【感想・ネタバレ】ミステリアムのレビュー

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Posted by ブクログ

久しぶりにディーン・クーンツさんの小説を読めた喜びに浸っている。彼の作品は、想像すらしたこともないような悪と、善良な主人公が対峙する手に汗握るミステリー的なものが多い。本作も純粋な悪と善良なる主人公との戦いが繰り広げられる。テンポよく物語が展開し、ページをめくる手が止まらなくなる娯楽作品だ。
本作品は著者の作品である『ウォッチャーズ』の続編といってもいい作品で、賢い犬が登場する。
クーンツさんの作品は、以前は書店に多数文庫本が並んでいたが、今はあまり見かけなくなってきた。本書は書店で見かけて、声を上げそうになるのを抑えて喜びとともに手にとった。原題は『DEVOTED』、辞書によると、忠実な、献身的な、という意味とあった。本書にぴったりの題名だ。
訳者のあとがきで、最近の作品とか紹介されるパターンを期待したが、残念ながら著者の近況紹介はなかった。
未訳の作品があれば、ぜひ日本語で文庫化してほしい。

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2021年06月28日

Posted by ブクログ

知性を持った犬、自閉症の少年、進化の道を辿る元CEO、ダークウェブの殺し屋たち、腐敗した悪徳保安官とこれでもかキャラクターを詰め込んでスピード感のある物語。とても楽しめた。他のクーンツ作品もぜひ読んでみたいと思わせる傑作だった。

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2021年06月09日

Posted by ブクログ

高機能自閉症で天才少年のウッディと、人語を解するゴールデンレトリバーのキップが出逢う時、新たな歴史が動き出す!
ウッディが父親の死の真相を探る中で敵対する巨悪が、権力を持っているし残虐で容赦ない。どう切り抜けるのか?というところで”ミステリアム”が重要な鍵となります。
無垢なる者たちと彼らと運命を共にする大人たちも魅力的。緊迫した最終決戦が圧巻でした!

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2021年05月12日

Posted by ブクログ

「ミステリアムとは何なのか」を調べず、前作を読んだ直後に読み始める。
ここ2週間ほど仕事が忙しく、落ち着いた時間も取れずつらつらと読み進めるがこの本がどうにも面白く、少しずつだと読後感にも影響が出そうで読むのがもったいなくなり「読みたい」けど「まとまった時間でドップリ読みたい」という葛藤を繰り返していました。

何故かはわからないが人間の言葉を理解し、そんな自分のことを理解してくれている飼い主と暮らす犬のキップ

高機能自閉症であり、言葉を発しないが特別な頭脳を持ち「事故死した父親の謎」を調査する少年、ウッディ

その彼を愛し、苦難に立ち向かう
ウッディの母親、メーガン

キャンプ地で虐待を受けそうになっているキップを助けた元軍人で作家のベン

突如莫大な遺産と不思議な犬を預かることになった女性、ローザ

ある研究で事故に遭い、身体能力が劇的に飛躍した企業のCEO、シャケット

もう、ひとりひとり主人公で作品描いても成り立つ感じなんですよね、濃いな…
 研究の事故として生まれた邪悪な存在に、危険を知った賢い犬と人々が協力して立ち向かっていくのは前作と同様ですが、現代版に仕上げられています。

 単純に「賢い犬なら見世物にしてどうにか金に変えてやろう」みたいな考えでサイコな殺し屋とかは出てこないのですが、いつの時代も変わらず短絡的に仕事として暗殺を行う人や、より賢く冷酷に人を支配しようとする人々が出てきます。

 自分達も経緯はわからぬまま進化やそこからの地球に暮らす生命としての発展にまで想いを巡らす者達、他者よりも強く素早く凌駕しようと駆け上っていく者達の対比が描かれているように見えました。

 犬を飼っている人が読むと、またちょっと深く楽しめる部分もあるのかもしれない。(私も飼っていたが逃亡し、のちに意外な形で再開を果たすが、それはまた別の話) 作者の犬への想いが伝わってきます。

「ウォッチャーズ」について「前作」と書いているけれども「正統継承作品」と言った方がしっくり来る。
読んでると感動が大きくなる部分はある。ネタバレではないのだが、ある者たちがたどり着けない謎(過去の出来事)=ウォッチャーズでの出来事というだけで「読んでいると更に楽しめる!」というやつでした。

比較すると前作には「ストーカーサイコ野郎」と「悲しき怪物」が出てきますが、今回はソレのハイブリッド版が出てきたり、キップとベンのやりとりは前作の主人公を彷彿とさせる感じがあったり
「嗚呼、まだ物語は続いてたのね…」と、続編の良さというか喜びを感じました。
(※本の発売は前作から30年近く経ってます。私が前作から今作を読むまでは数日しか経ってないのですが…)

読んでて「コレどうやって終わらせるんだ???」と心配になった部分もあり、詰め込んだ感もありましたが、面白かったです。

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2021年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やはりクーンツのワンコの話に外れなし‼️

一気読みしてしまいました。

愛する人を亡くしたゴールデンレトリバーのジップ。
そして、高い IQの持ち主でありながら高機能自閉症で言葉を発したことがないウッディ。

心で語り合う一人と一匹の友情の何と尊く美しい事か。

見守る大人の素晴らしいこと。

ーンツ、大好きです!

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2021年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ワイアーを使って会話できる犬たち、なぜかワイアーを使えるウッディ。
犬と会話できたら楽しいだろうな、と思わせる話。
長寿を目指して古生物の遺伝子を研究していた施設で、感染してしまったリーと、ミステリウムの犬たちとウッディたちの戦いなのかと思ったら、最後リーは自爆?してしまった感じで少し肩透かしを食らってしまったが、とても面白く読めた。
リーはこのまま生き延びて、第二弾も書いてほしいぐらい。
ワイアーの犬たちがどこから来たのかとか、これからどうなるのか気になる!

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2023年04月02日

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 ワンコ大好き、クーンツのホラー。

 あれ、なんか違うww
 でも、クーンツ的、王道ですよ。
 自閉症の少年に、その美しい未亡人の母親、そしてそれを助けるナイスガイ、で、不気味な敵。

 そしてワンコ!!!

 「ウォッチャーズ」的なのは、もうどうしようないけど、読んでいて、これこれ、これを求めていたのよ、って思っていたよ。
 いやあ、やばい、「ウォッチャーズ」の魔力。
 なんせ、ワンコ大嫌いの私が、小説よんだだけで<ワンコ大好き>に急展開させられた作品だからな。

 とはいえ、キングもそうだけどクーンツも年をとっているわけで…。
 敵が、もうどうしようもないクズで不気味にキモイのだけど、どこか哀れがあるのよね。
 で、クーンツも丸くなったなぁとしみじみするのである。

 結末にむかっていく高揚感は、まさにクーンツって感じ。
 うん。
 人生はやり直しがきくし、人の心には、必ず<光>がある。

 面白かった。

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2022年03月29日

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SF小説。研究所でバイオハザードが起きる。自閉症の天才児ウッディが登場する。これまで喋ったことがない。喋らない人を何も考えていないと決めつけることはコミュニケーション至上主義の誤りである。

「あの子が黙っているのは、もし言葉を発しようとしたら、長年抑えつけていた気持ちが恐ろしい勢いでほとばしり出てきて制御しきれず、生の感情をむき出しにしたショッキングな言葉を口走ってしまうと思っているせいかもしれない」(193頁)

これは漫画『鬼滅の刃』の富岡義勇と重なる。義勇は口数が少ない。しかし、独白では色々と喋っている。

「パインヘイブンは犯罪の温床にはほど遠い。この国に蔓延するドラッグ汚染もまだいまのところ、この静かな片田舎を深刻なほど侵していない」(45頁)。この文章は依存性薬物の蔓延と犯罪の相関を表している。依存性薬物が蔓延すると犯罪も蔓延する。

警察官は腐敗している。犯人の自動車から見つかった現金や宝石を自分のものにしてしまう(380頁)。日本でも広島県警広島中央署で警部補が2017年5月に特殊詐欺事件で押収された現金8572万円を窃盗したと書類送検された。

アメリカでは保安官も選挙で選出される。日本では警察署長に相当する。代議制民主主義は議員を選挙で選び、議員の多数派が行政機構を支配する。これは行政機構を上から支配するが、面従腹背の公務員に支配を貫徹することができない。公務員組織の中にも民主主義を入れることは大きな意味がある。

一方で行政機構の政治的中立性という点からの批判が考えられる。しかし、公務員も人間であり、公正中立ということは幻想である。党派には党派で対抗することがバランスになる。既存の民主制度の問題点は多数派が総取りすることである。保安官選挙で1位の候補者が保安官になり、2位の候補者が副保安官になるという仕組みにすれば多数派の党派支配を防げる。

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2021年11月07日

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「ウォッチャーズ」の正当な続編、というのはさもありなん。物語に直接の繋がりはないのですが、ここに登場する犬たちは明らかにあのアインシュタインの子孫たちなのだろうか、と思えます。犬好きは必読。ちなみにとことん猫派、「ウォッチャーズ」の一番の魅力はアウトサイダーの悲哀だろう! と思っている私でも、犬が可愛いと思えました(笑)。
知能を持った犬のキップと、高機能自閉症の少年ウッディ。その素晴らしい出会いと、彼らを追う恐ろしい者たちの脅威。という骨組みは「ウォッチャーズ」と似ていると言っちゃ似ているのですが。今回の方が危機は大きいのでは。ウッディの素晴らしい知能、そして彼の周りに集まる人たちも素晴らしいのだけれど。敵が邪悪なものに姿を変えたあいつのみならず、プロの殺し屋集団まで来ちゃうだなんて! ま、クーンツですから。大団円は間違いないだろうと信じながらもどきどきしっぱなしです。
しかしそれにしても。ラストの殺し屋集団を迎え撃つあの作戦は……唖然とした後、抱腹絶倒。なんてことするんだ! そりゃあ殺し屋たちも混乱するわ! 凄いことやってくれます。

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2021年08月17日

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クーンツなので勧善懲悪。善側がものわかりが良すぎる人ばかりなのは気になるものの、これもクーンツだ。これがキングなら何人死んでるか…と比べるのは悪い癖。ワンコかわいい。

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2021年12月11日

Posted by ブクログ

作者の犬への愛情が、溢れ出ている作品。
作中から好きな一節、「彼らには規律と思いやりがある。彼らは犬なのだ。」

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2021年06月25日

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