里見清一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小説だと思って読み始めると戸惑う。まるで、医者の手記のようだから。
書いている人自身も、どっちだかわからないけどとにかく書いているようで、つまりは、名称を変えて、多少事実を構成しなおした、小説っぽい手記だと思えばいいのかもしれない。小説的な結構は見当たらないのだから。
そして、そういうジャンル分けがどうでもよくなるくらいの、圧倒的なリアリティである。これが医者の本音なのだとしたら、医者にかかることはとても恐ろしいことだと思った。
まあ、医者だって仕事なのだから、事務的にもなるだろうし、身も蓋もない考え方にもなるだろうと思う。
がんになってしまうことの、本当の恐ろしさの一端を知ることができる貴