【感想・ネタバレ】父を撃った12の銃弾 下のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ハンナ・ティンティ初読。ずっと読みたかった作品。文庫化を待った甲斐があった!

物語は娘ルーの成長が描かれる現在の章と、父ホーリーが初めて撃たれた時から現在に至るまでの章の二つが交互に語られる。
ルーの章は、ティーンならではの苦悩、恋愛が描かれ、所謂ヤングアダルト小説のよう。
一方ホーリーの章は、どこかで手を引いて真面目に暮らしたいと思いつつも、ついついヤバイ仕事に手を染めてしまう、ハードボイルド風小説を味わうことができる。
どちらの章も良いが、特にホーリーの章は一つ一つの完成度が高い。そして毎回、痛い目にあう笑

出版された時期的に「ザリガニの鳴くところ」と比較されそうだが、「ザリガニ・・・」ほど過酷な運命ではなく、どちらかと言うと「拳銃使いの娘」に似ているか。テイスト的にも。

欲を言えば、ある意味第3の主役である母リリーの出番がもう少しあれば良かった。美しく、気高く、強い母をもう少し堪能したかった(それはそれで彼女との別れのシーンが辛くなるが。。。)。

想像どおり、読み終えたくないほど大変楽しい読書時間でしたので、ぜひ次作の邦訳もお願いします!

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2023年06月28日

Posted by ブクログ

同系統の「ザリガニの鳴くところ」に引けを取らない傑作。何と言っても父の過去が描かれる、連作短編のような12の「銃弾」の章が秀逸。特に「#7、8、9」以降のエピソードは劇的で心揺さぶられた。最後「銃弾#12」で娘視点の現在パートと繋がる構成も見事。アメリカの大自然と相まって印象的なシーンがたくさんあり、もし映像化されるようなことがあれば絶対見たいと思った。

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2023年05月28日

Posted by ブクログ

ルーの両親が共に生き抜いた歴史が語られ、母の死の謎が明かされる。
父の身体に刻まれた傷痕の因縁が、父娘に迫る。
ホーリーは、亡くなった妻への思い。ホーリーの娘を大切にする気持ちとルーの父親に対する思い。銃弾がそれらの思いを明らかにする。
アメリカらしい家族の絆の物語になっている。
しかし個人的には、ホーリーに、完全には共感できない。

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2023年06月11日

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