あらすじ
二人の幼児が自宅に置き去りにされ、一人が餓死するという事件が発生した。物語に登場するのは、客の男にのめり込む恋愛体質のキャバクラ嬢、女優としてドラマ出演のチャンスが舞い込んだ女、自分を痛めつけるように働き続ける清掃員の女……。3人の女を繋ぐ、幼児餓死事件の真実とは――。人間の業を抉る衝撃のノンストップ社会派ミステリーが待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
冒頭の幼児虐待に千里・杏奈・鈴木がそれぞれどのように関わっているのか?といった視点で読んでいたがそこから既にミスリードと思い込みがあったのを途中で気づかされる。それも非常に自然な流れで、そこから全てが一本に繋がる展開は巧みであった。
ストーリーは子を持つ親としては目を背けたくなる内容ではあったが、こうした大人がいることも事実。最後の場面は柑奈にとって少しは前向きになれる展開だったのが良かった。
柑奈に幸あれと願いたい。
Posted by ブクログ
心理学的要素、ネグレクト等を巧みに盛り込んだ社会派ミステリー。この手の事件は枚挙に遑がないが、3人の女性の視点で描かれる展開の妙、目を背けたくなる描写が逆に母性(父性)を掻き立てて怒りがこみ上げる。終い方が好き!
Posted by ブクログ
騙されないよう騙されないよう読んでいたつもりが、簡単に騙されていた。
バラバラに描かれる恋愛の中に散見する、幼児虐待の話から、物語は発展して行く。
ウェンディは誰なのか?というのが本筋だと思うが、ウェンディの過ちを誰も正すことができないというのは、なんとも救いがない。それでも後味は悪くないのだから不思議だ。