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Posted by ブクログ
西條八十の童謡『かなりや』をタイトルにした四編からなる連作。四編全てが人間が生きて行く上で背負う重圧や悩み、そういう悩める人を救おうとする人々の連鎖が温かく描かれた大傑作である。最初は四編が独立した物語かと思うのだが、全てを読むと一つの物語として成立していることが解る。
実は単行本で読んでいるのだが、文庫化されたので再び手に取った。分かっているのに読みながら、じわじわと涙がにじんだ。
主人公はお寺の長男・広海。彼はどの話でも脇役のような立ち位置なのだが、非常に重要な役割を果たしている。小さな船に乗って現れる広海…
途中に童謡『かなりや』の…象牙の船に 銀の櫂…という歌詞が紹介されているが、なるほどと思った。そういえば、単行本の装丁は全体がエメラルドグリーンで、表紙には淡く浮かんだ白い船が描かれていた。文庫本の表紙には広海とサチが青空の下に佇む姿がステキなタッチで描かれている。
四編のタイトルが『アポトーシス』『インピーダンス』『マグデブルグの半球』『シュレーディンガーの猫』と物理科学の用語になっており、物語の中の面白い仕掛けになっている。
心が疲れてる人に是非お勧めしたい作品です。
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