神奈月昇のレビュー一覧
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シリーズ最終巻。
一方、町では至るところで、精霊文字を自由に捜査できる「タブレット」と呼ばれる道具を受け取った人びとが、精霊を操る事件を引き起こしていました。
そんな中、みずからの手で、フォロンとともにディエスを滅ぼし、戦いに決着をつけることを決意したコーティは、単身ディエスたちのもとへ向かいます。しかし、「エンプティ・セット」の仕掛けた罠にかかり、精霊文字によって操られてしまうことになります。
しかし、その罠にはリコリスが細工を施しており、完全にコーティの精神を支配するには至りません。自我を取り戻したコーティは、フォロンの姿となったディエスに戦いを挑みます。彼女は、ディエスと刺し違えることで自我の境界を不安定にし、フォロンの精神世界に入り込んで、ディエスとの最後の決戦に挑みます。
とりあえずハッピー・エンドということで、読後感は満足できるものでした。単純と言えば単純なストーリーでしたが、物語がテンポよく進んでいくのでさくさく読むことができ、十分に楽しむことができたように思います。いくつか積み残しているテーマもありますが、短編集などで補われるのでしょうか。 -
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シリーズ第11弾。
自身の才能に絶望していた神曲楽士カムイラ・オーソンのうちに発現することになった「エンプティ・セット」は、精霊たちを恒久的に操ることのできる「精霊文字」を完成させるため、精霊文字を受け継ぐ「ナノポニート」の一体であるリコリスを確保しようとします。
そして、瀕死の重傷を負って入院していたフォロンのもとにディエスが現われ、彼の身柄をさらっていきます。やがてディエスからコーティのもとへ、フォロンとリコリスの身柄を取引しようという内容の手紙が送られてきます。
しかし、取引場所に現われたのは、フォロンと融合し彼の姿となったディエスでした。リコリスの身柄を奪われてしまい、しかも、フォロンとディエスを分離する方法はないという、絶望的な事実がコーティに知らされます。
残すところあと1巻で、いよいよストーリーも佳境に差しかかってきました。物語のテンポもよく、さくさく読めたのが好印象です。 -
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シリーズ第10段。物語が急展開して、ここから一気に終局に向かっていきます。
ある日フォロンとコーティは、ディエスに追われている少女を救出します。ネリネと名乗るその少女は、どうやらコーティカルテの過去を知っているらしい様子を見せます。
一方、街では反精霊団体の活動が活発になっていました。そんな中でペルセルテも、フォロンとコーティの仲に入り込むことができないと感じ、人間と精霊との違いにナイーヴになっていました。彼女は勇気を振り絞ってフォロンを水族館でのデートに誘いますが、その結果コーティとの間に少しぎくしゃくした空気が漂います。しかしコーティは、ペルセルテとフォロンがデートに出かけることを即座にはね付けることはせず、どこかへ出かけてしまいます。
水族館に出かけたフォロンは、そこでペルセルテからの告白を受けることになります。彼女にはすまないと思いながらも、フォロンは少し待ってほしいと頼み、自分とコーティのことをあらためて真剣に考え始めます。
やがてフォロンのもとに帰ってきたコーティは、この世界の驚くべき仕組みを語り始めます。ディエスの背後にいる「エンプティ・セット」は、人間と精霊との関係の「始まりと終わりを司る摂理」だと彼女は言います。コーティの前の契約者であるクチバ・カオルは、この摂理を終わらせようとして、命を落としたのでした。ネリネの本当の名前はリコリスといい、ケセラテ自然公園に墜落した精霊島に眠る「レブロス」という知性の端末であることが明らかにされます。そしてエンプティ・セットは、リコリスのうちに閉ざされているレブロスの知識を欲しているというのです。
話を聞いたフォロンは、世界の摂理を一人見つめ続けてきたコーティの心のうちの悲しみを思い、彼女に寄り添う決意をします。 -
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シリーズ第9弾。
ある日とつぜんコーティは、「少し出掛けてくる」とフォロンに告げて、家を出て行ってしまいます。コーティがいなければ何もできない自分にすっかり意気消沈するフォロンでしたが、1週間後にコーティは紅の髪を持つ小さな精霊を連れて帰ってきます。精霊の名はフラメルといい、コーティとフラメルは互いが互いの存在を担保する一対の精霊であるとのこと。
一方、街では子どもたちを誘拐する事件が多発していました。そしてフラメルが、その誘拐事件に巻き込まれてしまうことになります。
今回は、コーティの過去の秘密がほんのわずかですが語られていて、少しずつ物語のクライマックスに近づいてきたという感じがします。 -
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シリーズ第6弾。次の『エイディング・クリムゾン』と続き物になっています。
フォロンは、トルバス神曲学院の特別講師として、カティオムたちの指導に当たることになります。そこで彼は、精霊嫌いを公言するクガノ・リュネアという女性徒と出会います。彼女のことを気にかけるフォロンとカティオムに、コーティカルテとシェルウーティの心は揺れ動きます。やがて彼らに、海上に浮かぶメガ・フロート〈ホライズン〉で開催されるイベントで神曲を演奏するという話がもたらされます。
一方、ユフィンリーと警察は、〈真実なる道程〉などの反精霊団体と創始曲のつながりを調査する途中で、リュネアの祖父がクガノ・ハブロスという著名な反精霊主義者だったという可能性に突き当たります。
ちょっと展開がもたついている感がありますが、本筋の見通しがきくので読みやすく、好印象です。 -
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シリーズ第4弾。前の『スパーティング・クリムゾン』と続きものになっています。
前巻の戦いで、不安定な大人の姿から戻れなくなったコーティカルテを目の当たりにしたフォロンは、あらためて精霊と人間との関係について、そして自分とコーティカルテとの関係について考え始めます。
一方ユフィンリーたちは、盗まれた『コア』を奪回するため、港に停泊中の敵の船に潜入します。そんな彼らの前に、骸骨の姿をした上級精霊ディエス・ゴル・アルバークライドが姿を現わします。
コーティカルテとディエスとの会話から、過去に人間と精霊との間で重要な出来事が起こったことが示唆されているのですが、詳細は明かされていません。ここから一気にストーリーの核心に入ってゆくのかと思いきや、次の『ビギニング・クリムゾン』は過去の話になります。 -
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シリーズ第3弾。次の『ストラグル・クリムゾン』と続きものになっています。
カティオムの父であり、オミテック工業の社長を務めているオミ・テディゴットの依頼を受けて、フォロンとコーティカルテはケセラテ公園の発掘を手伝います。その後、公園の地下にある古代遺跡から『コア』が発掘されたという連絡を受けたユフィンリーは、神曲公社の「年寄り連中」の鼻を明かすため、オミテック工業と共同で発掘成果を大々的に喧伝します。ところが、なんとそのお祭り騒ぎの最中に、『コア』が何者かによって強奪されてしまうという事件が起きてしまいます。『コア』を乗せた輸送車を追ってツゲ事務所のメンバーたちがカー・チェイスをくり広げます。
なお、表紙のコーティカルテのイラストですが、本巻でプリネシカがデザインしたツゲ事務所の制服を着ています。 -
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シリーズ第1弾。
主人公のタタラ・フォロンは、楽曲を奏でることで精霊の力を借りる「神曲楽士」です。ツゲ神曲楽士派遣事務所に入社した彼の最初の仕事は、精霊の放つ「精霊雷」を、発電のためのサンプルに詰めることでした。さっそくフォロンは、契約を交わした上級精霊のコーティカルテ・アパ・ラグランジェスとともに仕事にとりかかりますが、はじめての仕事に張りきりすぎたフォロンは、翌日までに納得のできるくらいの精霊雷を詰めることに失敗してしまいます。
翌日フォロンは、所長のツゲ・ユフィンリーとともに謝罪するために依頼主のもとをおとずれますが、そこで発電所を狙ったテロに巻き込まれてしまいます。
第1弾なので主要キャラクターの紹介程度のエピソードなのかと思いきや、かなりきれいなストーリーにまとまっています。文章が整っているのでさらっと読めるのも、個人的には好印象でした。