穂高明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
どうして私だけ生き残ってしまったの。たったひとり、少女はバス事故で助かった。深い心の痛みを抱えて過ごす日々の先に―。とりまく人々の心模様を絡めて描いた、優しい強さが沁みわたる「再出発」の物語。
事故で生き残った人はどうやってその後の生活に戻って行けるのだろうと考えさせられる本です。日航機墜落で生き残った方達も、励ましの言葉も呪いの言葉に思えたでしょう。今のようにネットでなんでも発信できる今、一般の人の心ない一言のダメージは計り知れない物があります。
この本はそんな人間の二面性、強さと優しさ、それを上回るどす黒さがなんともやりきれない。しかもみんな悪気無い -
Posted by ブクログ
初、穂高明さんでした。
夜明けのカノープス、アンソロジー「東京ホタル」の「夏のはじまりの満月」のように星空とのつながりが深いのですね。
まだ幼い頃母親を亡くし、父、おばあ、継母、そして亡き母の友人、幼馴染の陽一とともに育った民子。しっかりし過ぎで自分に甘えない民子の姿が周囲の4人の視点で描かれています。文体はやさしく温か。
星月夜
アフアの花祭り
月の裏側で
真昼の月
設定はちょっと陰のある家庭の日常なのですが、月を繋がりに民子の心のありようの表現が上手く、おもわずほろりの場面もしばしば。しっかりし過ぎ、気負い過ぎの民子ですが、なにもできない継母の宏子との関係で、気負った心もやがて融けて