美輪和音のレビュー一覧

  • 強欲な羊

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    ネタバレ

    強欲な羊
    女性の語りで始まる。
    姉妹の性格、彼女の見たもの、感じたこと、好きな男性について語る。
    本当に欲の強い者は誰か。疑いながら読む。

    聞いている人が誰か分かったときに、また彼女の計画性、怖さが出てくる。


    背徳の羊
    女の行動、計画の怖さ。
    篠田が、妻を信じられなくなって疑心暗鬼になる姿。信頼していた人たちの裏切り。

    眠れぬ夜の羊
    自分は幼馴染みを殺したのかーから始まる。
    縞模様の服を着た女性が見えるという女の子、自分の背後にいるという。
    幼馴染みが最後に着ていた服だというが、文章のなかに遊具がシマウマだったとはあるが、どんな服を着ていた等、出てこない。
    結婚に反対されて、喧嘩をしたという母親がいっこうに出てこないので、幼馴染みではなく母親だなとわかったけれど面白かった。

    ストックホルムの羊
    タイトル通の話。

    生け贄の羊
    今までの登場人物何人か出てきて、三人の会話から彼女たちが誰なのか、この先どうなるのか、ドキドキしながら読んだ。

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    2023年07月01日
  • 私たちはどこで間違えてしまったんだろう

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    同調圧力がもたらした悲劇に言葉を失う。

    舞台は辺鄙な片田舎・夜鬼町。
    近所は顔見知りばかり、助け合い精神で成り立っていた町だが、その平和も秋祭りで一変する。

    何者かが、しるこ鍋に入れた毒で数名の死者が出る惨事に。
    そこからは人が普段内に秘めている本性が剝き出しになっていく。

    誰もが疑心暗鬼に陥り、確たる証拠もないまま犯人を決め付ける。
    人が人に向ける刃と過熱するマスコミの報道合戦に不快感は増していく。

    事件の全貌を知ると大きなため息が。
    小さな悪の芽がこんな大事件にまで発展するなんて。
    彼らは最初から間違っていたんだろう。

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    2023年04月03日
  • 強欲な羊

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    ネタバレ

    強欲な羊、背徳の羊、眠れぬ夜の羊、ストックホルムの羊、生贄の羊の五篇からなる連作集。
    表紙のデザインも雰囲気があって良いです。
    表題作の「強欲な羊」が一番好みでした。
    ミステリーというよりホラー?のような。
    大輪の薔薇のように艶やかで希少の激しい麻耶子と桜のように可憐どこか儚げな沙耶子。
    姉妹が殺人事件の加害者と被害者になってしまうなんて、この屋敷は本当に呪われているのかもしれないという使用人の女性の語りで始まる物語。
    徐々にあれ、これって…もしかして…と気付かされていく過程が楽しめました。

    「ストックホルムの羊」の王子の正体を知ってものすごく不快な気持ちになりました。

    全体的に少し前に読んだ米澤穂信さんの「儚い羊達の饗宴」と雰囲気が似ていて、面白くて続きが気になり、一気読みしてしまいました。

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    2022年11月26日
  • 暗黒の羊

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    古びた洋館で誰かの名前を3度唱えると羊目の女が願いを叶えてくれる。
    そんな都市伝説にまつわる短編集。

    羊目ってどんな目なんだろうと想像してしまう。あの目で見られたら確かに怖そう・・・。
    どの話も人間の心の奥底に潜むイヤ~な感情を表してるんだけど、読んでるとなんとなく共感出来てしまう。

    私が面白かったのは、被害者なのに周囲の妬みや興味半分でイジメの的にされる女子高生の話とSNSに炎上写真を載せる女性の話。
    どちらも人間の闇に触れたホラーとなってます。

    最後まで読んでいくと必ずページをめくり返したくなります。読み始めたら一気に読むのがお勧めです。

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    2022年04月04日
  • 捕食

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    うわぁ~怖かった!
    “戦慄のサスペンス”どころではない恐怖が襲い掛かる。巧妙なプロットと中盤以降の怒涛の展開に頁を捲る手が止まらない。久々に手に汗かいた!
    グロいのが苦手な方は覚悟して手に取ってください!

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    2022年03月23日
  • 強欲な羊

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    面白かったです。羊って如何にも無害そうだけれどよく見たら目が横でこわい…というのは個人的な感覚だろうけど、底知れない異質を感じます。
    表題作の、貴女が羊だったのか…という猟奇的なお話も好みでした。続く、「背徳の羊」「眠れぬ夜の羊」は人間関係の黒さでこちらも好き。ストックホルム症候群のはそこまで。。
    バラバラの短編集だと思っていたら、最終話の「生贄の羊」で連作だったのだと気付きました。こちらはちょっとホラーでドキドキしたし、この人はあの人だ…と気付いたときのゾクッとするのが心地良くなくていいです。最後の展開もよかった。
    初読みの作家さんでしたがこれからも読んでいきたいです。

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    2021年12月01日
  • ウェンディのあやまち

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    心理学的要素、ネグレクト等を巧みに盛り込んだ社会派ミステリー。この手の事件は枚挙に遑がないが、3人の女性の視点で描かれる展開の妙、目を背けたくなる描写が逆に母性(父性)を掻き立てて怒りがこみ上げる。終い方が好き!

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    2021年10月27日
  • 暗黒の羊

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    前作に引き続き、どんよりした気持ちにさせる連作短編集。
    決して後味はよくない。
    でもミステリーとしては面白いので、イヤだなーと思いながらページをめくっている。
    人間の恐ろしさというか暗黒面を引きずり出すようなストーリーを読んでいると、認めたくないけどドキッとする瞬間がある。

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    2021年10月11日
  • 暗黒の羊

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    「.....すべては、因果でつながっている」

    これだけ練り込まれた短編連作集には、そうそうお目にかかれない。前作必読! 悍ましいまでの恐怖、悪意、狂気...。某事件もモチーフに。今回も、ものの見事にやられました! 羊目の女が現れぬように、うん、善因を積もう!

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    2021年09月05日
  • 強欲な羊

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    “不快”と“面白い”は共存できるらしい。
    思わず顔をしかめるほど嫌な気持ちになるのに、ページを捲る手は止まらない。
    当然ながら後味もよくない。
    登場人物なんて誰一人として好感を持てない。
    だけど読んじゃう。
    そして読み終わる頃には「そうきたか!」と感心している。
    悔しいけど続編も読む。

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    2021年08月31日
  • 暗黒の羊

    購入済み

    続編です

    今回も楽しく読ませていただきました。後を引きずるおどろおどろしい怖さではなく、うわ、やだなーって感じの怖さなので怖がりな方でも安心して読めると思います。

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    2020年10月20日
  • 強欲な羊

    購入済み

    ホラーミステリー

    表題作が一番好きです。タイトルと表紙のイラストが素敵で購入しましたが、全話おもしろく読めました。続編もこれから読みます。

    0
    2020年10月18日
  • 暗黒の羊

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    ネタバレ

    前作『強欲な羊』を凌ぐ、緻密に組み立てられた暗黒連作短編集。
    オカルトめいた“羊目の女”の因果が再び絡み廃洋館を訪れた者に牙をむく。
    三話目の、家にいる男は夫ではないと怯える妻に助けを求められた場面が一番背筋がゾクゾクしたなぁ。どちらを信じていいのか分からない第三者の怖さ。
    全容の分からぬ気味悪さに襲われながらも一気におもしろくエキサイトしたのは「不寛容な羊」。あの人たちの正体が判明した時点で「キターッ」と心が叫び、とんでもない絶望で終わっているのにスカッと気持ちは晴れやか。巡り巡った復讐でもあるからだろうか。

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    2020年05月30日
  • 監獄舎の殺人 ミステリーズ!新人賞受賞作品集

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    東京創元社さんの「ミステリーズ!新人賞受賞作品集」。これが新人か、と思わずにはいられないほどハイレベル。
    表題作の「監獄舎の殺人」は前評判通りの完成度で、映画のようなラストシーンには“おお!”と快哉を上げた。
    個人的に好きなのは「かんがえるひとになりかけ」。こんな特異な状況のミステリは他にないよね。読み進めるのが楽しくて仕方がなかった。
    純粋に謎物語を楽しみたい人にはお薦めは一冊。

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    2020年02月20日
  • 強欲な羊

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    ミステリ。イヤミス。ホラー。短編集。
    はじめての作家さん。女性。映画『着信アリ』の脚本家らしい。
    なんともブラックな作風。
    米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』を連想した。タイトルの"羊"、雰囲気、結末の意外性、「強欲な羊」と「玉野五十鈴の誉れ」の共通点など、似ている部分が多いように思う。
    やはり表題作がベスト。一作だけ異なる世界観を感じられる「ストックホルムの羊」も印象的。

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    2018年02月18日
  • 捕食

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    痛いのとグロいのが無ければ最高に面白いのだけど、痛くなかったらこの物語は成立しない(^_^;)

    トラウマを抱える真尋の心に、するりと入り込んできたいづみ。
    いづみに助けられ希望を見いだすが、彼女に疑念を感じ彼女の過去を辿っていくと、、、

    ページを捲るのが止まらなくなるほど先が気になる小説だった。
    脚本家の先生の話は、映像をみているかのようで、常にハラハラさせられた。実に心臓に悪い(^_^;)

    どちらが先かは知らないが、殺人鬼フジコ的な場面も(^_^;)怖い怖い((( ;゚Д゚)))

    イオンの未来屋書店さんは、私好みの本をいつも平積みしておいてくれる。あのコーナーは、どうやら私と感覚の似ている書店員さんが手掛けてくれているのだろう。いつもワクワクさせる本に出会わせてくれて有難いm(__)m

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    2018年01月03日
  • 強欲な羊

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    ネタバレ

    〇 概要
     「着信アリ!」など,映画のシナリオを「大良美奈子」という名義で書いていた著者の短編集。デビュー作「強欲な羊」など「羊」をタイトルに含む短編が5つ収録された短編集。いずれも,企みと悪意に満ちた「イヤミス」であり,読後に,忘れがたい印象を残す作品がそろっている。

    〇 総合評価 ★★★★☆
     全く期待していなかったが,かなり面白かった。全体の肌触りは,米澤穂信の「儚い羊たちの祝宴」に似ている。
     女性作家らしい女性の描き方というか…描かれている女性がリアルに恐怖を感じさせる。
     特に,「背徳の羊」の「羊子」という女性の描かれ方が強烈。恐怖を感じずにはいられない。
     小説巧者でもある。「眠れぬ夜の羊」は,叙述トリックがあると知らずに読み,久しぶりに気持ちよくだまされた。叙述トリックのある作品を,叙述トリックがあると知らずに読むことができるのは幸せだと改めて痛感した。
     「ストックホルムの羊」は,服部まゆみの「この光と闇」に似ている。全体的にオリジナリティに欠ける嫌いはあるが,小説として十分面白い。相当なイヤミスぞろいなので,嫌いな人は嫌いだろうが,個人的には非常に好みの作品だった。
     
    〇 メモ
    〇 強欲な羊 ★★★☆☆
     大輪の薔薇のように艶やかで,気性の激しい麻耶子が,桜のように可憐でどこか儚げな沙耶子に殺される。物語の語り手は,その家の女中。聞き手は,麻耶子の夫の恭司だが,そのことは終盤まで伏せられている。
     語り手は,沙耶子が麻耶子を殺害するはずがないと言いながら,沙耶子がいかに麻耶子からひどい仕打ちを受けていたか,昔話を語り出す。麻耶子と沙耶子の祖母が,片足が切断された状態で遺体で発見されたこと,沙耶子の家庭教師だった榊が行方不明になったこと,石神という医師が行方不明になったこと,屋敷の旦那が精神を病んでしまったことなどを語る。
     終盤で,語り手は,沙耶子こそが「強欲な羊」だったのではないかと言う。最後には,語り手が正体を現す。語り手は,麻耶子と沙耶子の腹違いの妹であり,語り手が,沙耶子と麻耶子に嫌がらせを行い,麻耶子と沙耶子の祖母を殺害し,榊と石神を殺害し,屋敷の旦那の精神を病ました犯人である「強欲な羊」だった。語り手は,聞き手である恭二を屋敷の座敷牢に閉じ込め,恭二の足を切断していた。最後に,語り手は恭二に言う「ねぇ,恭司様,約束してくださいね。わたくしのことを誰よりも美しく描いてくださるって。麻耶子よりも,沙耶子よりも,綺麗に…。あら,そんなことをお願いしてしまう私って,少しだけ欲張りかしら……?

    〇 背徳の羊 ★★★★★
     篠田には双子の子どもがいる。娘の実は父にそっくりで,娘の真は美しい母,羊子にそっくりである。家族ぐるみで親しくしている水嶋家には,夫の和馬と妻の初音と,子供の理がいる。
     理は,真にそっくりだった。篠田は,初音のところに,「ご主人のそばに背徳の羊がいます。」と書かれた手紙が届いたと聞く。初音と篠田は,和馬と羊子が不倫をしているのではないかと疑う。
     調査を進め,羊子がかつて和馬とつきあっていた事実や,羊子の過去の評判などを聞く。篠田は,羊子がだんだんと信じられなくなっていく。また,経営している会社の経営状況が芳しくなく,羊子の紹介で知り合った喜田川弁護士と相談し,忙しい時間を過ごしながら調査を続ける。
     そんな中,初音の子である理が川に落ちる。羊子と初音が一緒にいるときに事故がおきたのだが,篠田は羊子が犯人でないかと疑う。
     篠田の会社の最大の取引相手であるノギハウスが破たんし,篠田は喜田川から破産するように勧められる。篠田は羊子と和馬が不倫をしていたと考え,羊子を殺害しようとする。
     最後に,理を殺害しようとしたのが初音だということが分かる。理は,体外受精により初音が生んだ子であり,卵子を提供したのが羊子だった。初音は,和馬と羊子の関係を疑い,篠田を巻き込みながら破滅していったのだ。
     篠田と羊子は分かれる。最後は,羊子が喜田川と再婚し,幸せそうに過ごすシーンで終わる。
     強烈な印象を残すイヤミス。ミステリ要素は少ないが,世にも奇妙な物語などで映像化したら,かなりの反響になりそうな気がする。傑作レベルの作品

    〇 眠れる夜の羊 ★★★★☆
     塔子は須藤文彦と婚約するが,29歳の塔子と10歳以上も年齢が離れていること,須藤が妻子持ちであったこと(すでに離婚をしている。)などが原因で,塔子の両親の反対にあい,結婚には至らなかった。須藤は,塔子の友人だった明穂と結婚する。
     塔子は,須藤と結婚できなかったことから母である静子を恨む。塔子は,明穂を殺害した夢を見る。実際に明穂の遺体が発見され,塔子は夢か現実か,判断がつかなくなる。
     塔子は再婚を考えている丸岡という男の娘である花(4歳)を預かる。花には,幽霊が見えるという。塔子が見ていた幽霊は明穂ではなく,塔子の母の静子だった。塔子は静子を殺害していたのだ。
     明穂を殺害したのは須藤。目撃証言などで,20代くらいの男と描写されていたが,須藤は,塔子より10歳以上年下の男だったのだ。
     須藤文彦の年齢の叙述トリックを巧妙に使った佳作。最後の最後でどんでん返しがある。叙述トリックがある作品は,叙述トリックがあると知らずに読みたいと改めて感じた。久しぶりに気持ちよくだまされた。★4。

    〇 ストックホルムの羊 ★★★☆☆
     服部まゆみの「この光と闇」のような作品。「この光と闇」を読む前に読んでいたら,評価が変わったかもしれない。「この光と闇」は,1998年の作品であり,ストックホルムの羊は,「この光と闇」を読んでから作られた可能性もあるが…。
     誘拐犯人が監禁している女性をだましているという設定。読者には中世ヨーロッパの頃の作品だと誤認させる叙述トリックが仕掛けられている。「この光と闇」は,性別誤認トリックまで仕掛けられていたが,この作品はそこまでの展開はない。ただし,監禁されている女性が4人であり,新たに1人加わるという展開である。
     ストックホルムの羊というタイトルは,「ストックホルム症候群」=加害者と被害者が閉鎖された空間で非日常的な体験を長い間共有し続けると,被害者が犯人に共感し,信頼や愛情を感じることがあるという事例をテーマにしているものであり,改めて読み返すと相当なイヤミス。嫌悪感まで感じてしまう。そういった意味では,この光と闇に優る部分もないではないが…この光と闇の完成度には遠く及ばない。★3どまり。相手が悪かった。

    〇 生贄の羊 ★★★☆☆
     「強欲な羊」,「背徳の羊」,「眠れぬ夜の羊」,「ストックホルムの羊」の4作品をつなぐという位置付けの作品。
     夜の公衆トイレで,足首に手錠を掛けられ,さびた配管につながれている複数の女性が登場する。
     女性のうちの1人は「あきりん」。これは,「眠れぬ夜の羊」の被害者である須藤明穂である。
     別の1人は,チコと呼ばれている。これは,「背徳の羊」で登場し,かつて水島和馬とつきあっていて,行方不明になったという九鬼千砂子である。
     もう一人は女子高生。この人物が何者かはここでは明かされない。
     いずれも,羊目の女の羊館=「強欲な羊」の舞台となった洋館(今は廃墟になっている。)に忍び込み,羊目の女を呼ぶという都市伝説を実行していた。生贄にすると宣言した人物を殺害しないと,自分が羊目の女の生贄になるという。
     九鬼千砂子は,実際は9年前に死んでいた。須藤明穂も,須藤文彦に殺害され,既に死んでいる。
     女子高生は,麻里亜(ストックホルムの羊の「マリア」)。麻里亜は,大路憲人…身代わりの羊とした人物だ。この人物を殺さないと,自分が生贄になる。
     最後は,麻里亜が「これから行く―」と答えるシーンで終わる。ここから「ストックホルムの羊」につながるのか…。
     全体と通じた趣向を用意したかったのかもしれんないが,やや消化不良。ミステリというよりホラー。個々の作品の登場人物が登場し,別の視点から語られたり,後日談が語られたりするのは悪くないが…もう少し練ってほしかった。★3

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    2017年04月16日
  • ゴーストフォビア

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    さまざまな恐怖症をテーマにしたホラーミステリ連作短編。恐怖症、とひとくちに言っても、こんなにいろいろな種類があるとは! 理解できるものも理解できないものもあるけれど。幽霊……見えたりしたらそりゃあ恐怖症にもなるかな(苦笑)。
    霊の声を聴く三紅と霊の姿を視る神凪のコンビが良いのだけれど。お馬鹿キャラの芙二子もなんだか愛すべきキャラです。そしてラストにかけて明らかになってくる彼らの恐怖症の原因や、意外な因縁にも驚き。
    お気に入りは「空飛ぶブラッディマリー」。ミステリとしての謎解きもさながら、ホラーなシーンの怖さも格別でした。

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    2017年03月31日
  • 8番目のマリア

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    初めは、そこまで驚くシチュエーションでもなく
    良くある感じかなぁといった印象。
    中学時代のクラスメイト7人が集められて
    結構えげつない、過去の罪を告白していくっていう
    こういう展開もそう珍しくないんだけど
    最後にやられる。なるほどねー、と。
    思っていたより面白くて、一気に読んでしまった。

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    2014年09月20日
  • 私たちはどこで間違えてしまったんだろう

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    閉鎖的な田舎でのルシファーエフェクトを題材に。
    看守と囚人の二部構成です。
    著者の他の本は良かったけど、これは合わなかったかな。登場人物誰も好きになれない。
    割と早い段階で秘密の暴露が行われた気がしたんだけど、犯人捜ししてる人達誰もつっこまないから気のせいかと思って読み進めたら、結局犯人だった。

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    2026年03月02日