汐見稔幸のレビュー一覧
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ネタバレ刺激的な一冊だった。
本書に出てくる各地の画期的な取組や汐見先生の解説を読みながら、教育の在り方・教師の在り方について考えさせられた。
本書には「失敗」について書かれている箇所が多くある。
・非認知能力とは、失敗からどれだけ学べるかという能力でもある。
・失敗しなければ、深い思考を導くことはできない。
・教員自身がエラーを恐れず楽しみながら、自分がおもしろいと思う授業を考え、トライし続けるべきである。
・子どもの自己決定権を認めることは、失敗を許すことと同義。
共通していえるのは、子ども(大人も同様)にとって、失敗はマイナスなものではなく、プラスに働くものであるということ。
失敗するからこ -
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<目次>
第1章 「学び」のスイッチを入れる~できる・できないからの解放
第2章 「学び」に向かう前提~主体的な学び・個別最適化
第3章 自分に合う「学び」方~一斉授業からの脱却・本来の自由進度学習
第4章 正解のない「学び」~プロジェクト学習・縦割り
第5章 多様な子どもたちが安心して学べる環境~インクルーシブ教育を目指して
第6章 教員の視点の転換のために~教育委員会の動き
<内容>
小中学校における「学び」の最適化を求めて、全国の実例を豊富に交えつつ、編者の汐見先生がコメントをまとめる形。うらやましい内容が並ぶ。いかんせん高校においては、大学受験がなかなか変わらないために( -
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教えから学びへ
教育にとって一番大切なこと
著:汐見 稔幸
紙版
河出新書 035
行き詰まっている教育をどう改革するか、その方法が、「教え」から「学び」へです
教師が教えるのではなく、生徒が自らが学ぶ これが本書のメッセージです
気になったのは以下です
■なぜ、いま教育がいきづまっているのか
・「学び」は学校でのみ身につけられるようなものではなく、一生続く営みです
・科学技術は、人間の生活を改善するものではなかったのか
・自然などの環境を考慮しなかった日本の科学技術、それを支えてきた人材、そして、そのような人たちを育ててきた理科教育には、根本において何か欠けていたのではなにかと考え -
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ネタバレこれからの時代の「教育」に必要なことは何かが書かれている。
知識を教えることに重点が置かれており、なぜ学ぶのかという問いと向き合うことが疎かにされていた。何のために学ぶのか、どう生きるのかを問いつつづけていくことが学ぶ目的であり、教育の役割とは知識をただ入れるのではなく、学ぶ力を育てていくことにある。
学びとは、実際の体験で感じたことをきっかけに疑問を持つ、もっと知りたいと感じることから始まる。
子どもの疑問や興味を大切にし、さまざまな体験を通して熱中する、感動する、といった経験をさせることが重要だと感じた。
ただ上べの知識を得るのではなく、自らの経験を通してその意味をmeaningからse -
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部分と全体は関わりあっている。教育も同じで、支配的な、基準に沿わない人間が不登校になる学校では平均的な人間が育ち、それ以外のフリースクールに通う子たちは異質な能力を伸ばしていく。フリースクールに通う子と学校の子など多様な人間がいるからこそ社会は成り立っていると考えべき。
だからこそ、真の意味での教育は、子供をカテゴライズしてその子に合った教育を施すのではなく、多様な人間がいるからこそ、この社会が成り立つという考え、そういう善の視点で多様な人間、子供たちを見ていくべき。
結局、自分の考える教育とは、まず、教育者がこれからどんな未来が来るのか?どんな能力が求められるのか知らなければならない。そして -
Posted by ブクログ
ネタバレ教育関係の新書の中ではかなり読みやすかった!
読みながらたくさん折り目をつけられた!
気づき
・世界大学ランキング10年連続1位のマサチューセッツ工科大学では、音楽や芸術を重視
・いわゆる仕事ができるかできないかと、選考での筆記試験の結果は一致しない
→勉強だけが出来ればいいわけではない
・受動的な学び、能動的な学びそれぞれの効果を有効活用する どちらかに偏らない
・社会で与えられた意味=語義meaningを理解し、さらに自分の経験に基づく価値のある意味=senseを上乗せしていくことで理解が深まっていく
→語義だけ無理やり覚え込んでも真の理解にはなっていない
・「認知的スキル」読み、