里見清一のレビュー一覧

  • 医者の逆説(新潮新書)

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    いつもながらの語り口で納得できることたくさん。
    QOLの件りは特に有意義だった。
    しかし同業者なら身を持って実感できることであっても、人の生き死にという現代人が最も遠ざけてきた事象に関する「耳の痛いこと(=高騰する医療費とか延命治療に関する問題)」がどこまで医療者以外のひとに響くのだろうか。どれだけ正論でも耳を塞がれてしまえば届かない。

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    2020年05月05日
  • 医師の一分

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    死の病にある患者に事故決定を求めるのは、残酷という主張。
    医師が、その人の生命延長に必要な資源を使うことが正しいか判断して、その判断にしたがって誘導するべし。
    予想外に良書であった。

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    2019年05月21日
  • 見送ル―ある臨床医の告白―

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    自らも喘息持ちということから呼吸器内科を専門とする現役医師が、「小説」として描いた本。特に肺がん患者の治療、その後の経過観察、ターミナルケア、そして看取りまでが詳しく描かれている。
    ここでの主人公「里見先生」は、自信過剰なんじゃね?的だけれど、それだけの仕事もされる医師で、病気になったらこんな先生に最期まで診てもらいたいと思える医師だ。

    延命という名目のもと、沢山のチューブに繋がれ意識のないままに“生かされている”。
    家族は1分でも長く…かもしれないけれど、それが患者本人のためになっていることなのか?
    家族も、治療する医師も、患者を上手に“見送ル”。患者自身も自分の納得できる“見送ラレ”方を

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    2019年02月22日
  • 医師の一分

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    夫に推薦されて読んだ本。

    内容はずっしりと重くてらなかなか読むのに時間がかかった。でもそのぶん中身は濃いし、何より 先生の一生懸命さや温かさが伝わってきてらこういう医者がいる病院はいいなと思えた。

    結構きわどい話などもしていて普段患者からしか見ることのない意思という側面を 誇張せずに書いている良書。

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    2018年10月08日
  • 医者の逆説(新潮新書)

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    膨大なツケを次世代に押し付ける現実をまざまざを見せつけてくれました。また、それを主張しようにも、大手マスコミからは「世論の反発」を恐れて避けられる現実もあり、本当にどうすればよいのか、どこから手を付けたらよいのか悩む機会を得られます。また、「他人事」の感覚が我々の周囲を支配する無限の荒野であり、大人の事情が優先される寒々しい世界を知ることができます。

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    2018年04月20日
  • 医学の勝利が国家を滅ぼす

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    オブジーボなどの高価な薬が発売されて、医療現場は自己負担のアメリカ型と、日本のようなお上による完全に保険で賄える中での問題を取り扱っている。

    オバマ・ケアも有名になったが、日本の保険医療制度では、高額医療控除のために本当に多くの税金が、90歳の人間を120歳までに延命するなどのために使われる可能性がある。

    ある意味人とは何か、治療とは何か、できなかったことができるようになったからこそ、考えさせられる命題をつきつけられているように感じた。

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    2017年10月17日
  • 偽善の医療

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    今までに読んだ医療関係の本でベスト!
    以前ガン治療放置論の本を読んで成る程と思ったが、ガンの種類や症状によって手術、抗がん剤、放射線治療の標準治療も必要で効果ありという当たり前のことを教えられた。又、どんな治療も副作用によって症状が悪化したりしに至ることもある。

    治療のポイントは
    ①生存期間(延命)②症状が極力出ないこと。生活の質。QOL。③コスト。治療費用がいくらかかるか。
    である。

    結論は技術と人格が信頼できる医者に出会い治療を任せること。そういう運の良い人間になること。

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    2017年06月12日
  • 医者とはどういう職業か

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    医師と関わる企業側の人間として非常に興味深く読ませていただきました。医師も生身の人間である。患者さんとのコミュニケーションの難しさは、想像を遥かに超えていた。
    互いに適度な緊張感がないとうまくいくものもうまく行かなくなってしまう。
    医師と話をするときに、少し心持ちが変わってきそう。

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    2016年12月09日
  • 医師の一分

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    歯に衣を着せない物言い(物書き)で人気のお医者さんが、誰も指摘できない「本当のこと」をぶっちゃけまくっている本。見せかけの綺麗事と実態が大きく乖離している現代社会において、特にそれが顕著な医療現場の様々な問題について持論を展開している。かなりの毒舌家。科学的医療が発達し、「生かすだけなら生かせられる」環境が整いつつある中で、「人はいつ死ぬべきなのか」という誰もが漠然と抱いている問いをあえて書いてしまうところなんか、相当ひねくれてるなぁと思う(この問いは、禅問答が好きな私でも考えたくない)。競争社会での「2番煎じ」を推奨するコラムでは、「ルールを作った人が1番、ルールにのっとって優勝した人が2番

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    2015年06月21日
  • 医師の一分

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    必ず直面することになる親族の死と自らの死を考えるにあたって、一風変わった視点から再考することになるであろう新書。
    最終章の医療ドキュメント・ノベルからは、具体的な自身の問題としての死を考えさせられた。

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    2015年06月13日
  • 医師の一分

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    「したくもない自己決定を押し付けられる」という表現で、自己決定があるべき姿だと思い込まされている社会に警鐘を鳴らす本。
    植込型除細動器が入っていると末期になかなか死ぬことができない、という話も恐ろしい。

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    2015年06月09日
  • 見送ル―ある臨床医の告白―

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    「小説」でしか描けない、現役医師だけが知る病院の現実。

    最期まで同じ病院で診てもらうこと、一人の医師に診てもらうことは幸運な事なのだと思わされる。

    父を末期の肺がんで送った私には身につまされた。

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    2013年12月07日
  • 衆愚の病理

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    医師である著者が、痛快、痛烈な筆致で日本のビョーキをえぐり出します。
    毒が効いてますし、字面を真に受けると気に食わないと思う人も多いでしょうが、私は面白かった。

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    2013年10月24日
  • 衆愚の病理

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    ここまではっきりと言い切られると気持ちが良い。
    スカッとさえしてくる。
    表現は過激だが、主張には納得できる部分も多い。
    普段読み慣れないものを読めたという意味も込めて「面白かった」。

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    2013年10月22日
  • 見送ル―ある臨床医の告白―

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    フィクションなのか、ノンフィクションなのか、わからない。

    ただ、医者の本音のようなものが、
    ありのまま記述されていて、とても面白い。
    専門用語はよくわからないが、読みやすかった。

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    2013年09月14日
  • 衆愚の病理

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    ネタバレ

    「プロフェッショナルは歯切れが悪い」これはけっこう大切なことだと思う。世の中の問題となる事象はそもそも白黒がはっきりと付けられるものではない。それを知っているからこそ、プロフェッショナルは口ごもるし、言いよどむのだ。一方で素人はシンプルな回答を求める。プロなんだからわかるだろうと。その素人の声が大きくなりすぎると、問題が「粗雑な方法で」解決を迫られる。その事の危険を我々はもっと知るべきである。という論理には納得する。その一方でプロフェッショナルに任せすぎることの危険も確かにある。プロフェッショナルの知恵や技術はもちろん必要だが、大衆の意見は常に間違っていると決めつけるのもまた同様に危険だと思う

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    2013年08月28日
  • 偽善の医療

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    患者様撲滅運動や、なくなれセカンドオピニオンなど結構インパクトのある章だて。筆者の私感が全面にでていてくどく感じることもあるが、医療サイドからみた裏側などが分かって興味深く感じた。

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    2013年03月18日
  • 偽善の医療

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    人情に基づいて話を進める断りもあり、感情的な文書が多い。
    その為読むのに前半は気が乗らない部分が多かったが、
    後半には思わず笑ってしまう部分もあった。
    多分に一般的な医療本で推進する内容や、
    マスコミの情報操作のような内容を否定する内容が多いので、
    この本も一意見として鵜呑みにしすぎず読むとよいかと思います。

    ■患者さまという呼称
    これがお上の一言で始まったというのは本当に冗談かと思った。
    「さま」なんて言葉は仰る通り、全く心には思ってなく使う。
    本当にコミュニケーションをちゃんと取ろうと思ったら「さま」なんて絶対に使わない。
    「xxさん」って言われた方がよっぽど信頼できる。
    企業だって肩書

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    2012年01月23日
  • 希望という名の絶望―医療現場から平成ニッポンを診断する―

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    肺がんを専門にする医師が本音を語っている.「冷静な対応」ってなんだ,「議論を尽くす」とはどこまでか 等々,納得できる話が満載だ.

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    2011年11月25日
  • 偽善の医療

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    一般論・建前論・精神論・根性論などいっさい無しの赤裸々トーク。元老院がいて自由に発言ができないこの分野にてこういう本は実に実に貴重だと思います。

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    2011年11月07日