牛窪恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
17~23歳ぐらいの「ゆとり教育」世代を対象にした消費意識を読み解いた本。
彼らの親はいわゆるバブル世代であり、いい意味で上昇志向のある世代の子供たち。
彼らの世代はいじめ問題を経験。いじめといっても大人への反抗という主旨のものではなく、仲間いじめという意味でのいじめ問題。
したがって、「悪めだち」をしてしまい、コミュニティからはずされたりすることを潜在的に恐れている世代。
したがって、その反作用としてつねにゆるやかにつながっていることを求める。とはいっても目だ立たないことをよしとするわけではなく、自分自身のキャラクターのポジショニングを考え、そのポジショニングにあった、仲間から「リスペクト」されることをすることに満足を覚える。
これらの行動はWebによるコミュニケーションによる影響という側面もある。
Webにおいて重要なのは、話題性のあるインパクトとツッコめるボケがあること。
したがって、リスペクトされるためならこれらの話題づくりに対する消費は厭わない傾向がある。
おゆとりさま世代が求めるのは安く買えるものだけではなく、「誰かといっしょ」「ゆるくつながる」を感じながら、喜びをシェアして「温もり」を実感するものである。 -
Posted by ブクログ
【阪神ファンの解体新書となる本】
推し活によって幸せが増える。その最上級が阪神タイガースのファンなのでは、という目線で書かれている。
昨今の推し活文化と阪神ファンの相似点や相違点がまとめられており、様々な心理的効果を交えながら分析している。
特に、人をチームを応援する熱狂はなぜ生まれるのかというテーマを大きく掲げている。その心理的分析が興味深かった。熱狂しすぎなファンはどう生きれば安寧を保てるのかまで言及している点が良かった。
一方で、例え話がここ最近の阪神の選手にフォーカスされており、ミーハー感が否めず、ディープなタイガースファンにはあまり刺さらないだろうと思う。
他球団ファンやジャニオタとの比較があれば、より阪神ファンがなぜ幸福かわかるのだが、その特別感が希薄だった。他の推し活をしている人にも同じことが言えるのでは、という内容にも受け止められる。
ただし、いち阪神ファンとして、くすりと笑える本だったことは間違いない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ将来の漠然とした不安(経済面)と短期離職・転職問題、SNSの浸透(他人との比較、ドーパミン中毒の加速)、マッチングアプリやサブスク利用の増加など、大きなリスクは取りたくないが時間を無駄にしたくない焦り、常に成長しなければという意識を持っている人が多いZ世代。そんな窮屈で不安定な世界の中で、常に自分の存在価値を確認したい、少しでも不安を解消したいという意識は、実際に人と関わったり新しい行動を起こすのは億劫だが気軽に人と繋がりたいという意味でSNSと相性が良い。逆に、そういったストレス(SNS疲れ)から解放されたいという人も増えている。
α世代(今の10代)という言葉も出てきて、時代の流れは非常に早く、今多くの人が当たり前とする価値観も次々に変化、もしくは覆されるんだろうなと思う。
人との関わりが減りロールモデルも減ったわりに、価値観の多様化や時代の変化によって選択肢は広がり続けているから、何を選んでいいのか分からない。自分の意思が分からない。そういう人が増えてそう。そしてこの辺は4章でも触れられていた毒親問題とも関わりがありそう。
コスパ・タイパの過度な重視は、無意識のうちにサンクコスト(金銭的・時間的コスト)を軽く見積ることにも繋がっており、最後の決断を「まあいいや」と安易に下す・決断を先送りすることになりやすいらしい。皮肉なことに要領良く物事を進めようとする人ほど、後に苦労する結果を導く可能性があるという話が面白かった。
Z世代の傾向として当てはまっている部分・似ている部分も多かったので、自分もなんとなく時代の価値観に染まっているんだなと客観視できた。あと、Z世代の考え方や傾向を表す言葉がたくさん出てきて勉強になった。α世代についての本も読んでみたい。
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Posted by ブクログ
英才教育による刷り込みで物心ついた時からファンである私は阪神ファンの7類型のうち「親虎タイプ」。
自分でも気づいておらず、生まれながらの気質と思っていた「幸福感と熱狂の理由」が、もしかしたら阪神ファンだから!?かもしれない??
30におよぶ行動経済学や心理学に阪神ファンの幸福感を語らせる論法は、ややこじ付けに近いところもあるものの、『阪神ファンにとって、タイガースは趣味ではない、「人生」そのものなんです。』は名言すぎる。
チーム アイデンティフィケーション(チームID)
選手と自分を重ね合わせるような「拡張自己」、「一体化感情」は組織作りでも取り入れられそう。
総TORACO計画やろうかな笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレゆとり世代とZ世代の境目という立場から読むと、多くの部分に「分かる」と共感できた。
将来年金はもらえないと考えていること、コロナやテクノロジーの急速な進化といった激しい変化を目の当たりにしてきたことから、自己成長への強い強迫観念があるそう。動画を早送り再生したり、同じ場所に長く留まれないなど、タイパを重視する考え方にも共感した。
印象的だったのは、政治と恋愛に関する話。
政治については、正義感や自己肯定感、共創欲求が強いことから、石丸さんや齋藤さんのSNS戦略が世代にマッチしていたという点が興味深かった。中長期的な施策よりも、「短期的に役立ちそう」「イイカンジ」といった感覚で判断する傾向があるそうで、最近話題になった某政党の動きが思い浮かんだ。
恋愛については、LGBTQをはじめ多様な性が認められるようになったことで、自分自身の恋愛観が分からなくなる人が増えているという。また、恋愛は面倒でお金もかかるため不要と考える人も多く、「恋より推し活」「恋愛よりも自分で完結できる楽しいことがたくさんある」という価値観が広がっているそう。単なる恋愛離れではなく、「自分の感情や生活を他者に依存させない」というセルフマネジメント志向の強まりでもあるとのこと。
さらに、「深いコミュニティとだけつながっていればいい」という考えも根強いそう。そのため、加工せずに日常を共有できるBeRealやGravityの流行、「〇〇界隈」という閉じた趣味コミュニティの広がりは、自分の価値観を安心して表明できる“心理的安全地帯”を求める動きとも読める。最近人気の「もんた界隈」「ののち系」もその延長線上にあるように思う。
(この辺りはなんで人気なんだろうとさっぱり分からなかったけど腑に落ちた。)
「やりがいは副業で、生活の糧は本業で得る」という働き方の考え方も印象的だった。「好きなことで生きていく」的な理想追求型が多いのかなと思ったら、実態は自己肯定感の低さや将来不安からくる“リスク分散型”の現実思考だった。このバランス感覚が変化の激しい時代を生き抜くための世代的戦略だとのこと。(これも個人的には腑に落ちてないけど弟や年下世代見てると似た考え方の人多い印象)