里見清一のレビュー一覧

  • 偽善の医療

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    医療の「ここがへんだよ!」ということに突っ込んでいる。

    患者様という表現はおかしい!と言っている。
    なぜなら病気してなぜえらくならなければならないのかという話。
    病院経営を普通の客商売と一緒にするなという話。

    おもしろかった。

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    2010年06月19日
  • 偽善の医療

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     なかなか面白かった。現役医師の側からの率直な提言集。個人的には「患者さま撲滅運動」、「インフォームドコンセントハラスメント」などが興味深かった。患者の態度や医療に関する報道への批判が多いように受取られるかもしれないが、裏を返せば、医師側が能力をフルに生かして自信を持って患者の治療にあたるべし、という逆説的な医師としての心得集だと思う。まあ医療に関する法律論に関して一部の弁護士の意見のみを参照しているのは、ご愛嬌か。
     ちなみに、筆者の名前は、「白い巨塔」に出てくる登場人物から拝借したらしい。本名ではこの本は出せないところに今の医療の問題点があるような気もする。

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    2009年10月30日
  • 偽善の医療

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    師匠のブログを読んで買いました。

    日本臨床腫瘍学会の評議員の先生が書かれた本です。

    がん治療に携わっている者として
    行うべき治療が無くなったときの対処や
    患者からの心ばかりの品を受け取ったときの話など

    ペンネームではあれども
    考えがストレートに書いてあって
    考えさせられ、勉強になった本でした。

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    2009年10月04日
  • 衆愚の病理

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    日本の憲法は戦争を「想定外」にしている。大地震の津波は千年に一度だが、戦争は世界で常に起きている。原発事故以上に、戦争に対応する能力を高めるべきである。p.135

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    2024年05月04日
  • 「人生百年」という不幸(新潮新書)

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    快な目的:幸せを理解する上で、不幸を理解しておきたい
    作者へのQ1:この本の中で私の人生を豊かにするものを教えて
    作者へのQ2:患者さんは最後に何をしたいですか?
    作者へのQ3:なんのために長生きするの?

    ・医療の前提が人は死なない、死なせない  でも、人は死ぬよね
    ・患者の気持ちを大事にすること


    医者目線でのケースレポート集で、具体的なので、医者の気持ち、患者の気持ちが手に取るようにわかる。死期が近づいた時の考え方は、自分でも決めておきたいと思った。

    メルカリ売却

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    2021年08月23日
  • 医学の勝利が国家を滅ぼす

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    週刊新潮の連載コラムを愛読しており、高齢者のガン治療を例にとって著者が警鐘を鳴らす日本の医療危機問題について改めて認識したけれども、本筋から外れたところで不用意に漏らす誹謗のいくつかが(週刊誌らしいといえばそれまでなのだが)大事な議論の尊厳を損なっているのが残念。

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    2021年06月28日
  • 「人生百年」という不幸(新潮新書)

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    『ライフシフト』がベストセラーになってからというもの「人生100年」というワードは、もう耳にタコができるほど聴いた気がする。

    人類は、誕生してからずっと、死の恐怖からの解放を追いかけてきた。その結果、ついに100年すら当たり前の時代に突入しようとしている。
    なのにこの本は「人生100年」は不幸だと主張する。

    なぜ、やっとの思いでたどり着いた長寿が不幸なのか?
    幸福な長寿時代は、本当にあり得ないのか?
    そんな思いで手に取ってみた。

    多くの人は、自ら死を選択できない。
    死に方を自身で選ぶことなんて到底無理であり、自死すらもほとんどの人が、する覚悟さえ持てない。
    どんなに長寿になったとしても、

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    2020年11月11日
  • 医学の勝利が国家を滅ぼす

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    高価な薬の登場によって主にはがん領域(血液がんも含む)において、生存率が向上してきている。これ自体は非常に素晴らしいことではあるが、保険財政が圧迫されてきている。
    人の命の価値に優劣をつける訳では無いが、筆者も述べていた通り年齢によって、このような薬の使用に制限をかけることについては賛同する。現代の医療では高齢者に対しても高額な医療がほぼ自己負担なく行われており、将来的に本当に必要な人達に医療が届かなくなるのではないかという懸念がある。
    今後、高額な薬は次々と発売されると思うがその運用については真剣に考えていかなければならない。

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    2020年04月05日
  • 医者の逆説(新潮新書)

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    医者の立場から現在の医療制度について色々書いた一冊。

    のはずなのだけど、途中医療と直接関係のない政治批判的なものもあったりして、今一つ散漫な印象を受けた。

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    2018年12月16日
  • 医者の逆説(新潮新書)

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    命の問題についてはコストを度外視しても取り組むべき。そんな美名の下、結果として膨大なコストを次世代にツケとして先送りしている。国民皆保険制度が破綻してしまえば最低限の保証も受けられなくなる。著者は言う。たとえば75歳以上の高齢者へは高額薬剤による延命治療を差し控え、その代わり緩和医療を充実させてはどうか。医師でもある著者は、こんなことを言っても何のトクにもならないし、ただ嫌われるだけと自嘲する。とにかく角がたたないようにと逃げ腰の言論・議論が横行する中、批判は承知の助と蛮勇を奮う。高齢者は死ねというのか、などという感情論に流されるのではなく、今こそ一人ひとりが高額医療の問題について真剣に考えな

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    2018年04月08日
  • 医者と患者のコミュニケーション論

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    里見清一著「医者と患者のコミュニケーション論」、2015.10発行です。癌の告知の難しさ、告知の是非の大きな変化などがテーマの本だと思います。でも、私が膝を叩いたのは次の話。著者は贈り物は要求するとか、そのあるなしで治療の態度を変えたりするのはもってのほかとするも、その上で患者からの贈り物は受け取るべきと主張されてます。缶コーヒー一杯にせよ、贈り物、すなわち「おもてなし」は、「する」側が「される」側を喜ばせるのが主眼ではない。「される」側が、きちんと受けることによって、「する」側が喜ぶのである。まさしく!

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    2017年11月10日
  • 医者と患者のコミュニケーション論

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    里見先生は、マキャベリのように(自分の患者に対する)戦略を公開している。性悪説にたって患者さんに接し、患者さんが死に際しても満足を与えるにはどうしたらよいか真剣に考えている。自分勝手で悪魔のような医師だが、患者さんには天使にみえるかもしれない。

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    2016年09月08日
  • 衆愚の病理

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    医者の里見清一が、自身の勤める医療の実態や、群集心理や世相を斬った一冊。

    医療関係についてはさすがに説得力があるものの、それ以外の世の中の情勢については?

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    2016年04月11日
  • 医者と患者のコミュニケーション論

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    大学病院の教授回診や一般病院の院長回診の類は、ほとんどが無駄。有益な情報が見つかることはほぼない。それでも患者の多くは儀式的な回診を喜ぶ。回診に合理的意味はないが、白い巨塔に出てくる家族は来てくれなかった財前を恨み訴えることになる。財前は医師としてすべき指示は行っているし、患者に顔を見せ体に触れたからといって結果が変わるわけでもない。しかるに無駄を合理的に切り捨てたことが結果として自らを破滅の道へと導いた。コミュニケーションにおいて有効なのは面倒くさくて無意味と思われることを敢えて行うこと。手紙に書いたことを電話で話す。テレビ会議の音声と資料を直接その場で皆と共に見る。明らかに重複であり無駄で

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    2016年02月22日
  • 衆愚の病理

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    いろいろ学ぶことが多い。印象に残った言葉。
    素人は、100%白黒を要求する。プロは、グレーのケースもあることがわかっている。
    敗戦処理はエースの仕事。医師の仕事は、敗戦処理?こいつは逃げてないと思わせること。
    情報が害毒を生産する。すべての情報を盛り込むこと問題。見る人は何をもとめているか。医療情報は、安心感を求めている。
    人は、自分がやったことではないことにリスク0を要求する。しかし現実にはリスク0ではない。
    人間はじっとしていられない生きもの。いらぬ治療でも行なうことにかける。
    諸悪の根源は、民主主義。現代の選挙制度破綻している。
    病気と偏奇境目を人為的につくっている。

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    2015年12月17日
  • 希望という名の絶望―医療現場から平成ニッポンを診断する―

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    医師なのにいろんなことをよく考えていると思う。印象に残った言葉。
    スポーツは、国と国との代理戦争。スポーツ選手には勝てと声援すべき。
    人間の希望は目前にある一里塚を指し示すこと。
    医師の仕事とは、死者をみおくること。
    現代は、情報メタボで、素人には情報選択が難しい。
    プロの努力に対して敬意を表するのは当たり前。教えてくれる人に対しては畏敬の念をもつこと。
    イデオロギーの相違は絶対的なもので決着をつけるには暴力によるしかない。
    引退の時期難しい。

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    2015年12月17日
  • 医師の一分

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    書きたいこと書いた感じの随筆文
    医師とは関係ないことの方が多い気がする
    前半は★2、後半はピークの話とドキュメントが面白かったので★4.5

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    2015年08月26日
  • 医師の一分

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    本音で書いてあり、的をいてることも多く興味深い意見です。
    里見先生は、肺がんが専門で、治る見込みが少ない化学療法を勧めているうちにこのような考え方になったのでしょう。
    一種の職業病かもしれません。
    建前ばかりの医療の偽善性を見事に看破しているといってよいでしょう。

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    2015年07月08日
  • 医師の一分

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    右か左かと言えば右寄りな腫瘍内科医による本音トークがなかなか痛快。インフォームドコンセントのまやかし,延命治療と尊厳死,命の価値に上下はある,などのテーマを辛口で喋る。賛同しかねる所も多々あれど,やはり本音が聞けるのは良いことだ。
    研修医時代の救命センターでの経験を「念仏の如く『命の平等』を唱える良識的な連中より、『自殺未遂や暴走族の自爆は、俺たちが治療しなくていい』と傲然と言い放つわが指導医の方が正しい、と思ったのである」等と書いてたり(p.102),非匿名の医師としてはなかなかできない発言なのではないだろうか。里見清一はもちろん筆名で,以前の著書では顔も本名も伏せてたけど,この本では実名と

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    2015年04月17日
  • 見送ル―ある臨床医の告白―

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    人は必ず死ぬ。どうやって死にいたるかが千差万別なんだな。この本は肺癌にかかったケース。
    まずはヤブ医者にはあたりたくないな。病院も選ばなきゃいけない。癌研は癌が治らないと判った瞬間に病院から出て行けって言われるんだそうだ。ツライね。
    治る見込みもないのに、医者や家族の体面だけで延命や治療をされるのも勘弁だな。心臓マッサージをやると肋骨が数本折れるんだそうだ。

    じゃあ、どうしたらいいんだろうね。運を天に任せるってことかな。

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    2013年12月23日