美輪和音のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
古びた洋館で誰かの名前を3度唱えると羊目の女が願いを叶えてくれる。
そんな都市伝説にまつわる短編集。
羊目ってどんな目なんだろうと想像してしまう。あの目で見られたら確かに怖そう・・・。
どの話も人間の心の奥底に潜むイヤ~な感情を表してるんだけど、読んでるとなんとなく共感出来てしまう。
私が面白かったのは、被害者なのに周囲の妬みや興味半分でイジメの的にされる女子高生の話とSNSに炎上写真を載せる女性の話。
どちらも人間の闇に触れたホラーとなってます。
最後まで読んでいくと必ずページをめくり返したくなります。読み始めたら一気に読むのがお勧めです。 -
Posted by ブクログ
面白かったです。羊って如何にも無害そうだけれどよく見たら目が横でこわい…というのは個人的な感覚だろうけど、底知れない異質を感じます。
表題作の、貴女が羊だったのか…という猟奇的なお話も好みでした。続く、「背徳の羊」「眠れぬ夜の羊」は人間関係の黒さでこちらも好き。ストックホルム症候群のはそこまで。。
バラバラの短編集だと思っていたら、最終話の「生贄の羊」で連作だったのだと気付きました。こちらはちょっとホラーでドキドキしたし、この人はあの人だ…と気付いたときのゾクッとするのが心地良くなくていいです。最後の展開もよかった。
初読みの作家さんでしたがこれからも読んでいきたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった〜!
内容的に「面白い」と表現するのは少し違う気がしますが、私好みな作品。
全5編の短編集でそれぞれのお話は独立したお話かと思いきや、実は意外な所で繋がっているという演出にも(いい意味で)ゾワゾワして頁を捲る手が止まりませんでした。
どれも、まぁ〜騙されました。
特に「ストックホルムの羊」にはやられました…
世界観が全部ひっくり返ったあの感じは正にどんでん返し!
ただ、幽霊とか超常現象?っぽい描写があったので、リアルな怖さを求める私としては、そこがあんまり好きではなかったかな。
「したたか」って漢字で書くと「強か」と書きますが、字の如く、己の欲望に「強く」執着し、望みや理想を叶 -
購入済み
続編です
今回も楽しく読ませていただきました。後を引きずるおどろおどろしい怖さではなく、うわ、やだなーって感じの怖さなので怖がりな方でも安心して読めると思います。
-
Posted by ブクログ
痛いのとグロいのが無ければ最高に面白いのだけど、痛くなかったらこの物語は成立しない(^_^;)
トラウマを抱える真尋の心に、するりと入り込んできたいづみ。
いづみに助けられ希望を見いだすが、彼女に疑念を感じ彼女の過去を辿っていくと、、、
ページを捲るのが止まらなくなるほど先が気になる小説だった。
脚本家の先生の話は、映像をみているかのようで、常にハラハラさせられた。実に心臓に悪い(^_^;)
どちらが先かは知らないが、殺人鬼フジコ的な場面も(^_^;)怖い怖い((( ;゚Д゚)))
イオンの未来屋書店さんは、私好みの本をいつも平積みしておいてくれる。あのコーナーは、どうやら私と感覚の似 -
Posted by ブクログ
ネタバレ〇 概要
「着信アリ!」など,映画のシナリオを「大良美奈子」という名義で書いていた著者の短編集。デビュー作「強欲な羊」など「羊」をタイトルに含む短編が5つ収録された短編集。いずれも,企みと悪意に満ちた「イヤミス」であり,読後に,忘れがたい印象を残す作品がそろっている。
〇 総合評価 ★★★★☆
全く期待していなかったが,かなり面白かった。全体の肌触りは,米澤穂信の「儚い羊たちの祝宴」に似ている。
女性作家らしい女性の描き方というか…描かれている女性がリアルに恐怖を感じさせる。
特に,「背徳の羊」の「羊子」という女性の描かれ方が強烈。恐怖を感じずにはいられない。
小説巧者でもある。「