トリイ・ヘイデンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
母に捨てられ、薬中・アル中の父親に育てられたシーラ。周りは敵だけだと認識していた7歳の少女にこの世には愛があるということを教えたトリィ。僅か5ヶ月間だった物語の7年後からのその後の話。
14歳になっていたシーラは本質的には7歳の頃と同じだった。母に捨てられたトラウマを抱え、性的虐待を受けた傷を深く残したままだった。トリィはシーラと正面から向き合う事で、その傷を一つずつ癒し、その傷の重みを軽くした。
上昇志向の物語だった前作に比べ、本作は中盤までシーラの暗澹たる行動が書き連なれていたので若干読むのを後悔していた。しかし、最後にはシーラが過去の過酷な想いから解放された様子が伝わり、良かっ -
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Posted by ブクログ
自閉症の子、難読障害の子、複雑な家庭環境の子、12歳の妊婦、そしてそれを受け持つ先生の物語。
トリイ先生はそのような子供たちをまとめ、クラスとしてギリギリ成立させている。そして起こる山のような問題のどれもが凄まじい。その多くが、到底答えの出せないような複雑な問題だ。それをトリイ先生は一つ一つ考え、なんとか答えに近いものを導き出している。また、わからないものはわからないと、はっきり言っているところが印象的だった。
注意したいのが、この物語はトリイ先生の主観でものごとが進んでいるところだ。そのため、先生が批判していること、考えていることが正解の -
Posted by ブクログ
トリイみたいな先生に教われていたなら、もっと素直でいい子になれたと思う。とか真剣に思わせてしまうシリーズです。ある問題を抱えた子が素晴らしい教師と出会い、問題を解決していく。そして幸せになりました。めでたしめでたし。といかないのが良いところ。そうだよね、傷はそんなに浅くないよね。人の心なんて、分かったふりをして解釈つけることぐらいしか出来ないってことをこれでもかとばかりに思い知らせてくれるから小気味いい。一歩ずつ進んで、希望が見えてきたところで一気にもとに戻ってしまう。何の正解もゴールも見えなくて、諦める方がよっぽど簡単。それでもあきらめないトリイはやっぱり素晴らしい教師だと思う。月並みな表現
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