筑摩書房編集部のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
目や耳が不自由ということ以外、私はあまり知らなかったヘレン・ケラー。彼女の人生を簡略にまとめて綴った本書は、決して楽ではない彼女の人生を雄弁に語っていた。
生後19ヶ月で目も耳も聞こえない、漆黒の世界に足を踏み入れた彼女を、師アン・サリヴァンが導いていく。
障害者のために人生を捧げた彼女は、小さい頃から出来のいい素晴らしい人物だった訳ではない。師との二人三脚の上、彼女の努力によって勉強や仕事に従事していく。
世間のために活動しながら、世間に振り回されていく彼女。女性蔑視、障害者蔑視、奴隷制度からの解放ーーー、様々な価値観と戦いながら、彼女は自身の訴えを続ける。
いざ自分がその境遇になったら -
Posted by ブクログ
中高生向け ちくま評伝シリーズ
魯迅
イラスト 寺田克也
巻末エッセイ 佐高信
竹内好の魯迅論では説明されてなかった基礎事項が説明され、魯迅入門書として最適だと思う
竹内好の魯迅論とつながった点は下記の通り
*魯迅が 中国人民の改造を目指すきっかけとなった幻灯事件について、事件そのものでなく、「同胞が殺害されても傍観していた中国人に対する憤り」である
*竹内好の魯迅論では、祖父の存在を隠す理由が不明としているが、祖父は不正(裏口入学)を行い、エリート(読書人)家系が没落したとのこと
意外だったのは
*元や清は異民族であり、中国人民としては 元や清は 異民族支配と感じている -
Posted by ブクログ
子供の頃、テレビのニュースに度々登場したサッチャー首相。「鉄の女」の相性?と政権末期には演説を「I」ではなく、英国女王のように「We」で行い批判にさらされた、ということくらいしか記憶になかった。
少し前にメリル・ストリープ主演のサッチャーを描いた映画が上映され興味があったが、見る機会を逸してしまったので、この本を手にとってみた。
一言で言えば、努力と信念に生きた人。「私は好かれるために首相をやっているのではありません」と語っていたように、正しいと思ったことには大きな犠牲にも躊躇なく突き進む。彼女のとった政策は、イギリス経済を立て直し、後の日本もそれを手本に国営企業を民営化していく。
中産階級出 -
Posted by ブクログ
星の数こそ少ないがマーガレット・サッチャー入門書として、サッチャーを「鉄の女」と揶揄されていることぐらいしか知らない人ほど一読する価値のある本である。
(特にその時代を生きていたわけではなく何なら晩期に産まれたような人間ではあるが、歴史を振り返ると、サッチャーが首相の頃は、日本は中曽根康弘、アメリカはロナルド・レーガン、ソ連はゴルバチョフ、という後世に名を刻む強きリーダーが揃っていたなと感じるばかりである)
この本は筑摩書房の編集者が、ただ淡々とサッチャーの人生を書き連ねているだけであるため、特に感想も何もないのだが、これからサッチャーの自伝や、サッチャーに関する論文チックな本を読む上での前提