汐見稔幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現代の子育てにおいては、便利なおもちゃや場所(テーマパーク)、感動させる仕掛けのあるイベントなど、お金を払えば簡単に効率的に子育てできるツールで溢れているが、そういう経験ばかりを受けて育つ子はひとりでうまく生きる術を持つことができるのだろうかという問いを考えさせられる。
大人になった時に、社会に出た時に「自分で生きる力」を養ってあげるのが親の役目ならば、自分で考える、自分の意見を持つような体験をさせてあげたいと思うようになった。
例えば本書で書かれているのは、自然の中で偶然に見舞われて自分なりの最適解を選ぶような経験。親が与えるのではなく主体的に選び、没頭できるまでやり切る経験。知っているだけではなく本物に触れている経験。そして失敗して内省する経験。など。
遊びだからと侮ることなく、大人や社会を"楽しく"生きる上で重要なスキルはそういったことから得られることを学んだ。
特に気になる内容があった。「良い学校に入れることがゴールではなく、一生懸命になれることを観察して見つけてあげる」というのは意識したい。自分の知っている道や、わかりやすい成功ルートを与えてしまいがちだが、そこには子供自身の「好き」「主体性」は無いので、仮に不自由はなく生きられたとしても、本人は楽しくは無いのだろう。親がリードするのではなく、子をサポートする伴走者でありたいと思った。 -
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ネタバレ怒って落ちこむその前に
気もちが分かればラクになる最上のコミュニケーション
短時間でも質の高いコミュニケーションを図れる実践的内容です。
一方的な伝え方だけでなく親と子の相互のコミュニケーション方法が具体的にわかります。(紹介文より)
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分かりやすくて読みやすい。
理想論だったり知ってることも多かったけど、
「そうだった」と改めて心構えするのにちょうど良い本。
1.会話以前の大事な話
・大事なのは子ども自己肯定感を育てること
・「認める」言葉が子供の自己肯定感を大きくする
★子どもに正論を言っても意味がない
2.聴いてくれて話してくれるコツ
・子どもの良いところ悪いところ両方認める
・会話の目的を明確に。
★聞き出そうとしない。ひたすらうなずく。
・子どもの言葉を繰り返し、言葉を置き換える
★「気持ち」を受け止めてから「4W1H」で「事実」を聞く
★★「指示しない」「禁止しない」
「レッツ(~しよう)」「いいよ」に置き換える
・当たり前のこともほめる
・最低なほめ方は比較してほめる
・主語はI(アイ)にしてしゃべる
・女の子とは先をみて生きる、男の子は今を生きる
・女の子は情緒的、映像的、感情的に話すと伝わりやすい
・男の子は合理的、科学的、事実を話すと伝わりやすい
3.シーン別会話のコツ
Q今日のできことを知りたいとき
A知りたいことを明確にして質問、抽象的な聞き方はNG
Q外で騒ぐとき
A謝るのは親。認めてから社会のルールを教える
Q宿題をやってほしいとき
Aこどもにタイミングを決めさせる。ごほうびを用意する。
どうしてもやらないなら「先生になんていうか一緒に考えよう」
一緒にランドセルと開ける習慣を作る
Q片づけてほしいとき
「レッツ」を使う。一緒に確認しながら。片付けが得意と思わせる。
Qテレビやゲームをやめないとき
Aこどもにやめる時間を決めさせる。
Qあまり言ってほしくない言葉をいったとき
A無反応
Q先生とうまくやっているか聞きたいとき
A聞きたいことを具体的に。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ刺激的な一冊だった。
本書に出てくる各地の画期的な取組や汐見先生の解説を読みながら、教育の在り方・教師の在り方について考えさせられた。
本書には「失敗」について書かれている箇所が多くある。
・非認知能力とは、失敗からどれだけ学べるかという能力でもある。
・失敗しなければ、深い思考を導くことはできない。
・教員自身がエラーを恐れず楽しみながら、自分がおもしろいと思う授業を考え、トライし続けるべきである。
・子どもの自己決定権を認めることは、失敗を許すことと同義。
共通していえるのは、子ども(大人も同様)にとって、失敗はマイナスなものではなく、プラスに働くものであるということ。
失敗するからこそ成長する。深い理解につながる。
このことは今後も肝に銘じておきたい。
また、本書最後に出てくる「教員は外の世界について興味深く学ぶことで教育の意味がわかる仕事である」という意見も面白いと感じた。
まずは自分が失敗を楽しもう。
そしてプライベートを充実させよう。
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<目次>
第1章 「学び」のスイッチを入れる~できる・できないからの解放
第2章 「学び」に向かう前提~主体的な学び・個別最適化
第3章 自分に合う「学び」方~一斉授業からの脱却・本来の自由進度学習
第4章 正解のない「学び」~プロジェクト学習・縦割り
第5章 多様な子どもたちが安心して学べる環境~インクルーシブ教育を目指して
第6章 教員の視点の転換のために~教育委員会の動き
<内容>
小中学校における「学び」の最適化を求めて、全国の実例を豊富に交えつつ、編者の汐見先生がコメントをまとめる形。うらやましい内容が並ぶ。いかんせん高校においては、大学受験がなかなか変わらないために(数年前に革命が起きるかと思ったが、文科省と企業の癒着が叫ばれ、空振りに終わった)、高校現場では実例が少ない。教員は「学びを支える」立場(つまりファシリエーター)となるのが一番であり、日本の状況を考えるとそうしなければ今後の世界で生き延びられない(まあ、世界の一体化が進めば、「日本」とか関係なくなるが…)のである。教育が政治上一番金にならないので、改革が遅れるのは致し方ない(とはいえない状況だと思うが、政治家の皆さんや官僚は腰が重い)。小中学校の動きが、早く高校へと波及し、素晴らしい人材の育成が進むことを祈りたい。あと、実際の取材者の太田さんが、帯にしか名前のないのはどうなのか?あとがきで、汐見先生は明記してくれているが、出版社としてもう少し配慮すべきでは? -
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教えから学びへ
教育にとって一番大切なこと
著:汐見 稔幸
紙版
河出新書 035
行き詰まっている教育をどう改革するか、その方法が、「教え」から「学び」へです
教師が教えるのではなく、生徒が自らが学ぶ これが本書のメッセージです
気になったのは以下です
■なぜ、いま教育がいきづまっているのか
・「学び」は学校でのみ身につけられるようなものではなく、一生続く営みです
・科学技術は、人間の生活を改善するものではなかったのか
・自然などの環境を考慮しなかった日本の科学技術、それを支えてきた人材、そして、そのような人たちを育ててきた理科教育には、根本において何か欠けていたのではなにかと考え始めました
・19世紀になると、学問はさらに専門分化が進みます
科学は、科に分かれた学問という意味の言葉です
分化したものは、再び統合していくことが必要です
しかし、近代の学問においては、統合が忘れ去られていました
■「教え」の教育から「学び」の教育へ
・教師が子どもたちに啓蒙する教育の時代は終わった
・時代の変化が速くなればなるほど、世代による感覚のズレが大きくなり、年長者の経験は古く役に立たないものになっていきます
・優秀な職員には次のような特徴があることがわかりました
文化の違いがあっても、それを踏まえた上で相手の真意を聞くことができる
対立している人を含めて、尊厳をもって他者を前向きに励ますことができる
・そして、人間関係において、お互いの影響力やそれぞれの政治的立場を素早く理解でき、リーガルリテラシが高い
・3つのR(読む、書く、計算力)と、4つのC(批判的思考力、コミュニケーション、協調性、創造性)が必要である
・当事者を大事にするという考え方は、日本でも独自に生まれています
・科学というのは1つのものの考え方にすぎない
・ある仮説をもってしか、ものは見えない
・発想はグローバルに世界規模で考え、行動はローカルに住んでいる地域や身の回りでできるところから実践していく グローカルという
・ダイバーシティーとは、多様であることこそが、豊かである、という考え方です
・インクルージョンとは、多様性を尊重し合い、共に成長することを意味します
■「学び」と「教養」
・わかるの3つのレベル
①言葉・名前を知る
②その対象の属性を知る、属性とは備わっている性質や特徴のことです
③現象の背景にある法則に気づく
・能力とは、IQ,語彙、言語処理速度、学ぶ能力、成し遂げる能力、可能性を最大に発揮する能力です
・3つの教養論
①教養とは、分化した知識をつなげて、つながりのある知識にすること
②教養とは、感心の発展的システムをもっていること、いろんなものに関心をもちアンテナを立てる
③教養とは、全体との関係で自分や自分の知識を位置づけること 知識を何度も反芻し、消化して、他の知識と合体していくこと
・教育というのは、学ぶ意思のある人が師と仰ぐ人を見つけ、「どうぞ教えてください」とお願いするところから始まります
・「学び」が苦痛なものになってしまったのは、本来の学びのあり方から逸脱した強制的なシステムができたことが原因です
■「学び」は体験から始まる
・対話とは、自分の考えを言葉にし、相手の考えを言葉で聞くことで、お互いの違いや共通するもの、どこまで一致しているのかを共に探すやり取りです
冷静な意見表明、論点整理など高度な知性が必要です
・読書は、とにかくたくさん読めばいいというものでも、知識や情報を抜き取るためにするものでもありません
・読書によって鍛えられるのは、さまざまな思考の力です
・相手を深く理解するためには、たとえ自分の土俵や発想の仕方と相手のそれらが全く違うとしても、その人の語りの世界にまず入ることが必要です
・自分の土俵にたったままで、相手の土俵を理解するのは不可能です。本当に理解しようと思うなら、その人の土俵にこちらが身を寄せる必要があります
・そして、その上で、もう一度自分の土俵に戻る
・相手の土俵と自分の土俵を往来するうちに、だんだんと自分の土俵が大きくなっていきます
・相手から学び、同時に自分を失わない
・相手から学び、同時に自分が豊かに大きくなっていく、それが「信じて疑う」という読み方です
・人間の促成栽培はできません、早く熟せば、早く腐る
■「学び」を支えるための教育
・自分のものとなった知識を実際に使うためには、新しいスキルを身につけることも必要です
・自分が何をわかっていて、何がわからないのか、をはっきりさせていくことも必要です
・人が編み出したメソッドをそのまま受け入れても自分自身のスキルは高まりません。必要なメソッドは自分で考えるのが一番です
・大事なのは自分なりの計画を持つことです
・子どもが学ぶということは、それを知ろうと夢中になることです、そのようなときに学ぶは深まります
・熱中し没頭する時間をつくる
■「学び」は続くよ、どこまでも
・全ては仮説にすぎない
・学びが起こるきっかけは、問いです
目次
はじめに
第1章 なぜ、いま教育がいきづまっているのか
第2章 「教え」の教育から「学び」の教育へ
第3章 「学び」と「教養」
第4章 「学び」は体験から始まる
第5章 「学び」を支えるための教育
第6章 「学び」は続くよ、どこまでも
参考文献一覧
ISBN:9784309631363
出版社:河出書房新社
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:890円(本体)
発売日:2021年07月30日初版発行
発売日:2022年01月30日2刷発行 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれからの時代の「教育」に必要なことは何かが書かれている。
知識を教えることに重点が置かれており、なぜ学ぶのかという問いと向き合うことが疎かにされていた。何のために学ぶのか、どう生きるのかを問いつつづけていくことが学ぶ目的であり、教育の役割とは知識をただ入れるのではなく、学ぶ力を育てていくことにある。
学びとは、実際の体験で感じたことをきっかけに疑問を持つ、もっと知りたいと感じることから始まる。
子どもの疑問や興味を大切にし、さまざまな体験を通して熱中する、感動する、といった経験をさせることが重要だと感じた。
ただ上べの知識を得るのではなく、自らの経験を通してその意味をmeaningからsenseへと昇華させることで学びは深まっていく。既存の学校教育ではmeaningを詰め込むことにエネルギーが割かれていて本質的な学びになっていないと考える。
教育に携わる方にも本書で学び、これからの時代の問題解決に必要な力を育むためには、どのような教育が求められているのかを見直して欲しいと感じた。
MIT等で音楽学科を重視しているという話は初めて知り興味深く、もう少し調べて見たい。
最後の「子どもって面白いな」と思い続けていることが教師や親の役目という言葉を心に留めて、子どもと向き合っていきたい。
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Posted by ブクログ
部分と全体は関わりあっている。教育も同じで、支配的な、基準に沿わない人間が不登校になる学校では平均的な人間が育ち、それ以外のフリースクールに通う子たちは異質な能力を伸ばしていく。フリースクールに通う子と学校の子など多様な人間がいるからこそ社会は成り立っていると考えべき。
だからこそ、真の意味での教育は、子供をカテゴライズしてその子に合った教育を施すのではなく、多様な人間がいるからこそ、この社会が成り立つという考え、そういう善の視点で多様な人間、子供たちを見ていくべき。
結局、自分の考える教育とは、まず、教育者がこれからどんな未来が来るのか?どんな能力が求められるのか知らなければならない。そして、その未来に対して真に子供たちになることは何なのかを考えることだと思う。だから、今は近代化が終わり方向転換を迎えた時期。子供たちに画一的な教育は今に対応せず、より主体性や応用力(知識ね使い方、知識を深める、議論する力)を身につけて答えのない私生活に問題解決を自分でできるようにすることだと思う。