あらすじ
早期離職、タイパ重視、恋愛しない、飲み会嫌い、スマホ中毒……若者の「それ」、本当ですか?
近年、日本の職場や消費の現場で、あるいは少子化のキーマンとして、広く注目される「Z世代」。実は、メディア発信による既存イメージの多くが、彼らの実像を見えにくくし、他の世代との大きなギャップを生んでいる可能性が、指摘され始めています。
たとえば、「会社をすぐ辞める」「恋愛・結婚は面倒」「お金を使わない」「打たれ弱い」「親とベッタリ」「政治に無関心」……など。こうした世間でのイメージの背後で、実際の令和の若者・Z世代の多くは何をどう考え、なぜそのように振舞っているのでしょうか?
本書では、消費者研究で定評のある世代/トレンド評論家・牛窪恵が、令和の若者1600人以上への大規模調査(※)と55人へのデプス(1対1)インタビューを基に、彼らのナゾにとことん迫ります!
(※大規模調査=協力:CCCマーケティング総合研究所)
●本書に登場するZ世代のナゾ●
○なぜ第一志望に決まった直後に「転職サイト」?
○なぜ「いいね」の数より「界隈」を好む?
○なぜ仕事と恋愛は「トレードオフ(両立できない)」?
○なぜ健康志向なのに体に悪そうなモノを買う?
○なぜ「地元好き」なのに都会や海外に出ていく?
【目次】
第1章 若者は「すぐ辞める」のか――仕事と働き方のナゾ
第2章 若者は「ニッポン」に興味がないのか――政治と起業、地元志向のナゾ
第3章 若者は「結婚が面倒」なのか――恋愛と結婚のナゾ
第4章 若者は「親に甘えすぎ」なのか――家族と出産のナゾ
第5章 若者は「お金を使わない」のか――消費とSNS、友人関係のナゾ
第6章 若者と、どう歩んでいくべきか――Z世代と創るニッポンの未来
Z世代の皆さんへ 行動経済学に基づく「3つの知恵」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2025.9
▽文章を書くために第5,6章のみ先に読んだ
前に読んだ『Z世代/原田曜平著』から5年後の世界
2025年のZ世代が書かれた本
たしかにアップデートされていて
この順番で読んで良かったと思った
大人もZ世代も、
そのどちらもが読むことを想定されていて
かなり寄り添った文章で愛のある結びだった
Posted by ブクログ
ざくっと知るにはいいかもしれないが、テーマが多岐にわたり、話がコロコロ変わるのでまとまりがないようにも感じる。飛ばし飛ばし読む分がちょうどいい。
情報社会になっていることで便利な反面、考えることが多岐に及びすぎて、とてもじゃないがZ世代と一括りにできない気がしてる。
Posted by ブクログ
ゆとり世代とZ世代の境目という立場から読むと、多くの部分に「分かる」と共感できた。
将来年金はもらえないと考えていること、コロナやテクノロジーの急速な進化といった激しい変化を目の当たりにしてきたことから、自己成長への強い強迫観念があるそう。動画を早送り再生したり、同じ場所に長く留まれないなど、タイパを重視する考え方にも共感した。
印象的だったのは、政治と恋愛に関する話。
政治については、正義感や自己肯定感、共創欲求が強いことから、石丸さんや齋藤さんのSNS戦略が世代にマッチしていたという点が興味深かった。中長期的な施策よりも、「短期的に役立ちそう」「イイカンジ」といった感覚で判断する傾向があるそうで、最近話題になった某政党の動きが思い浮かんだ。
恋愛については、LGBTQをはじめ多様な性が認められるようになったことで、自分自身の恋愛観が分からなくなる人が増えているという。また、恋愛は面倒でお金もかかるため不要と考える人も多く、「恋より推し活」「恋愛よりも自分で完結できる楽しいことがたくさんある」という価値観が広がっているそう。単なる恋愛離れではなく、「自分の感情や生活を他者に依存させない」というセルフマネジメント志向の強まりでもあるとのこと。
さらに、「深いコミュニティとだけつながっていればいい」という考えも根強いそう。そのため、加工せずに日常を共有できるBeRealやGravityの流行、「〇〇界隈」という閉じた趣味コミュニティの広がりは、自分の価値観を安心して表明できる“心理的安全地帯”を求める動きとも読める。最近人気の「もんた界隈」「ののち系」もその延長線上にあるように思う。
(この辺りはなんで人気なんだろうとさっぱり分からなかったけど腑に落ちた。)
「やりがいは副業で、生活の糧は本業で得る」という働き方の考え方も印象的だった。「好きなことで生きていく」的な理想追求型が多いのかなと思ったら、実態は自己肯定感の低さや将来不安からくる“リスク分散型”の現実思考だった。このバランス感覚が変化の激しい時代を生き抜くための世代的戦略だとのこと。(これも個人的には腑に落ちてないけど弟や年下世代見てると似た考え方の人多い印象)