読み進むほど誰が本当の『彼女』なのか惑わされる。よく練られたストーリーではあるのだが…残るこの物足りなさ。もっと底知れない怖さを『彼女』に感じたかったからか。
加地やネロの役割もどこか中途半端。加地の部屋での体験がピークで、そこから先は話の進行とは裏腹に失速してしまった感が拭えない。
ネロと真尋の関係を通して、加害者は都合よく罪を忘れて被害者は何年経っても苦しみ続けるという犯罪の根深さ不条理さが最後に改めて示されたのが印象的。
『彼女』のような人間は最終的にどこへたどり着くのだろう。続きを読んでみたい気もする。