松本剛史のレビュー一覧

  • 悪党たちのシチュー(新潮文庫)

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     新潮文庫は偉い! ここのところ古いロス・トマ作品をチョイスし翻訳し、流行りの時期が過ぎたとは言え、初訳、しかも文庫での出版という、ファンとしては垂涎ものの本を供給してくれているのだ。古い時代の作家なので今更ロス・トマと言ってもわからない人は多いのかもしれないが、かく言うぼくにとっては海外探偵小説及びハードボイルドを語る上での最高レベルの作家の一人がこのロス・トーマスであり、当然ながらぼくは全作読破しており、前作に愛着を覚えている者の一人である。

     ロス・トーマスの全盛期は1980年代(現在70歳のぼくが20~30代の頃)であり、パソコン通信で冒険小説&ハードボイルフォーラムを主宰していた時

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    2026年03月12日
  • 悪党たちのシチュー(新潮文庫)

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    ネタバレ

    2026年の6冊目は、ロス・トーマスの「悪党たちのシチュー」です。恥ずかしながら、初めて、ロス・トーマスを読みました。1983年の作品ながら、今読んでも面白いのは、傑作の証だと思います。謀略スリラー、コンゲーム、バディ物の要素も有り、1つに括るのは、難しいです。
    冒頭のシトロンの強烈な体験の回顧シーンから、ラストのヘールの場面まで、緩むこと無く進みます。
    トゥカモンドに到着してから、ラストまでが本当に素晴らしいと思います。特にラストの回収シーンが大好きです。脇役の登場人物1人1人まで、きちんとキャラクターが立っているのも、流石だと思います。翌年に発表された「女刑事の死」もぜひとも、読みたい所で

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    2026年02月11日
  • THE WORLD FOR SALE(ザ・ワールド・フォー・セール)  世界を動かすコモディティー・ビジネスの興亡

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    コモディティ商社と著名現物トレーダーの実態と歴史を綴った名著。日本の商社や金融機関のペーパートレーダーは出てこない。
    現代の独立系商社の代表格、GlencoreやTrafiguraらの光と闇に迫っている。この業界に関わる人なら間違いなく面白い。

    今日のコモディティ商社が、第二次世界大戦後の激動の世の中でどのようにして生まれ、いかにして成長してきたか、マークリッチやグランゼンバーグといった主要人物に焦点を当てながら語られる。

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    2025年09月01日
  • 金利 「時間の価格」の物語

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    金利が高い、低い、で、何が起こるのか、を、ここ数百年分まとめています。ゼロ金利政策は、日本だけかと思ったら、欧米でもそれに近い事は行われていたんですね。中国の不動産バブルはマジでヤバそうです。

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    2024年11月14日
  • THE WORLD FOR SALE(ザ・ワールド・フォー・セール)  世界を動かすコモディティー・ビジネスの興亡

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    コモディティ商社について歴史的な背景から踏まえて解説をしている。後半の参考文献のページだけでも50ぺージ以上ある。

    コモディティ商社のトレーダーが表舞台に立つことなく、違法も承知の上でビジネスをして世界を動かしてきたことがよくわかる。
    特に資源を安く買い付けて時間差で高く売るというようなことを繰り返してきたことが分かる。
    政治的な関与はせずにあくまで経済合理性のある取引をすることがポリシーのようだが、実際にはその経済的リターンが取引相手に入ることで政治的な行動が加速されていることもよく分かる。

    世界情勢に影響を与えてきたとも言え、知っておいて損はないだろう。
    ただ、主に石油やアルミなどの資

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    2024年08月12日
  • 父を撃った12の銃弾 下

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    ネタバレ

    ハンナ・ティンティ初読。ずっと読みたかった作品。文庫化を待った甲斐があった!

    物語は娘ルーの成長が描かれる現在の章と、父ホーリーが初めて撃たれた時から現在に至るまでの章の二つが交互に語られる。
    ルーの章は、ティーンならではの苦悩、恋愛が描かれ、所謂ヤングアダルト小説のよう。
    一方ホーリーの章は、どこかで手を引いて真面目に暮らしたいと思いつつも、ついついヤバイ仕事に手を染めてしまう、ハードボイルド風小説を味わうことができる。
    どちらの章も良いが、特にホーリーの章は一つ一つの完成度が高い。そして毎回、痛い目にあう笑

    出版された時期的に「ザリガニの鳴くところ」と比較されそうだが、「ザリガニ・・・

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    2023年06月28日
  • 【無料ダイジェスト版】INSANE MODE インセイン・モード イーロン・マスクが起こした100年に一度のゲームチェンジ

    購入済み

    自動車業界を深く知れる

    テスラを中心にかなりマニアックなまでに、自動車製造業界の話を知ることができる作品です。製造や販売の裏には必ず戦略があり、その戦略を用いて新しく「革命」を起こすことはリスクの面でかなりの勇気が要りますが、ここまで熱意を傾けないと技術的な革新成功は得られないということを感じさせられました。

    #タメになる

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    2021年11月06日
  • ミステリアム

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    久しぶりにディーン・クーンツさんの小説を読めた喜びに浸っている。彼の作品は、想像すらしたこともないような悪と、善良な主人公が対峙する手に汗握るミステリー的なものが多い。本作も純粋な悪と善良なる主人公との戦いが繰り広げられる。テンポよく物語が展開し、ページをめくる手が止まらなくなる娯楽作品だ。
    本作品は著者の作品である『ウォッチャーズ』の続編といってもいい作品で、賢い犬が登場する。
    クーンツさんの作品は、以前は書店に多数文庫本が並んでいたが、今はあまり見かけなくなってきた。本書は書店で見かけて、声を上げそうになるのを抑えて喜びとともに手にとった。原題は『DEVOTED』、辞書によると、忠実な、献

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    2021年06月28日
  • ミステリアム

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    高機能自閉症で天才少年のウッディと、人語を解するゴールデンレトリバーのキップが出逢う時、新たな歴史が動き出す!
    ウッディが父親の死の真相を探る中で敵対する巨悪が、権力を持っているし残虐で容赦ない。どう切り抜けるのか?というところで”ミステリアム”が重要な鍵となります。
    無垢なる者たちと彼らと運命を共にする大人たちも魅力的。緊迫した最終決戦が圧巻でした!

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    2021年05月12日
  • ミステリアム

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    「ミステリアムとは何なのか」を調べず、前作を読んだ直後に読み始める。
    ここ2週間ほど仕事が忙しく、落ち着いた時間も取れずつらつらと読み進めるがこの本がどうにも面白く、少しずつだと読後感にも影響が出そうで読むのがもったいなくなり「読みたい」けど「まとまった時間でドップリ読みたい」という葛藤を繰り返していました。

    何故かはわからないが人間の言葉を理解し、そんな自分のことを理解してくれている飼い主と暮らす犬のキップ

    高機能自閉症であり、言葉を発しないが特別な頭脳を持ち「事故死した父親の謎」を調査する少年、ウッディ

    その彼を愛し、苦難に立ち向かう
    ウッディの母親、メーガン

    キャンプ地で虐待を受

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    2021年04月29日
  • ミステリアム

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    ネタバレ

    やはりクーンツのワンコの話に外れなし‼️

    一気読みしてしまいました。

    愛する人を亡くしたゴールデンレトリバーのジップ。
    そして、高い IQの持ち主でありながら高機能自閉症で言葉を発したことがないウッディ。

    心で語り合う一人と一匹の友情の何と尊く美しい事か。

    見守る大人の素晴らしいこと。

    クーンツ、大好きです!

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    2021年04月23日
  • これほど昏い場所に

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    前兆のない自殺者増加の謎に、
    同様の症状で
    自身の夫を亡くしたFBI捜査官が迫るサスペンス

    内容はベタな捜査官モノですが、やはりクーンツ…すごい惹きつけ方で読者を引っ張り読ませていきます。
    謎を追う彼女を脅迫してくる邪悪な「彼ら」からの逃走劇など、クーンツあるあるが満載なのも嬉しい…
    ただの焼きまわしと言うわけではなく、監視カメラやGPSによる「敵の網」テロ、邪悪な組織、政府機関 など現代の「1984」を盛り込んでます。

    タイトルの「昏い場所」の意味とは
    現代のアメリカの暗い未来への嘆き。

    なのですが、暗殺者グレイマンの様な孤独な闘いをする主人公なのに、出会う良い人悪い人を含む様々な人

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    2018年10月28日
  • 金利 「時間の価格」の物語

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    めっちゃ面白かった!
    読むのはタフだが、金利の発生から現代の政策に応用されるまでの歴史を辿っての解説はとても引き込まれた。
    とにかく面白い内容だった。

    読み物としても学術書としては色んな人に読んでほしい作品だった。

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    2026年03月25日
  • 悪党たちのシチュー(新潮文庫)

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    アフリカ某独裁国家の刑務所で食人という悪夢を経験したことでトラウマを抱えて帰国し、落ちぶれていた辣腕ジャーナリストのシトロンは、くせ者政治屋ヘールに雇われる。現政権の大きな弱みともなるスキャンダル情報を入手すべく、協力を求められたのだった。勇躍、中米の軍事国家へと調査に向かったシトロンは、隠蔽されていた同国での過去の不祥事の内実を探りにかかるが……。思わぬ展開、魅力的な人物造型にも磨きがかかった、悪だくみと騙し合いの極旨ごった煮【シチュー】は、1980年代を代表する巨匠の大傑作。

    痛快な小説。ロス・トーマスをまだまだ読みたい!

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    2026年03月19日
  • 悪党たちのシチュー(新潮文庫)

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    唯一無二のシブさに痺れちゃう!政治の裏側で生きる悪党たちの犯罪&政治諜報小説 #悪党たちのシチュー

    ■あらすじ
    アフリカの刑務所に収監されていたジャーナリストのシトロン、帰国後に政治家の資金調達係であるヘールに雇われる。ライバル政治家が不利になるゴシップ情報を収集すべく行動するも、様々な利害関係者がふたりを襲う… 国をつかさどる悪党たちの犯罪&政治諜報小説。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    この唯一無二な感じ、さすがロス・トーマスですよ。古き良きアメリカンクライムムービーを観てるみたい。

    まず物語の冒頭、最初のシーンで一気にストーリーに引き込まれますよね。主人公のひとり、ジャーナリストのシ

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    2026年02月08日
  • 革命の時代(下) 1600年から現在までの進歩と反動

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    相変わらずザカリアの文章はとても面白い、確かに面白いのだが、今作はなんだかしっくり来ない。いくつか理由があるように思う。
    本書では、オランダ、イギリス、フランス、アメリカの4つの革命を取り上げ、ここから何らかの示唆が出そうとする。ただ、その4つを取り上げた理由は判然としない。普通に考えればロシアか中国が入るべきではないか?ザカリアは、イギリスでは「ボトムアップ的変化」が成功した一方、フランス革命では急進的な「トップダウンの変革」が恐怖政治と混乱を生んだと対比するが、では日本の明治維新は何だったのかとも思う。
    後半は、テクノロジーの進化やグローバリゼーションについて論じるが、特にテクノロジーにつ

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    2025年07月30日
  • 父を撃った12の銃弾 下

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    原題 THE TWELVE LIVES OF SAMUEL HAWLEY

    Life can only be understood backwards,

    人生は後ろ向きにしか理解できないが、

    過去の回想と現在進行形の物語が紡ぎ出す、未来。最終章でルーが撃ち上げる先に待ち受けるものはなんなのか。明るく、または暗く、あるいはぼんやりと、読み手の立ち位置によって違ってくると思います。いずれにせよ、ホーリーは解放されるんじゃないかなぁ。ルーはもう大丈夫。

    前を向いてしか生きられない、のです。

    but it must be lived forwards.
    -Søren Kierkegaard

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    2025年04月30日
  • 目的の力 幸せに死ぬための「生き甲斐」の科学

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    ”目的”を持つことが人生を豊かにするだけでなく、物理的にも科学的にも医学的にも役に立つことが、心理実験などのデータを交えて紹介される。
    いずれも目新しい事ではないが、”目的の力”にフォーカスされているので分かりやすい。

    特に”SPACE”の5つ「Sleep(睡眠)」「Presennce(マインドフルネス)」「Acetivity(運動)」「Creative(創造=文化的活動)」「Eating(食事)」が重要であるという視点で構成されている。

    実の娘との死別で文章が始まるが、全体的にエッジの効いたユーモアがあちこちにあり、哲学的な考察もありながらも平易な文章で最後まで楽しんで読める。

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    2024年08月11日
  • 金利 「時間の価格」の物語

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    5千年にわたる金利の推移のグラフが興味深かった。
    最近の日本等の低金利が異常なことを再認識しました。

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    2024年07月09日
  • THE WORLD FOR SALE(ザ・ワールド・フォー・セール)  世界を動かすコモディティー・ビジネスの興亡

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    面白い

    いかにコモディティー商社が抜け目なく資源国の政府に取り入っていたか。


    スイスは企業天国。
    企業に対して甘い

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    2023年07月11日