toi8のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
“「三井が気づいていたかどうかはともかく、とりあえず第一段階をクリアしたってことが重要なんじゃないか。次はいよいよ、好きです、付き合ってください、の方の告白だな。がんばれよ!」
江本はパンパンと瞬太の肩をたたいた。
これまでも瞬太は何度か三井と二人きりになったことはあったのだが、ドキドキすると耳や目がむずむずしてキツネに変化しそうになってしまい、恋の告白どころではなかったのである。
「え、でも、化けギツネだって告白したばっかりだし……」
「今のおまえの勢いなら大丈夫だよ」
江本はニカッと笑って右手の親指をたてた。
「そうかな?」
「そうそう」
「もたもたしてたら、三井を他の男にとられちゃうぜ」
満足そうなゲップをしながら岡島が言う。
「うっ」
「さっさとあたって砕けてこい!」
江本にガシッと両手で肩をつかまれ、瞬太は思わずうなずいてしまった。
「わかった!」
「砕けるのはどうなのかなぁ」
高坂が首をかしげるのを横目に見つつも、江本にのせられ、すっかり舞い上がってしまった九月の昼さがりであった。”[P.13]
4巻目。
今回も面白かった。
瞬太君次巻では頑張ってよ!頑張って告白しちゃえ!
“授業が終わった後、瞬太はふらふらしながら陰陽屋へたどりついた。
休憩室のベッドで漫画を読んでいる祥明に、うらみがましい視線をむける。
「おやキツネ君、まだアルバイト許可が取り消されていないということは、今日は起きていられたようだな」
「……委員長たちに見張りを頼むなんて卑怯だぞ……」
「おまえだってアルバイトの許可を取り消されたら困るだろう?」
「そりゃそうなんだけどさ。うう……寝不足と自分の顔に残った湿布の臭いとでくらくらする……」
「湿布?」
祥明はおきあがって、すっきりと高い鼻を瞬太の顔に近づけた。
「たしかに臭うな。一体何があったんだ?」
「委員長たちが、おれが居眠りしないようにって、湿布をはったりわさびをぬったりしたんだよ!」
瞬太が訴えると、祥明は腹をかかえて笑いだした。
「やるな、あいつら」”[P.233] -
Posted by ブクログ
“「じいちゃん、これどのくらい読んだの?」
「ほとんど読んだよ」
「まじか、すごいな」
漫画以外の本をまったく読まない瞬太は、感嘆と驚愕のまじった声をあげた。
「もしかして祥明も?」
「ヨシアキも子供の頃から、よくここにこもって本を読んでいたけど、せいぜい半分か三分の一だね」
「子供の頃から?」
「普通の男の子がやるような、サッカーやキャッチボールはあんまり好きじゃなくてね。雨の日はもちろん、晴れた日にも一人で本を読んでいたよ」
だから陰陽屋なんて妙な商売をはじめる大人になったのか、と、瞬太は納得する。
「そういえば、最近、ヨシアキの様子はどうかな?」
「あいかわらずだよ。面倒くさがりだし、子供には冷たいし、祭文は二つしか覚えてないし」
「ほほう」
愉快そうな笑みがこぼれる。
「あ、ごめん、じいちゃんの孫だった」
瞬太は慌てて謝った。”[P.117]
恋のお話短編集的な。
瞬太君もう一押し頑張って。
“「でもおまえ、ドキドキすると必ず耳がキツネにかわっちゃうんだろ?」
「うっ」
「手を握ろうとしたところで、耳がキツネになっちゃって、三井に、きゃー沢崎君その耳なに!?やっぱりあの記事本当だったのね!?なんて騒がれてみろ。雰囲気ぶちこわしだぜ?」
「ううっ」
「話しとけ。きっちり事情を説明しとけ。でないと一生三井とキスできないぞ」
「その前に、好きだって告白すらできないとか言ってなかったっけ?」
高坂からも追い討ちがかかる。
「そ、そうだった……」
「ずっとこのままただの同級生でいるのなら、なあなあでもいいんじゃないのか?」
岡島が、優しいのかそうでないのかわからない見解をのべた。
「でも三井ってけっこうかわいいから、沢崎がもたもたしているうちに、他の男子にとられちゃったりするかもしれないけどな」
江本がニヤッと笑う。
「ううう……わ、わかった。三井に話すよ。話せばいいんだろ?」
瞬太は自分でももういったい何度目だかわからない決意表明をした。”[P.244] -
Posted by ブクログ
本を開いてびっくり。台詞しかない!!!
いわゆる戯曲形式らしいです。
でも頑張って読み進めているうちに慣れてきました。
中身はというと、面白い!
異世界経済学ファンタジーで(狼と香辛料と似ているらしい)
勧善懲悪な話ではなく魔王と勇者が手を組んで、
「戦争(実はこれがないと世界の経済が成り立たない)がなくても
生きていける世界」を目指して頑張るお話。
勇者はバカチートでありふれた主人公なんだけど(失礼)
魔王さまが可愛い。テンプレキャラだけど好感もてる。
経済学や人類の研究の歴史も勉強になる上に、
ちゃんとストーリーとしての盛り上がりや面白みもあって
想像以上の内容だった。
ただ、メイド長の「えっちではしたない体」ていう台詞に
うっとなってしまったので、☆-1……。
お色気はサービスシーンなのはわかってても、
これは気持ち悪かった……。