駒形のレビュー一覧
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“リリはまだ、そんなふうに考えられませんでした。イザヤの言う通り、ふたりはストームを救ったのです。けれども、そのことを喜ぶ気にはなれませんでした。「でも、その代わりにぎせいになったものは?」リリはたずねました。「牧場が丸ごと売られてしまうかもしれないのよ!」
しゃべっているとちゅうで、リリは自分でも、牧場を救うためにストームが苦しまされるなんて、ぜったいにあってはならないことだと考えていることに気がつきました。この事件には、ハッピー・エンドはないのです。
「正しいことはなにか。それを決めるのは、とてもむずかしいわね」リリは小さな声で言うと、なみだぐみました。”[P.151]
5巻目。
転校生の少女ヴォルケと彼女の家、乗馬クラブの話。
トリクシィが変わって来てるのが良い。
“『ぼくたちはハッピーエンジョイしてるんだ!』マーリンは黒い馬に説明しました。
『見ればわかるさ』ストームは低い声で言いました。
『ジャンプは最高さ!』マーリンは、はりきって言いました。『ぼくはずっと飛んでいられるよ!毎日、朝から晩まで!夜だって!とにかく大好きさ!』
ストームは首をかしげてマーリンの話に聞き入っていました。
「なんて言ってるの?」トムが柵の上から声をかけました。
けれどもリリは答えませんでした。リリは息を止めていました。マーリンの話に、ストームは考えているような気がしていたのです。
『火の脚もない……』ストームがつぶやきました。
『なにがないって?』マーリンは頭をふりました。『ぼくの脚はまったく異常はないよ!』
『痛くないのか?』
『ぜーんぜん!まったく痛くない!ぼくはジャンプがだあい好き!』マーリンの目がきらきらかがやきました。”[P.195] -
Posted by ブクログ
続けて読みました。ほぼ刊行分追いついてきましたが、
所持してる2冊(卵ハンバーグ、天使)だけ遅れてます;
今回もなかなかどうして。
やっぱり掘り下げが足りないとは思いますが、
今回はまぁ児童書としてはこんなもんかな?て感じでした。
必要以上に重くなりすぎずで。
初恋の流れが、賢い子らしいなぁと(^^♪
初恋もですが、傍に見るだけでなく、実際に
話したり他の側面を見ないとわからない部分は多いので
(実際関わっても氷山の一角といっていいくらい)
ろくに知りもしないでわかった気になってはいけないなぁ
というのは何歳になっても課題ですね。
そういう部分が今回は書かれてたのが嬉しい。
おまけで、シャリの小塚君が光るエピが出てくると
「おおお藤本先生節だ~」です。
近年ではフランスなどの歴史系の印象が強いですが、
確か大昔にエッセイかで元々は理系の研究かと
されてたと伺った記憶があるので、旧KZ時代も
それでお詳しいのか、と思った覚えがあります。 -
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“開けはなたれた窓から入ってきた猫の表情はしんけんです。「お知らせしたいことがあります。わたくしの使用人が、さきほどから夢中になって、こちらの窓に向けてなにやら投げつけておりますわよ。あなたの気を引こうとしているのだと思いますけど」猫は説明しました。「使用人のとほうにくれたようすを、だまって見ているわけにもいかず、お知らせにまいりました」猫は前足でひげをなでました。「このさいですからもうしあげておきますが、あの使用人は、相対的に、能力がかたよっていますわね。それにひきかえ、新しい"缶切り"のほうは応用力があるともうしますか、使い道が広くて便利ですわ」
「新しい缶切りってなんですか?」リリはたずねました。
「新しい使用人ですわよ。新人は、日の出、日の入りの時間になると、きちんとお食事の缶づめを開けてくれますのよ。ごりっぱですわ」”[P.100]
4巻目。
地の文が良いのか、訳が良いのか、両方良いのか。表現が良いなと思ってしまう。
イザヤの描写とか良かった。
“リリはさびしそうに下を向きました。ふたりにはひみつができてしまいました。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?
「アームストロングの手がかりはまだつかめないの」リリはしょんぼりしながら言いました。「どこへ行ってしまったのかな」
イザヤはなにも言わず、くつひもをいじくり回していました。
「アームストロングがどうなってもいいの?」リリは思わず大きな声を出してしまいました。
イザヤは顔をあげました。とても悲しそうな、絶望的なイザヤの表情に、リリの胸が苦しくなりました。イザヤはなにか言いたそうです。でも、なにを言いたいのか、リリにはわかりません。イザヤはどうしてうちあけてくれないのでしょうか?なにがそんなにイザヤを苦しめているのでしょうか?
ふたりはだまりこんでいました。”[P.162] -
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“「信じられないかもしれないけれど、トリクシィのお姉さんが動物園で働いているの」
「なんだって?」イザヤは驚いた表情で、リリを見つめました。
リリがきょうのできごとを話すと、イザヤは心配そうになんども首を横にふりながら聞いていました。
「それはちっともいいことじゃないな」イザヤはリリが話しおわると言いました。「トリクシィは、ぼくらに仕返しするチャンスをねらっているんだ。今のところ、学校では成功していないけどね。ぼくはかけてもいいよ。トリクシィは、トリーナをそそのかしてきみに仕返ししようとたくらんでるよ」
「そうかもしれない」リリは緊張して、下くちびるをかみました。”[P.60]
2巻目。
ピアとも仲良くなって3人で〜かと思ってたら今巻は別にそうでもなかった。
ただ単に動物と話せるってだけでなくて、動物側も自身と同じ言葉を人間が喋ってくるから気にしたがるって設定がうまくできてるなと今更に思ったり。
フィン以外の動物園の職員さんたちはどうなんだろう、協力的なのかな。
小学生が主人公だと大抵少年少女同じ背くらいに描かれてること多いけれどこの2人は一学年違うこともあってか文章中に明確な表現はなかったと思うけれどイラストで体格差が描かれててそこも好きです(一息)。
“「わたしの……わたしの言うことがわかる?」リリののどは、からからにかわいていました。
コブラはリリの質問には答えませんでした。
「ハロー……」
返事をしません。
リリは青ざめました。
「わかった!」イザヤがとつぜん大きな声を出しました。「思い出した!ヘビは耳が聞こえないんだ!リリ、コブラにはきみの言うことがわからないんだよ!」
「その通りよ、さすが天才ぼうや」トリーナが冷たく笑いながら言いました。トリーナは、ケースから数メートルはなれて立っていました。「コブラには、リリの魔法もぜんぜん役に立たないわよ。これであんたたちも、もうおしまいね」
そう言いのこして、トリーナは出口に向かって走りだし、ドアをバタンとしめると、外からカギをかけてしまいました。”[P.200] -
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“「ところで、きみに聞きたかったんだ。どうやったのか」イザヤはつづけました。
「花を咲かせる、あれ。あんなすごいこと、初めて見た」
イザヤは好奇心に満ちたまなざしで、リリをじっと見つめました。イザヤはこの前のできごとをもう怖がっていないようです。それがわかると、リリは胸をなでおろし、少し考えてから言いました。
「わたしが話したら、あなたも話すのよ。ゲーテの本を読んでいるのを知られたくない理由をね」
リリは腕組みすると、きっぱりと言いました。
「これは約束よ。秘密の約束!」
イザヤはためらっていました。話すことで得すること、損することを慎重に考えているようでした。そして、考えた末に言いました。
「オーケー。でも、きみが先だ!」
「まあ、いいわ」”[P.55]
リリアーネもイザヤもちゃんとしっかり考えてる辺りが読んでて楽しい。
学校特有の問題が1巻の時点でそこそこに落ち着くのは気持ちいいな。
ショーウィンドウのシーンのイラストがすごくいい。
ピアとはいい友達になっていきそう。
園長さん格好いい……。
“「それなあに?」
「ツィヴィールクラージェっていうのは、ドイツ語だよ。困っている人を助けるために、結果を恐れず、勇気を持って行動することさ。自分の立場が悪くなっても、自分の考えに責任をとることをいうんだ」
リリはちょっと考えてから言いました。
「わたしたちには、そのチビなんとか言う勇気がまったくないのね」
「ツィヴィールクラージェ。その通り。ぼくらには勇気がぜんぜんない」イザヤはゆっくりと言いました。
ふたりは、それに気づいて、少し悲しい気持ちになりました。
「リリ。ぼくらが勇気を持って変えないと」イザヤがきっぱりと言いました。”[P.126] -
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動物と話せるという特殊能力や、能力がバレては転校を繰り返している負い目のために、引っ込み思案な性格のリリアーネ。
新しい学校でも、普通にしようと気をつけては空回りし、さっそくクラスの中心グループに目をつけられてしまいます。
そんなある日、授業で行った動物園でなぜか急に興奮して暴れだすようになったゾウのマルタに出会って………
テーマは友達を作るということ、本当の自分をさらけ出すこと、と結構真面目。
そこに動物と話せるという特殊能力やちょっとカッコいい男の子、漫画っぽいかわいいイラストと女の子が興味を示しそうな要素を盛りだくさんにつめこんでいます。
朝読なんかに良いかも。