Nardackのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ評価:☆4.5
早熟な少年少女に贈る、もどかしく苦いラブストーリー。
主人公はかつて自分の兄の彼女に実らぬ恋をしていて、それがトラウマみたくなって何をやっても無駄なんだと無気力な生活を送っていた。
高校でも楽だからという理由で図書委員を選んでいて、同じ図書委員の東雲侑子の熱のない静けさに親近感を覚える。だが彼女にはある秘密が、作家であるという秘密があった。
作家である東雲が「取材」という形で付き合ってくれと主人公に頼み、それをOKするのだが――。といった感じです。
兄貴に劣等感を感じてるところとか、すぐにヤキモチ焼くところとか、色々悩んだりするところとか、とにかく主人公が青い。だがそれ -
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Posted by ブクログ
シリーズ最終巻。高校3年生ということで、テーマは進路。最初の頃は別段特徴もなかった英太だったが、翻訳家を目指すべく海外へ行くという大決断をする。東雲と離ればなれになるという大きな喪失を伴う選択で、そこに至るまでの過程が「東雲のためになにかしたいって事しか思い付かなかった」って、どんだけ好きなんだ!と言いたくなるほど。
良い面悪い面あるのだろうけれど、一所懸命考え抜いた決断ってだけでもう素敵。会話の少なかった兄貴に相談に行っているあたり、意志の強さと彼自身の一年次からの変化をひしひしと感じた。東雲に関しても言うに及ばず。
結末はありきたりなものかも知れないけど、「等身大の青春恋愛小説」(引用 -
Posted by ブクログ
ネタバレ良い終わり方でした。
1巻時点ではただ無気力系男子だった英太が随分かっこよく成長しました。
お互いを想うからこその別れ、そしてその決断というのは余程の意志が無ければ出来ない事です。
ふわふわ浮かんでいると思っていた英太がいつの間にかしっかりと自分の足で立っている事につい感動してしまいました。
東雲との仲はと言うと。
どこか初々しさは残しつつも終始イチャついてます。
でも嫌にならない可愛らしさがたまりません。
そして1巻と比べ表情も増えて悪戯心も持ち合わせた東雲の可愛さは天下一品です。
全三巻と、ラノベでは短い部類ですが、綺麗に収まっていて全体的に見ても完成度の高い作品だったと思います。
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Posted by ブクログ
1巻や2巻は2人のギクシャクした関係の二人が少しずつ近づいていく様子が書かれていましたが、この本では主人公の英太が自分の進路ややりたいことについて悩んでいる様子がメインになっていました。また、作者もあとがきで書いていますが、二人の交際の様子(というよりもいちゃいちゃする様子)もふんだんに書かれていました。
物語中に出てくるいろいろな要素から英太が自分の行く道を決める過程がとても良かったです。
また、いつもどおり、ヒロインの東雲が書いた小説がところどころに挿入されており、物語の締めくくりにも出てきます。その小説の文で終わりにしても十分良かったと思いますが、その後に英太の言葉が入っていて、よ -
Posted by ブクログ
相変わらずニヤニヤが止まらないw
1巻の出会い、2巻の山場を乗り越え、3巻は英太と侑子が終始いちゃいちゃし続けてますw
(余談だけどそのことに対する作者のボヤキがあとがきにあるので、
ぜひ本編読み終わった後にあとがきを読んでもらいたい)
作中で栄太が決めた決断については、個人的に思うことが無くも無い。
独善的過ぎるというか。
それを聞いた侑子の一言目も、当然の反応でしょう。
まぁでも、高校生ということを考えると、そんなもんなのかな。
コンプレックスを抱いていた兄の景介に素直に相談しているあたりは
侑子と付き合うことを通して人間的にも成長したといっていいのかもしれない。
成長したのは、もちろ -
Posted by ブクログ
ネタバレ無気力主人公がふとしたことから大人しい女の子の彼氏役を演じることになり、最初はただの芝居だったものが段々と本当の恋愛感情になっていく・・・と、あらすじを見返してみるとすごくつまらなそうに見える。一昔前の(最近のは知らないが)美少女ゲームの様。3章が終わったあたりで投げようと思った。”ご都合主義”などと批判ありきの言葉に意味があるとは思えないが、それでも「これはないわ」といいたくなるほど。
でも、疑似恋愛を通じて主人公の心を揺るがす自身の世界の狭さ、相手の気持ちが分からない歯痒さ、自分の無能っぷりに対する嫌気と周りへの妬み、などなど書き過ぎってくらい書かれており、読んでて楽しかったなーと思