牛窪恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
楽天トラベルの新春セミナーで著者が講師をされ、その場で購入。
世代の特徴を端的に示す表現が面白いです。
「バブルⅡ世」や「おゆとりさま世代」。
その特徴を現すにも、「お手本はひな壇芸人」とか「スピリチュアルでプチハッピー」とか、表現がいかにも楽しいです。
私自身が団塊ジュニアでまだ若いと錯覚していましたが、一世代や二世代も変わると価値観が変わっていることをよく理解できました。
世代をひとくくりにしてレッテルを貼るのはいかがなものかと思いますが、読み物としては面白かったです。
物心ついたころから不況しか知らない「バブルⅡ世」や「おゆとりさま世代」はどういう傾向があるのか。
時代によって重きをなす価値観が違うのですから、特徴をつかむには良い本でした。
マーケティングで若い世代のセグメンテーションやポジショニングの分析する際には、まず真っ先にこの本を読まれておいたほうが良い気がします。 -
Posted by ブクログ
緻密な20代(~40代)女性・男性に対するインタビューに基づいた、現代の若者の恋愛観・結婚観・子育て観の分析。ただし10年前の著作であることには要注意。フランスはPACS制度により最終出生率が2を超え、人口増加に転じてきたことなどが本分析ではまだ織り込まれていない。
デジタルネイティブとなりポルノ情報にさらされるようになった若者は、性に目覚めることが人格形成に繋がらなくなり、どこにでもあるもの、コンビニ化したものと捉えるようになった。一方で、結婚観が変わっていく過渡期にある現代20代(現在30代)の若者は、アジア伝統の文化スタイル、つまり告白・結婚してからのセックスを重視しており、結婚=セックス=子育て、恋愛=ITにさらされるリスク・相手から受け入れられないリスクを抱えるときめかない行為という背反する価値観に悩まされているととく。文化や価値観が違う2人がすり合わせして家庭を築くのが結婚だと思っていたが、現在(10年前)の若者は文化的なすり合わせは恋愛に必要な行為であり、結婚自体は永遠にすれ違いでも成立するというのが、インタビューに応じた多くの女性の人生観になっているようだ。
日本の出生率減少は危機的状況であり、人口を増やすためにはシングルマザー・ファザーでも子育て自体に価値観をおく人を支援すべきだという結論になりそうに思える論調だが、これも10年前から日本の若者に現出している恋愛観・結婚観の帰結であるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
『恋愛結婚の終焉』を読みながら感じたのは、恋愛・結婚・家族というものが、自分が思っていた以上に歴史的・社会的につくられた制度だったということだ。恋愛→結婚が当たり前だと思っていたが、実際には恋愛と結婚は本来別物であり、日本では近代以降に無理やり接続されたことで様々な矛盾が生じているという説明は非常に納得感があった。
第1章では、女性の上昇婚志向や男性への要求の増加が描かれていた。経済力だけでなく家事能力やコミュニケーション能力まで求められる一方、理想の条件は下がっていないという指摘は確かにそうだと思う。また、恋愛と結婚の役割が混ざっているため、「恋愛では年収関係ないのに、結婚では重要視される」という矛盾も興味深かった。SNS時代の恋愛リスクや、恋愛の代替としての推し文化についても現代的で面白かった。
第2章では、中世ヨーロッパの宮廷風恋愛の話が印象的だった。当時は結婚と恋愛を切り離すことで社会秩序を保っており、むしろ恋愛結婚の方が歴史的には新しい価値観だったというのは驚きだった。また、ロマン主義や産業革命によって恋愛が「人間性の最後の砦」として価値づけられたという説明も面白かった。さらに、恋愛・結婚・出産の三位一体が、共同体や家族の役割が揺らいだヨーロッパ社会で作られた「便利な感情」であるという話はかなり現実的だった。
80年代に恋愛結婚が広がった理由として、経済的安定や共同体の仲介機能があったことも納得感があった。現在は非正規雇用や賃金停滞によって結婚の合理性が弱まり、さらに職場恋愛もしづらくなっている。マッチングアプリで出会いの数は増えても、選択肢が多すぎて逆に選べなくなるという指摘も現代的だった。
第3章では、恋愛と結婚が脳内ホルモンレベルで別システムだという話が印象に残った。恋愛はPEAやドーパミンによる中毒的な状態であり、一方で結婚はオキシトシンなどによる安定した幸福感で成り立っているという説明は非常にわかりやすかった。男性も結婚や育児によってテストステロンが減少し、「父親モード」に入るというのも意外だった。また、一夫一婦制が愛情ではなく、食料運搬や子育て効率といった合理性から生まれた制度という話も面白かった。貨幣経済によって一夫多妻的構造が再び可能になるという視点も興味深い。
第4章のマッチングアプリ論はかなり納得感があった。アプリ利用者が増えても婚姻数が増えているわけではなく、出会いの経路が変わっただけという指摘はその通りだと思う。また、アプリ運営側もマッチングしすぎると会員が減るため、「あと少しで理想の相手が見つかりそう」という状態を維持する方がビジネス的に合理的なのではないかと感じた。恋愛がサブスク化しているという感覚はかなりしっくりきた。
「価値観が合う」が重要視される一方で、それが実際には条件を増やしているという話も印象的だった。さらに、恋愛市場では上位同士が結びつきやすくなり、自由化・平等化が進むほど逆に不均衡が生じるという指摘も興味深かった。男女平等が進んでも、恋愛では依然として上昇婚志向や男性側のプライド構造が残っており、結果としてマッチングが難しくなるという説明には納得感があった。
第5章では経済格差や親の支援について論じられていたが、筆者の提言はやや理想主義的で「バラマキ」に見える部分もあった。ただ、親の経済力がそのまま若者の生活基盤になっているという指摘は現代日本らしいと思う。正規雇用でも6割が親と同居しているというデータは意外だった。また、夫婦別姓についても、20代では男性が苗字を変えるケースも一定数あり、制度より実態の方が先に変わり始めているように感じた。
本書全体を通じて感じたのは、恋愛・結婚・子どもというものが、生物としての本能と文化としての物語の両方に支えられているということだ。筆者は合理的な制度設計や価値観のアップデートを提案していたが、人間の感情やロマンはそこまで簡単には変わらない気もした。最近はルッキズムや性格診断文化も強く、外見や内面を「可視化」して理解した気になる風潮もあるが、実際にそこまで人を見る目があるのかは疑問に感じる。
また、少子化についても、今後未婚者や子どもを持つ人が大きく増えることはないのではないかと思った。人間の幸福観や家族観の不思議さを改めて感じた一冊だった。 -
Posted by ブクログ
恋愛と結婚はなぜ混ぜてはいけないのかという疑問に対して、歴史、脳科学など様々な視点で答えていく部分、とても納得できた。
恋愛するときに出るドーパミンは3年で尽きるほか、恋愛というのは酒やタバコと同じで中毒のような病いであること、そして「恋は盲目」と言われてしまう原因はしっかりと脳の判断能力の低下が確認できることなどを知ってとても面白かった。
マッチングアプリの逆サンクコスト効果や決定回避の法則の部分は、就活している身でもとても勉強になった。確かに選択肢が多すぎて選ぶのを躊躇っているな。と気づいた。
最後の著者の提言はヨーロッパや北米を引き合いに出して日本も〜みたいなことを書いているが、とても現実味がないな、という印象。 -
購入済み
若者が若者なりに自分の考えを持って生きていることを、改めて身をもって感じた。
それにしても自分も大学を出てそんなに経ってないというのに、物語部分の大学生たちの会話を見て「若いなぁ」と感じる社会人1年目(←)。
ワークライフバランスや、買い物をするときに重視する点、結婚も仕事もどっちも!という二刀流世代、起業したい人が大多数、恋人や恋愛への考え方など、時代は変わっていってるなぁと思う。
逆に読んでて、「自分もしかして遅れてる??」とすら感じた。
SNSが浸透してそれを小さい時から使いこなしている若者はきっとこれからの人生、様々な場面でSNSとは切っても切れない関係を持ち続け、それを生かしてビジネスなり私生活なり、していくんだろうなぁと思う。
本を通して1つ下の若い世代の考えを知れて面白かった。 -
Posted by ブクログ
本書は、未婚化と少子化が大きな社会問題となっている中、「結婚には恋愛が必要だ」という呪縛から人々を解放する必要性を説き、若者の「恋愛離れ」を受け入れた上で、「結婚に恋愛は要らない」とする新たな「共創結婚」の重要性を、社会学、歴史学、脳科学、進化人類学、行動経済学など多方面から検証、提案する。
婚活に苦労し、最終的に見合いにより結婚に至った自分としても、本書のいう「結婚に恋愛は要らない」「共創結婚を目指すべき」という主張には大いに賛同するし、その主張が社会に広く受け入れられれば、未婚化・少子化の改善にも一定つながるのではないかと思った。具体的な政策提言が盛り込まれているのもGoodである。また、ロマンティック・ラブ・イデオロギーの欧米や日本における歴史、脳科学に基づく「恋愛3年説」など、本書の内容は知的好奇心を満たしてくれるものだった。
ただ、少し物足りなく思ったのは、奨学金支援の充実や選択的夫婦別姓制の導入など、いろいろと周辺的事情に関する政策提言はあるのだが、従来の恋愛と結婚を結びつける社会通念を見直し、「共創結婚」を推進するための具体的方策(本書では、読者への呼びかけにとどまっている印象)、また、実際に適齢期の若者が結婚と恋愛を切り離し、「共創結婚」をするために何が必要か(どうやって出会い、相手を見極めるのかなど)といった肝の部分があまり書かれていなかったことである。なかなか難しい部分だとは思うが、それらにも踏み込んでもらいたかった。 -
Posted by ブクログ
結婚に恋愛はいらない
納得できるようで納得できないタイトルですが、話の内容は面白かったです。
恋愛、結婚、出産が当たり前だった時代
お見合い結婚の方が、恋愛結婚よりも結婚生活が長く続くなど。結婚の歴史なんかも楽しく読むことができました。結婚の決定権が女性にあった時代
歴史は代わりに現代のマッチングアプリになり、女性に多くのいいねが付く時代。ある意味、女性に決定権が戻ってきた時代なのかもしれない。
但し、情報多可で選択できないことによる不平不満も分かる気がします。時代が便利になるにつれて、結婚が贅沢品、そして子供が嗜好品になるのはなぜなんでしょうね。
脳科学から見た恋愛や結婚のお話も興味深かったてすが、この手の本に、数学や統計、Σ式が出てきたのは新鮮でした。 -
Posted by ブクログ
面白い内容だった。そうだなと同意できる部分もあれば、そうか?と感じる部分もあった。
まず、ロマンティックラブイデオロギーがロマンティック”マリッジ”イデオロギーに変容した、というのは納得できる。「恋愛したからといって結婚しないといけないわけじゃない。でも結婚の前提に恋愛は必要」という考えは、たしかにあるな、と思う。
20~30代未婚で、かつ同時点で恋人がいない男女が約6割もいるというのが驚いたし、20~30代独身女性の約4人に1人(24.1%)、同男性の4割弱(37.6%)が、いま恋人がいないどころか、過去にも「交際経験ナシ(恋人0人)の状態、というデータも驚きがあった。
ドラマ映画小説漫画などの創作物、アイドルや二次元、水商売の相手との疑似恋愛など世の中には恋愛コンテンツが溢れていて、恋愛に対するニーズは現代でも物凄くあるだろう、と思っていた。なのに蓋を開けてみたら適齢期男女の半数以上に恋人がおらず、その上一人もいたことがない人達というのがこんなに多いのか、という驚きがあった。
しかし、先に挙げた疑似恋愛コンテンツが盛んであるがゆえに、実際の交際をしない人が増えたのかもしれないな、と捉えることもできると思う。その場合、本作の中の「若者が恋愛しない理由」の「1「超情報化社会」による恋愛嫌悪と性のコンビニ化」に含まれるだろう。疑似恋愛は、恋愛の楽しいところを多く得ることができるから。
若者が恋愛しない理由5選は、それなりに納得した。しかし、それだけ理由があるにしても「恋愛をどうしてもしたくない人」や「面倒だからしないと決めている人」がたくさんいるのかと言われると違うんじゃないかなと思う。体感だけど。「しないけど、いい人と出会ったらする」人が多いんだろうな~、受動的な人が多いんじゃないかな、と思う。
しかし「恋愛が面倒」な人がいる中で、同時に8割以上が「いずれ結婚するつもり」と答えているデータは面白い。すごい傲慢だし無謀だし強欲だなと感じた。
21年時点で、7割前後の未婚男女(18~34歳)はいずれも親と同居している、というデータに対し、一人暮らししている人間が思っていたより少ない事に驚いた。
本作では、若者に対して「経済力とか容姿とかのパッケージまで求めると中々結婚難しいし、そういうのは諦めて無防備な自分をさらけ出せる相手と結婚しよう」みたいなことを言ってるな~~と思う。ロマンティックラブからコンフルエントラブに変えようという試み。スペックよりも中身の相性を重視し、恋愛力の高い人と恋愛を楽しむ部分は求めず、サステナブルな生活を送れる相手と結婚しようという提案。
結婚の形がそのように変容してくれたらいいなと思うが、ただこの提案が現在恋愛してないけどいつか結婚はしたいと思っている人間に響くのかな、とは思う。多分響かないだろうな、という諦めもある。
先に述べた通り現代の疑似恋愛コンテンツは充実していて、創作物は最高にキラキラしたドラマチックでロマンティックな恋愛がメイン。(もちろん、ドロドロしたものや辛いものも十分あるが、それもまた恋愛の劇的さの演出になっている)そうなると、いざ現実で恋愛するとなったときに相手に求めるものが肥大化してしまう、というのもわからなくない。
本作では男女共に(特に女性に対して)「結婚相手に求めるもの」が多すぎるということがデータと共に示されている。それが結婚率低下の現代に繋がっているのだなとわかる。
本作は恋愛結婚をやめよう、という提案をしているが、新しく提案されてるコンフルエントラブ型の結婚も、「相手と価値観が合う」「無防備な自分をさらけ出せる相手と出会う」という点で定義されていて、「それができたら苦労しないのでは?」と感じてしまった。それって恋愛結婚と何が変わるんだ?っていう。そもそも結婚相手に求めるものの男性1位女性2位の項目が「価値観が合うこと」なのに。
本作の中で提案されている「恋愛をやめる」は、「相手に恋愛力を求めることをやめる」ってことなんだろうけど。でもそれをやめたとて「価値観の合う相手」と仲良くなったりするのって難しいんじゃないかな、と思った。カタログスペックの条件をなくし、完全に「相手の(所謂)中身」だけを見て結婚するか判断するにしても、その中身を把握し、相手にも自分のことを知ってもらうのが大変だと思うので。
恋愛を抜いて、人生を生き抜くためのパートナーとしての結婚を行っていこう、という提案だったらわかるし、いいなと思ったんだが。ただ、子供を増やすため(少子化の解決のため)に結婚する若者を増やそうとするのであれば、恋愛抜きの結婚ってかなり難しいよな、と思う。あまりにも現代では性と恋愛が結びつきすぎていると思うから。「性ー恋愛ー結婚」みたいな構図に今の社会通念ではなっている気がしていて、恋愛を挟まない相手とセックスなんてできない、と感じる人が多いんじゃないかな、と個人的には思う。
色々と考えさせられるデータが多い本で面白かった。