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Posted by ブクログ
「偽善の医療」の里見清一先生の新刊。
この本も面白い。
まるで落語を聴いているかのような感覚で、今の医療についてのアレコレをズバリと(特には逡巡しながら)描いてくれている。
放送禁止用語的なコードも気にしないかの弁舌で、面白かった。
確かに、現代医療は、というか社会は、人は死なないかのごとく医療を考え、廊下も病気として捉えるようになっている。
釈迦のといた「生老病死」という逃れられないものにたいして、医師がどう向き合っているのか、そして、社会がどう向き合うべきなのか考えさせられる。
本の中には多数の引用がなされていて、そのいくつかは医学論文として発表されたものもある。
引用元も示されているので、これらも引いて 読んでみたいと思った。
「死」について、考えることを放棄するのではなく、目の前にして考えなければならないなと思った。
最終章に、小説(医療ドキュメントノベル)「約束」が収められているが、これは、すこし涙してしまった。
優しく、非情な等身大の医療が語られている。
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【内容(「BOOK」データベースより)
医学の進歩で、なかなか死ねない社会が到来した。しかし90歳過ぎの老衰患者に点滴をし、抗生物質を投与し、透析を行いペースメーカーまで入れて、なんのために「救う」のだ。数多くの死に立ち会ってきた著者は、今どきの「タテマエ」「良識」を嘲笑う。「命に上下は存在する」「患者の自己決定を信じない」「現代の医者は『死神』の仕事を担う」…現代人である「あなた」の死に方についての、辛辣かつ深遠な思索。
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【著者略歴「BOOK著者紹介情報」より】
里見/清一
1961(昭和36)年鳥取県生まれ。日本赤十字社医療センター化学療法科部長。86年東京大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院内科などを経て現職。日本癌学会・日本臨床腫瘍学会・日本肺癌学会評議員
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【目次】
1 褒めたら人は伸びるのか
2 ストレスはなくせない
3 自己決定の呪縛について
4 「自己決定尊重」の裏側
5 なかなか死ねない社会
6 がんのメリット
7 生身の医者は絶滅寸前
8 命に上下は存在する
9 引導を渡す役目を担う
10 あなたの臨終の枕元に立つ
11 気分の問題
12 二番煎じの価値
13 ピークのあとは下るだけ
医療ドキュメントノベル 約束
Posted by ブクログ
歯に衣を着せない物言い(物書き)で人気のお医者さんが、誰も指摘できない「本当のこと」をぶっちゃけまくっている本。見せかけの綺麗事と実態が大きく乖離している現代社会において、特にそれが顕著な医療現場の様々な問題について持論を展開している。かなりの毒舌家。科学的医療が発達し、「生かすだけなら生かせられる」環境が整いつつある中で、「人はいつ死ぬべきなのか」という誰もが漠然と抱いている問いをあえて書いてしまうところなんか、相当ひねくれてるなぁと思う(この問いは、禅問答が好きな私でも考えたくない)。競争社会での「2番煎じ」を推奨するコラムでは、「ルールを作った人が1番、ルールにのっとって優勝した人が2番、だから2番以降は泡沫」というひねくれたロジックを持ち出し、「2番煎じはいいけど、2番はダメ」と言ってみたり、メチャクチャだけど筋は通っていて面白い人。
以下の引用のところ、こんな(不謹慎な!)ネタばかりよく集めたと思うよ…。
Posted by ブクログ
右か左かと言えば右寄りな腫瘍内科医による本音トークがなかなか痛快。インフォームドコンセントのまやかし,延命治療と尊厳死,命の価値に上下はある,などのテーマを辛口で喋る。賛同しかねる所も多々あれど,やはり本音が聞けるのは良いことだ。
研修医時代の救命センターでの経験を「念仏の如く『命の平等』を唱える良識的な連中より、『自殺未遂や暴走族の自爆は、俺たちが治療しなくていい』と傲然と言い放つわが指導医の方が正しい、と思ったのである」等と書いてたり(p.102),非匿名の医師としてはなかなかできない発言なのではないだろうか。里見清一はもちろん筆名で,以前の著書では顔も本名も伏せてたけど,この本では実名と所属も明らかにしているようだ。
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