シェリル・サンドバーグのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み手の置かれた状況に拠って、感想或いは利用価値が大変変わる本だと思う。
逆境に置かれていないなら、読んでもあまり心に響かないかもしれない。
辛い時に読むと、自分の心を突き刺していた刃が読むうちにマイルドになり、自分で自分を傷めつけることがなくなっていった。
辛い時には、どのページも涙が出るけれど、著者が少しずつ回復していく過程につられて、自分の辛さも回復していった。もっと読みたいなと思っているうちに終わってしまったけれど。
逆境の時に読むのがおススメの本。
ただ個人的な話しの部分と、(いかにもアメリカらしい)社会的プログラムの話しの部分を分けて書いてくれたら、もっと整理されて良かったか -
Posted by ブクログ
本書では、苦難からの立ち直りを妨げる3つの要素として、
自責化(自分が悪いのだと思う)
普遍化(人生のすべての側面に影響すると感じる)
永続化(苦しみがずっと続くと思い込む)
が挙げられていた。
印象に残ったのは、「自責化」についてカトリックの教えと結びつけて論じられていた部分。
自分の人格ではなく言動を責めるよう意識することで、「恥」ではなく「罪」の意識を持つことができる。罪の意識は尽きることのない「贈り物」であり、それがあるからこそ、過去の過ちを償い、次はより良い選択をしようという意欲が生まれる。
一方で、恥の意識は「自分は取るに足らない存在だ」と感じさせ、人を攻撃したり、自分の殻に -
Posted by ブクログ
グーグルやフェイスブックで活躍する女性リーダーの話。
ハーバード、政府の財務長官下の職員、マッキンゼー、グーグル、フェイスブックなどなど、そもそも優秀な人がさらに努力を重ねて輝かしいキャリアを築き上げています。女性の視点で世の中が形成されてはいないことを理解しつつ、そのなかで女性のリーダーを増やして変えていこう、という強い意気込みが感じられました。多くの女性が優秀であるにも関わらず、場の雰囲気をしっかりとつかみ、それがゆえに意見をせずに声の大きな人の意見が取り上げられている、といった著者の指摘は日本でも共通と思いました。世の中をよりよくするには、意見を述べること、それと同時に、丁寧に意見を拾い -
Posted by ブクログ
ネタバレ前を向こう。声をあげよう。
アメリカはジェンダー平等が進んでいる、と誤解していないだろうか。もちろん日本社会より前に進んでいる部分はあるかもしれないが、日本社会で女性たちが悩んだり困ったりしていることは、アメリカにだって共通する。
著者シェリル・サンドバーグはフェイスブックCEOである。2人の子どもを育てている。決してスーパーママではなく、鉄の女でも女王蜂でもなく、仕事と家庭の両立に悩んだり、男性社会的な風習に苛立ったり、自分の中にある固定的ジェンダー観を振り払うのに勇気を払ったりする人である。著者は自分の人生から皆に呼びかけている。前を向こう、声をあげよう、変えていこう、と。女性だけでは -
Posted by ブクログ
もっと多くの女性が権力のある地位につくこと(トップを増やすことがボトムを押し上げる)が女性が抱える問題やニーズをもっと主張できる。
両親が共に仕事を持って、家計と育児を半分ずつ負担すれば、母親の罪悪感は薄れ、父親はより家庭経営に参加するようになり、子供達は力強く成長することを膨大なデータがくっきりと示している。
社会人になりたての頃、沢山のチャンスを与えられたのに、当時の私はそれは自分の専門じゃない、その分野はよく知らないと言い、その多くにノーと答えていた。でも今考えるとどんなことでも学んで自分にできる貢献をすることが大事だった。
女性は他人のために交渉する時には、とてもうまくやるし、男 -
Posted by ブクログ
過去のトラウマから抜け出せない人、もしくはこれから起こるであろう心の傷の対処の仕方を学びたい人には必読書です。
そうでない人も、読めば一瞬でも優しくなれる本です。
またこの本を、経済的に恵まれた家族のある喪失物語として読んではいけません。
どんなにリッチであろうが、心の傷は万人に平等だからです。
もちろん、周りの環境や交友関係の違いから、彼女の体験が万人向けではないことは確かですが、それを考慮してもなお、他人には隠しておきたいようなプライベートな話をせざるを得ないにもかかわらずこうした本を書いた彼女の勇気と頭の良さに敬意を表します。
そして今もなお、こうした悲しみに打ちひしがれている