あらすじ
水に落ちた犬は打つべし。一切の妥協を許さず容赦なく旧社会の儒教道徳や「正人君子」を批判し続けた中国近代文学最大の功労者の生き方を考える。「水に落ちた犬は打て」「私は人をだましたい」あの『故郷』の作家は、私たちに何を突きつけるのか。
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Posted by ブクログ
このポルトレシリーズは、ターゲットは中学生くらいだろうか、とても読みやすく人物はもちろん時代、地理、政治的背景も分かりやすく書いてある。
魯迅は、著名な作家でその作品は日本でもよく知られているが、彼の人となりやその時代の激動の中国のことは多くの日本人にとって漠然としているのではないだろうか?
この本を読み、近くて遠い国中国の近代史の一部を知ることが出来た。東山彰良の「流」や温又柔の「真ん中の子どもたち」も合わせて読むと、より近現代の中国と台湾を身近に感じることが出来ると思う。
Posted by ブクログ
高校の頃に、「故郷」が国語の教科書に載っており勉強した記憶があるが、今一つ魯迅は何が凄いのか、どんな背景をもった人物なのかが分からなかった。この本は魯迅の伝記として分かりやすくポイントを押さえており、また彼の本を読みたくなるようなか書き振りになっていた。
Posted by ブクログ
中高生向け ちくま評伝シリーズ
魯迅
イラスト 寺田克也
巻末エッセイ 佐高信
竹内好の魯迅論では説明されてなかった基礎事項が説明され、魯迅入門書として最適だと思う
竹内好の魯迅論とつながった点は下記の通り
*魯迅が 中国人民の改造を目指すきっかけとなった幻灯事件について、事件そのものでなく、「同胞が殺害されても傍観していた中国人に対する憤り」である
*竹内好の魯迅論では、祖父の存在を隠す理由が不明としているが、祖父は不正(裏口入学)を行い、エリート(読書人)家系が没落したとのこと
意外だったのは
*元や清は異民族であり、中国人民としては 元や清は 異民族支配と感じていること
*儒教思想に人間らしく生きることを妨げている面があること(狂人日記のテーマ)
*魯迅は、孫文は革命戦士として尊敬しているが、蒋介石は批判していること