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なぜ教育には「~しなければならない」が多いのか? どうすれば「みずから学ぶ」環境はつくれるのか? 教え方ではなく、子どもの学びの深め方からいま必要な教育の本質を考える。
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Posted by ブクログ
これさえ教えておけば、というものがなくなった現代において、学校が子どもに授けられるのは知識じゃないよねって部分に納得
新書なので手軽に読めると思ったが、読んでみるととても内容が濃く、これからの教育がどうあるべきか根本から問い直そうとしている良書。 効率的に早く知識だけを詰め込むことは、その子の世界感が育たない。そうではなく、社会の定義を教えそこからその子の意味、世界観を作っていくべきという考えはとても納得した。また...続きを読む、学びは子供の体験、日常から発せられ問いから始まる。ということは、学校の中だけの授業では子供をより良い人生に導くためや、主体性、彼らの世界観を育むための教育とはならない。そうではなく、学校と地域の連携を密にし課外授業の割合を増やしたり、著者の言っている学校を午前で切り上げて午後からは自分の興味のあるものをやっていくことが必要。
教育関係でぶっちぎりに面白く素晴らしい本だった。 まず、自己研鑽に対して日頃大切にしている成長マインドセットについて、精錬された文章で言語化されている一面に驚き、勇気をもらえる。まさか、教育分野の知見を深めようと思って読み始めた本で、自己啓発の面で感銘を受けるとは。だから本との出会いはやめられない...続きを読む。定期的に繰り返し読み込むべき本だと思う。 学びとは、脳の中に情報処理の回路が新しくできること。教育とは、子供たちが没頭する、熱中する時間を作ること。 子供に教え、子供から学ぶ、そんな心構えを大切にしながら、実践と本書の反芻を繰り返して、子供の教育と自分の成長を豊かなものにしていきたいと思う。
盛りだくさんの内容である。一般向けではあるが、教員養成の学生にとっても参考になることが多いので読んでみて損はない。
はじめに、から赤線とドッグイヤーの連続! この人の元で教員になりたいと思う人はたくさんいるんじゃないかなあ。 教育に携わる人もそうでない人も、親も子供も、ぜひ読んでほしい。何で勉強するの?これは将来に役立つの?という問いを持ったことのある人ならぜひ。 休職教員としての感想。 私はこんな授業、あ...続きを読むんな活動、どんどん実践アイデアが出てくる。ただし、現場に出た時にできるかどうか。無理な気しかしないというのが本音。 子ども食堂についての地域コミュニティの話や、午後は授業でなく体験的にとか、とても理想で実現してほしい!と強く思う反面、そんな余裕どこにあるの?先生以外の誰が賛同してくれるの?という思いも強い。世の親が未だに知識重視とか、教育だけでなくしつけまで学校任せとか、そう思うエピソードがたくさんあるから。 だからこそ、こういう風に考えて、本を書いて、影響力のある人とともに何かできたら、支えられたらと思う。他の本も読もうと思った。
教えから学びへ 教育にとって一番大切なこと 著:汐見 稔幸 紙版 河出新書 035 行き詰まっている教育をどう改革するか、その方法が、「教え」から「学び」へです 教師が教えるのではなく、生徒が自らが学ぶ これが本書のメッセージです 気になったのは以下です ■なぜ、いま教育がいきづまっているの...続きを読むか ・「学び」は学校でのみ身につけられるようなものではなく、一生続く営みです ・科学技術は、人間の生活を改善するものではなかったのか ・自然などの環境を考慮しなかった日本の科学技術、それを支えてきた人材、そして、そのような人たちを育ててきた理科教育には、根本において何か欠けていたのではなにかと考え始めました ・19世紀になると、学問はさらに専門分化が進みます 科学は、科に分かれた学問という意味の言葉です 分化したものは、再び統合していくことが必要です しかし、近代の学問においては、統合が忘れ去られていました ■「教え」の教育から「学び」の教育へ ・教師が子どもたちに啓蒙する教育の時代は終わった ・時代の変化が速くなればなるほど、世代による感覚のズレが大きくなり、年長者の経験は古く役に立たないものになっていきます ・優秀な職員には次のような特徴があることがわかりました 文化の違いがあっても、それを踏まえた上で相手の真意を聞くことができる 対立している人を含めて、尊厳をもって他者を前向きに励ますことができる ・そして、人間関係において、お互いの影響力やそれぞれの政治的立場を素早く理解でき、リーガルリテラシが高い ・3つのR(読む、書く、計算力)と、4つのC(批判的思考力、コミュニケーション、協調性、創造性)が必要である ・当事者を大事にするという考え方は、日本でも独自に生まれています ・科学というのは1つのものの考え方にすぎない ・ある仮説をもってしか、ものは見えない ・発想はグローバルに世界規模で考え、行動はローカルに住んでいる地域や身の回りでできるところから実践していく グローカルという ・ダイバーシティーとは、多様であることこそが、豊かである、という考え方です ・インクルージョンとは、多様性を尊重し合い、共に成長することを意味します ■「学び」と「教養」 ・わかるの3つのレベル ①言葉・名前を知る ②その対象の属性を知る、属性とは備わっている性質や特徴のことです ③現象の背景にある法則に気づく ・能力とは、IQ,語彙、言語処理速度、学ぶ能力、成し遂げる能力、可能性を最大に発揮する能力です ・3つの教養論 ①教養とは、分化した知識をつなげて、つながりのある知識にすること ②教養とは、感心の発展的システムをもっていること、いろんなものに関心をもちアンテナを立てる ③教養とは、全体との関係で自分や自分の知識を位置づけること 知識を何度も反芻し、消化して、他の知識と合体していくこと ・教育というのは、学ぶ意思のある人が師と仰ぐ人を見つけ、「どうぞ教えてください」とお願いするところから始まります ・「学び」が苦痛なものになってしまったのは、本来の学びのあり方から逸脱した強制的なシステムができたことが原因です ■「学び」は体験から始まる ・対話とは、自分の考えを言葉にし、相手の考えを言葉で聞くことで、お互いの違いや共通するもの、どこまで一致しているのかを共に探すやり取りです 冷静な意見表明、論点整理など高度な知性が必要です ・読書は、とにかくたくさん読めばいいというものでも、知識や情報を抜き取るためにするものでもありません ・読書によって鍛えられるのは、さまざまな思考の力です ・相手を深く理解するためには、たとえ自分の土俵や発想の仕方と相手のそれらが全く違うとしても、その人の語りの世界にまず入ることが必要です ・自分の土俵にたったままで、相手の土俵を理解するのは不可能です。本当に理解しようと思うなら、その人の土俵にこちらが身を寄せる必要があります ・そして、その上で、もう一度自分の土俵に戻る ・相手の土俵と自分の土俵を往来するうちに、だんだんと自分の土俵が大きくなっていきます ・相手から学び、同時に自分を失わない ・相手から学び、同時に自分が豊かに大きくなっていく、それが「信じて疑う」という読み方です ・人間の促成栽培はできません、早く熟せば、早く腐る ■「学び」を支えるための教育 ・自分のものとなった知識を実際に使うためには、新しいスキルを身につけることも必要です ・自分が何をわかっていて、何がわからないのか、をはっきりさせていくことも必要です ・人が編み出したメソッドをそのまま受け入れても自分自身のスキルは高まりません。必要なメソッドは自分で考えるのが一番です ・大事なのは自分なりの計画を持つことです ・子どもが学ぶということは、それを知ろうと夢中になることです、そのようなときに学ぶは深まります ・熱中し没頭する時間をつくる ■「学び」は続くよ、どこまでも ・全ては仮説にすぎない ・学びが起こるきっかけは、問いです 目次 はじめに 第1章 なぜ、いま教育がいきづまっているのか 第2章 「教え」の教育から「学び」の教育へ 第3章 「学び」と「教養」 第4章 「学び」は体験から始まる 第5章 「学び」を支えるための教育 第6章 「学び」は続くよ、どこまでも 参考文献一覧 ISBN:9784309631363 出版社:河出書房新社 判型:新書 ページ数:256ページ 定価:890円(本体) 発売日:2021年07月30日初版発行 発売日:2022年01月30日2刷発行
受験の課題図書として読みました。新書は初めてで読む前は手を付けにくい印象がありましたが、分かりやすく、これからの教育についてよく考えさせられる良い本でした。
・教える側ではなく、子ども達の側に立った教育が考えられている ・「教えから学びの転換」 ・「子どもが「生きているっていいな」と思える場をつくる」 ・「全ての学問はつながっている」 ・教師達が「これが大事だ」と思っていることの大部分が、子どもたちにとってはつまらない
アクティブラーニングの、アクティブとパッシブの捉え方、「そのまま」に世界を受けとめるパッシブな体験が学びにとって大事であるという指摘、また、語義と意味の違いの話が興味深かった。 教えの時代から、学びの時代へ、考えを変える機会を得た。
<目次> 第1章 なぜ、いま教育がいきづまっているのか 第2章 「教え」の教育から「学び」の教育へ 第3章 「学び」と「教養」 第4章 「学び」は体験から始まる 第5章 「学び」を支えるための教育 第6章 「学び」は続くよ、どこまでも <内容> 現在の教育の問題から、最近の学者がいう、...続きを読む「教える」から「自律的な学び」へを謳う本。第5章あたりからちょっと内容が散漫になる。まあ、著者の専門は、幼児や小学生ぐらいらしいので、「わかるけど、観念的だな」という感想は、高校教師だからか⁈
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