美輪和音のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレどの短編もなんとなくこの先のストーリーを匂わせる伏線がいくつかある。読む方もそれを覚悟しているはずなのだが、最後には毎回しっかり驚かされた。
サラッと物騒で恐ろしい話が始まるのでいちいち怖かった。その中心にあるのは表と裏の顔を使いこなす女の怖さである。
でも彼女たちがそうなるに至った経緯にも同情すべき点がある。家や親に縛られていたり、他者からの暴力などにより追い詰められたパターンもあり、ただ「女が怖い」だけではない構造になっていた。このバリエーションによって飽きずに読むことができた。
これだけでも十分面白かったのに、ラストの短編ですべての話が繋がっていて更に面白くなった。はじまりはあの家からだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ強欲な羊
女性の語りで始まる。
姉妹の性格、彼女の見たもの、感じたこと、好きな男性について語る。
本当に欲の強い者は誰か。疑いながら読む。
聞いている人が誰か分かったときに、また彼女の計画性、怖さが出てくる。
背徳の羊
女の行動、計画の怖さ。
篠田が、妻を信じられなくなって疑心暗鬼になる姿。信頼していた人たちの裏切り。
眠れぬ夜の羊
自分は幼馴染みを殺したのかーから始まる。
縞模様の服を着た女性が見えるという女の子、自分の背後にいるという。
幼馴染みが最後に着ていた服だというが、文章のなかに遊具がシマウマだったとはあるが、どんな服を着ていた等、出てこない。
結婚に反対されて、喧嘩をした -
Posted by ブクログ
ネタバレ強欲な羊、背徳の羊、眠れぬ夜の羊、ストックホルムの羊、生贄の羊の五篇からなる連作集。
表紙のデザインも雰囲気があって良いです。
表題作の「強欲な羊」が一番好みでした。
ミステリーというよりホラー?のような。
大輪の薔薇のように艶やかで希少の激しい麻耶子と桜のように可憐どこか儚げな沙耶子。
姉妹が殺人事件の加害者と被害者になってしまうなんて、この屋敷は本当に呪われているのかもしれないという使用人の女性の語りで始まる物語。
徐々にあれ、これって…もしかして…と気付かされていく過程が楽しめました。
「ストックホルムの羊」の王子の正体を知ってものすごく不快な気持ちになりました。
全体的に少し前に読