文化論といった北海道も視野に含んだ広い視点が興味深かった。

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    2025年12月04日
  • シリーズ 地域の古代日本 東国と信越

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    国造研究における方法論や、古墳・埴輪祭祀の独自性、地方寺院と村堂の実態追求など、東国の特質を踏まえた古代社会への視角が興味深かった。

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    2025年12月01日
  • シリーズ 地域の古代日本 筑紫と南島

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    九州・沖縄地方の古代を対象とした論集。海外交流の先進地域としての北九州の様相や、沖ノ島祭祀、琉球列島の地域色豊かな先史時代など興味深い内容だった。

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    2025年11月26日