穂高明のレビュー一覧

  • かなりや

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    舞台や登場人物は共通で4人の主人公の生活、生きることが描かれた物語。ファンタジー小説だけどあまりそうと感じないもっと日常に近い4つの話だった。
    人の優しさを感じてじんわり出来て前向きになれる本。

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    2013年02月18日
  • かなりや

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    西條八十の童謡『かなりや』をタイトルにした四編からなる連作。四編全てが人間が生きて行く上で背負う重圧や悩み、そういう悩める人を救おうとする人々の連鎖が温かく描かれた大傑作である。最初は四編が独立した物語かと思うのだが、全てを読むと一つの物語として成立していることが解る。

    実は単行本で読んでいるのだが、文庫化されたので再び手に取った。分かっているのに読みながら、じわじわと涙がにじんだ。

    主人公はお寺の長男・広海。彼はどの話でも脇役のような立ち位置なのだが、非常に重要な役割を果たしている。小さな船に乗って現れる広海…

    途中に童謡『かなりや』の…象牙の船に 銀の櫂…という歌詞が紹介されているが

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    2013年02月09日
  • 月のうた

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    月に関するエピソードで繋がる物語。4編から成り、それぞれの編で話し手が変わる。
    人の感じかた考えはそれぞれで何が当たっているとかはよくわからないけど、ただ、人を思う気持ちは皆共通していると思った。
    人のことを思い、許す、それで良いって言ってくれる、あたたかい思いが溢れている話。
    優しい、読んでて安らぐ。

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    2012年08月25日
  • 月のうた

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    それぞれがいろいろな想いを抱きながら生きている。章ごとに語り手が変わるので、それがよくわかる。想いあって、受け容れて、支えあう。不器用なやさしさ、厳しいやさしさ、見守るやさしさ・・・決してドラマチックな展開はない。日常の中に隠れている出来事をそっと紡ぎだした。そんな印象。民子のしなやかな強さ、宏子のおおらかなやさしさ。祥子の温かい眼差し。おばあちゃんの大きな愛情。不器用な父親。ひとりひとりの登場人物がみんな魅力的。本当にいい物語だった。

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    2012年05月05日
  • 月のうた

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    なんて温かくて優しいお話なのだろう。人は想い想われて、受け入れ合って、大切な人がいなくなってしまっても思い出をまた大切な誰かに紡ぎ続けて、そうしてこれからも生きていくのだろうなあ。親という存在についても考えさせられます。両親や祖母に会いたくなった。視点が変わる毎に別サイドから人物が見えるので、見方が変わるのも面白かったなあ。

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    2012年03月29日
  • 月のうた

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    第2回ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作。
    解説の池上冬樹さんも書かれてますが、大賞でも良かったのでは。
    まあ後に色々話題になった賞ですから、選定基準が曖昧なんでしょうな。
    穂高さんには良い作品をどんどん書いて欲しいです。良かったです。

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    2011年07月08日
  • 月のうた

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    じいちゃんが死んだとき思い出した。どうして教えてくれなかったのか。
    ただ自分が受け入れられないからではなく、周りの状況を考慮してだろう。それに対して文句は言ってはいけない。
    心がほっこり暖かい気持ちになれる本だ。なによりばあちゃんと陽一の母の優しさがいい

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    2011年06月11日
  • 月のうた

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    ネタバレ

    美智子さんが亡くなる前に夫にかけた言葉に愛が溢れてた。自分がもうすぐこの世から去ると悟ったとき、まず相手のことを想ってあんな言葉をかけられるだろうか。
    血が繋がってない人同士なのに、家族になるってすごい。

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    2025年09月04日
  • 青と白と

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     穂高明さん初読みでした。生年・出身・経歴等のプロフィールを見る限り、本作の主人公にご自身が濃く投影されているのだろうと感じました。フィクションなのですが、震災を経験した者にしか描き得ない苦悩が、リアルに表現されていました。

     主人公は、仙台を離れ東京で暮らす30代後半で独身の悠子。売れない作家でバイトを掛け持ちしています。7章構成で、章ごとに悠子→母親→妹と順に視点が変わり、あの日とその後の様々な人の生活や悠子への想いも描かれ、最後は悠子へ集約されます。作家として書き続けようと決意するまでを丁寧に綴っています。

     震災直後、多くの作家の皆さんが感じ吐露していた「無力感」‥。穂高さんも主人

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    2025年03月13日
  • 青と白と

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    災害は数字で語り継がれることが多いけど、そこにはその数だけの人生、人脈、遺したものがあることを忘れてはならない

    数字で単純化しないように

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    2025年03月04日
  • ダブル・ダブルスター

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    新興宗教にのめり込み、孫は男の子で私立に通わせることを必須とする義母。そして、母親のいいなりにしか行動できない無責任な夫。妻の真知子に対する二人の行動や発言は、これはひどいなと思うことばかりでした。こんな状況のなかで、息子の怜くんの気持ちを尊重しながら対話を続けた真知子を応援しながらの読書でした。

    こちらの気持ちまで晴れやかになったのは、夏休みに真知子と怜くんが野辺山宇宙電波観測所を訪れた時でした。星空の描写が、とても印象的でした。こと座のダブル・ダブルスターは、初めて知りました。

    この小説では、息子の怜くんがとても聡明でしっかりしているのが救いでした。どうなるのかが気になって、あっという

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    2025年02月13日
  • 夜明けのカノープス

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    主人公と生き別れた父が再開してからの物語が凄く面白かった。先輩に対する思いや父との関係が、物語が進むにつれて少しずつ変化していくのが面白い。自分の日常の中で共感する部分や学生や会社員ならではの共感できる部分がたくさんあって面白かった。最後父とどうなったのか結末が知りたい…。

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    2024年11月10日
  • かなりや

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    家族がテーマの本を選ぼうとしたときに手にとった。
    この本のテーマは「化学」「理科」「助け合い」「つながり」「生きづらさ」「自し」(→それが良いのかどうか含める)でなんか違うなぁと思う。


    絶対に自分で命を絶ってはいけないけれどそれを頑なに禁止したり、頑張れよって声かけしたりするのも違う。


    どの話も面白かったけど西條八十の「かなりや」は無理やり感があって話に合わない感じがした。

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    2024年10月23日
  • これからの誕生日

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    「月のうた」「かなりや」に続き。
    とても久しぶりの穂高さんの作品読みました。
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    バス事故で、
    たった一人助かった少女。
    人知れぬ心の痛みを抱えて生きる、
    その先に――

    彼女が成長して大人になった時、
    悲しを享受して
    素敵に笑う姿を想像してみる。
    祈るように想像してみる。
    小泉今日子さん推薦!
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    2011年に刊行された作品なんですね。
    忘れもしない東日本大震災のなか、
    このテーマは当時の私では読めなかったかもです。
    なので、このタイミングで出会えたことに感謝。

    バス事故で唯一の生き残りの千春は

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    2024年05月05日
  • これからの誕生日

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    「サバイバーズギルド」になってしまった千春。

    辛いのはいつの時代もいる、関係ない人達からの批判の無責任な書込み。

    本人の辛さはもちろん、千春の母の、どう対処していくかわからなくなっている感じや、担任だった先生が、千春のためには何かしてあげたいと思いながらも本音の感情も出てきてきまったり、その揺れ動く感じが書かれている。

    自分が、本人だつたら、母だったら、遺族の家族たったら…。

    マスコミはこういう時、煩わしいものでしかないと思っていたが、新聞記者、小泉の書き方で、いかようにもなるんだなぁと思った。

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    2023年08月26日
  • ダブル・ダブルスター

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    息子の中学受験という時期に病気で倒れた真知子。
    その日以降、突然息子と引き離されて別居生活に…。

    理不尽な夫と義母の仕打ちに呆れ果てると同時にまだこんな親がいるんだなと思った。
    すべてが自分中心で、思いやりのかけらもない夫に自分のいうことがすべて正しいと信じて差別的ことばを躊躇なく発する義母。

    誰が心から息子のことを想っているのか…
    それでも息子だってバカじゃない、よく義母のことも見ている。
    そしてほんとうに一緒にいたいのが誰かってことを息子は、わかっている。

    母と子の再出発を応援したくなる。

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    2022年08月16日
  • ダブル・ダブルスター

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    ネタバレ

    真知子と怜、ふたりの門出をお祝いしたいです。
    二人には、自分のために、自分の幸せのために生きてほしい。

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    2022年08月09日
  • 青と白と

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    ネタバレ

    震災、震災後について、もちろん見聞きはしてきたけれど、こんなに嗅覚、触覚、心の襞に働きかけられたのは初めてだった。

    涙が出そうになるところもたくさんあるのだが、それ以上に心を抉られるような感覚で読んだ。

    『戸田悠』の書くものは心に染みるものだろう…

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    2021年12月22日
  • ダブル・ダブルスター

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    読むのがしんどくなるところもあったけど、面白かった。穂高作品はストーリーの良さはもちろん、文章の相性が良いようでちょっとしんどいところがあっても読み進められる。やはり注目し続けたい作家さんの一人です。
    天文や鉄道の話も興味深く読めました。
    天文のほうは知ってたけど、鉄道にも詳しいんですね。

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    2021年11月25日
  • ダブル・ダブルスター

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    ネタバレ

    やさしい言葉で描かれているけれど、物語は歯がゆいくらい言葉が通じない人が出て来て なかなかしんどかった。
    地方だということと、住み心地はちがうし 価値観も違うよね…と 頷くことばかりだった。

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    2021年10月10日