熊谷淳子のレビュー一覧
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「人間は様々な情報をもとに合理的に判断する理性のある生き物だ」という思い込みを根底から覆す一冊。
自分たちの決断が無意識のうちに別の力(感情、相対性、社会規範等)に大きく左右されていることを、様々な実験を用いてわかりやすく説明してくれている。行動経済学という小難しそうな学問だが、クスッと笑える実験も多く、ユーモア溢れる素敵な本。
人は自分の決断を正当化しようとしてしまう傾向がある、っていうことが書かれている章があるのだけれど、
確かに正当化の危険を認識し、常に選択を振り返り内省することは大切な一方、
時には自分の選んだ選択を「正解」と思って突き進むことも大切だなと思ったり。バランス感が難しい。
人間はとっても不合理で、それがまた人間らしくて、なんだかほっこりした。 -
Posted by ブクログ
行動経済学のケースが数多く、易しい文体で取り上げられている為、人がどれほど不合理か、ということがよく理解ができる一冊。
タイトルの通り、人は予想通りに不合理である
しかも、不合理であり続けているため、未来にとる行動も不合理と予測できる、ということが一番の気づきであった。
たとえば、無料の魔力。
1000円のギフトカードを無料で貰うか2000円のギフトカードを700円で購入するか、という選択肢の場合どちらを選ぶでしょうか。
合理的に考えると、1300円得をする方を選ぶのだが、ほとんどの人は1000円のギフトカードを無料で貰うこと選ぶ。
また人は自分が何を求めているかわかっていない。そのため、他の選択肢と比較して、初めて自分が求めているものを理解する。
その際、似ているAとA’に加えて、異なるBの選択肢という3つの選択肢であれば、AとA’に目がいきどちらかが選ばれる
つまり、何を選ばせるかはコントロールがされやすいことを意味している
他にも、アンカリングであれば、何の根拠のない数字、例えばマイナンバーの下二桁を記載した後にオークションに参加すると、下二桁が大きい数字の人は入札価格が高く、下二桁が小さい数字の人は入札価格が低くなる。
これは、はじめに見た数字がアンカーとなって、人の判断基準に影響を及ぼしている。
こういった合理的に考えれば選ぶであろう選択肢を選ばない、という不合理さを一貫して持っていることに気づき、日々の生活やビジネスに役立てられる本です。 -
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ネタバレ怪しいタイトルだけれども、実はキチンとした科学書。
幸せって難しいよねー、な一冊。
人が幸せをうまくつかめないのは、「慣れ」の問題だと僕は思っているけど
筆者はどちらかというと「予測」するから、ってのが一応の趣旨かな。
この「予測」が人は(自分が自分を特別だと思うために)うまくいかないんだけど、「他人だったらどう思うか?」だと意外と正確な答えを当てられたりする。
つまり残念ながら、アナタも私も特別ではない普通の人だということなんだな。
ただ、この部分が悪いというわけではなく、むしろそれは生きる上で「幸せ」になるコツのような気もする。
まぁこうまとめてしまうと強引だけど、人は人であるがゆえに「幸福」になれることもあれば「幸福」になれないこともあるというか。
「幸福」だって感情の一つなのであれば、そう感じる際の傾向を掴んで生きていきましょうね、という感じですね。 -
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ブラックストーン・グループ共同創業者であるスティーブ・シュワルツマン氏の回顧録。この物語は、M&Aアドバイザリー業界のキーマンであったシュワルツマン氏と投資銀行の重鎮であったピーターソン氏が、遠方出張までした訪問の予定をドタキャンされ、雨のなか途方に暮れる場面から始まる。本書内に自身のキャリア自慢はほとんどない。変わりにビジネスや起業の本質が随所に詰まっている。
冒頭の軽んじられたエピソードとは対象的に、氏は相手を尊重し役立つことを大切とする。そこにビジネスチャンスがあるとしている。そうした利他的な精神に加え、圧倒的行動力、徹底的リスク管理が巨大な帝国をゼロから生み出した原動力となった。
氏の語る社会人になった初期の基礎力と早い段階の人脈は本当にそのとおりで、ビジネスマンの方は可能な限り早い段階で本書を読むことをおすすめする。示唆に富む一冊。 -
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「人間だけが未来を考える」を根底にし、さまざまな理論を展開する本書。
読めば読むほど、自覚ありな経験がたくさんのっており、自分を第三者目線から見る感覚に自然となる。
特に、人は減ることにとてつもなく恐怖を覚えるというのが、たしかになぁと実感する部分があった。最近テレビ番組で、賞金が増えていくのではなく、賞金が減っていく企画があるのはそのためだろう。日々、未来を推測する人間ではあるが、それはたしかな結果をもたらすとは限らない。
何のために人は想像し、今を改めるのか…?
しかし、そもそも理由なんて考えようとするから、人間は人間たる所以なのかもしれない。
最後に文章体について、
文章が簡潔かつ、実験内容が面白く、すっと入ってくるため、とても読みやすい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ基本はどうやってブラックストーンをつくったかの伝記の本です。
本からの学びは、巻末の仕事や人生に役立つ25のルール。
伝記はそれの論拠というイメージの本。
1, 大きなことをするのは、小さなことをするのと同じくらい簡単だ。努力に見合う報酬を得られ、追いかけることに値する空想を追求しよう。
2, 一流の経営者は生まれつくのではなく作られる。彼らは決して学ぶことを辞めない。大きな成功をおさめている人や組織に出くわしたら、くわしく研究しよう。向上の助けになる現実世界からの無料の授業のようなものだ。
3,尊敬する人に手紙を書くなり電話をかけるなりして、助言や面会を求めよう。どんな人が会う気になってくれるかわからない。重要なことを学んだり、生涯にわたって切り札となるつながりができたりすることもある。人生の早い時期の出会いは、ほかにはない結びつきを生む。
4, 人間にとって自分の問題ほど興味深いものはない。他の人が何に取り組んでいるかを考え、助けになるアイデアを提案できるように心がけよう。どんな目上の人もどんなに重要な人も、考え抜かれた内容であればたいていは新しいアイデアにも耳を貸すものだ。
5, どんなビジネスも、相互に関連する個別の部分からなる閉じた統合システムだ。優れた経営者は、各部分が単独でどう機能するか、ほかのすべての部分とどうかかわって機能するか理解している。
6, 情報はビジネスにおいてもっとも重要な資産だ。知識が増えれば増えるほど、より多くの視点をもてるようになり、競合より先にパターンや異常を発見する可能性が高くなる。新しいインプットに対して常に心を開いておこう。これは人にも経験にも知識にも言える。
7, 若いうちは、学べることが多くてしっかり研修させてもらえる仕事につこう。最初の仕事が基礎になる。立派そうに見えるというりゅうで就職するのはよくない。
8, 自己紹介をするときは、印象が重要なことを覚えておこう。全体として筋が通っていなければならない。きみが何者かを示すあらゆる手がかりを相手は探してる。時間厳守。等身大で臨む。準備する。
9,どんなに聡明な人でも、ひとりであらゆる問題を解決することはできない。しかし、頭のいい人が大勢で素直に話し合えば問題を解決できる。
10, 困難な立場にある人は自分の問題にばかり目を向けがちだが、その答えはたいてい他人の問題を解決することにある。
11, 自分自身のニーズよりも大きいものを大切にしよう。会社でも、国でも、兵役でもかまわない。自分の信念や価値観に突き動かされて挑戦することは、成功しても失敗しても価値がある。
12, 自分の善悪の感覚から逸脱してはいけない。清廉潔白をつらぬく。小切手を書いたり自分の懐が痛んだりしない状況で正しいことをするのは簡単だ。なにかをあきらめなければならない状況で正しいことをするほうが難しい。常に有言実行を心がけ、自分の利益のために人を惑わしてはいけない。
13, 大胆に。成功する起業家、経営者、個人は、今がその時だと思えばすぐに行動する自信と勇気を持っている。他の人が慎重な時にリスクを受け入れ、他の人が動けずにいる時に行動を起こすが、それを賢く行う。この特徴はリーダーの印だ。
14, 自己満足してはいけない。なにごとにも永遠はない。個人であろうと企業であろうと、自分自身をつくりなおし、改善する方法をたえず模索しなければ、競争相手に負けてしまう。とくに組織は意外なほど脆弱だ。
15, 最初の売り込みで商談が成立することはめったにない。自分が何かを信じているからと言って、他の人も信じてくれるとは限らない。繰り返し説得力のある言葉で売り込む必要がある。ほとんどの人は変化を好まないため、なぜ変化を受け入れるべきかを納得させる必要がある。自分が欲しい物を求めることを恐れてはいけない。
16, 大きな変革の機会を見たら、誰もそれを追いかけていないからといって心配する必要はない。他の人には見えないものを自分だけが見ているのかもしれない。問題が困難であればあるほど競争は限られ、解決できる人への報酬は大きくなる。
17, 成功はまれな機会を活かせるかどうかが全てだ。心を開き、よく注意して、いつでもチャンスをたえずつかめるようにしておこう。ふさわしい人材と資源を集め、専念する。そのような努力をする準備ができていないのであれば、そのチャンスは思ったほど魅力的でないか、自分がそれを追求するのにふさわしい人間ではないかのどちらかだ。
18, 時間はどんな取引も傷つけ、時には台無しにすることさえある。待てば待つほど、待ち受ける不意打ちも増える。特に厳しい交渉では、合意に達するまで全員をテーブルに縛り付けておこう。
19, 決して損失を出すな!あらゆるチャンスについてリスクを客観的に評価しよう。
20, 意思決定は準備ができたときにしよう。追い詰められた状態で意思決定をしてはいけない。周りの人は自分たちの目的や内部の政治など第三者的な必要性から決断を迫ってくるだろう。しかしほとんどの場合、「もう少し考える時間が必要だ。また連絡する」と言えばいい。この戦術は最も困難で不快な状況でさえやわらげるのに非常に有効だ。
21, 心配することは、能動的に心を解放する働きだ。適切な方向に向けられていれば、どんな状況でもマイナス面を明確にし、それを避ける行動につなげることができる。
22, 失敗は、組織にとって最高の教師だ。失敗について率直かつ客観的に話そう。なにが悪かったのか分析しよう。意思決定屋組織行動について新しいルールを学ぶことができる。しっかり評価すれば、失敗は組織のたどる方向を変え、将来的にさらなる成功につながる可能性を秘めている。
23, 可能な場合はいつも10点満点の人材を採用しよう。10点の人材は、問題を見つけ出し、解決策を立案し、事業を新しい方向へ向かわせることに積極的だ。彼らは他の10点満点の人材も惹きつけて雇う。10点の人材がいれば必ず何かを作り上げることができる。
24, いい人だと思う相手のためなら、他の人が立ち去ってしまっても、そばにいてやろう。誰でも厳しい状況に陥ることはある。相手が必要としている時になにげなく親切に振る舞うことは、人生の流れを変え、予期しない友情や絆を生み出すことがある。
25, 誰にでも夢がある。他の人が目標を達成するのを助けるためにできることをしよう。 -
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凡人にはもはやまったく参考にならないレベルで傑出した人物の自伝(であり自社の宣伝)。
プライベートエクイティという分野は金融の中でもとくにややこしい。まずレバレッジ、とか、オルタナティブ投資とかいった言葉のイメージが湧かないと前に進めない。
が、だから読まないというのもいささか勿体無い。
というのも、本書はイメージ的にはざっくり3部にわかれていて、具体的には
1 若いときの挫折や苦労
2 バンカー、あるいはファンド創業期の活躍
3圧倒的な政治的影響力(トランプ政権のブレーン、米中交渉のキーパーソン)
がそれぞれ主題であり、金融がわからないと退屈なのは第二部に当たる部分だけ、とも言えるからだ。
「成功するには、本来なら身をおく資格のない状況や場所に身をおかなければならない。おのれの愚かさに首を振り、そこから学べばいい。」
こんな金言が散りばめられているから、とくに我こそは社会を背負って立つ者なり、と前を向いている若者は読んでみる価値はある。
さて、ここにある数々のビックディールの記述に興奮しつつ、そして踏ん張るべきときに踏ん張り倒すその胆力に心から尊敬の念を覚えつつ、しかし読み終えてなお思うのは、「国家の役に立ちたい」という著者の気持ちはまちがいなく本物として、一説には年収(毎年!)800億円、という収入の多くがごく限定的な税率でしか課税されないこと、そして本人がその気になればその税制に影響を与えられることへの抑えきれない疑問だ。
努力して富と名声を得ることは全くもって正しい。ファンドは世の中で思われているようなアンフェアな稼ぎ方(ばかり)をしているわけではない。
とは言え、では労働の対価である所得税よりはるかに安いというアメリカの証券税制ははたして本当に正しいのか。
奇しくも日本の新しい首相が、就任早々に資産への課税の議論を撤回したとの新聞記事を読みながら暫し沈思黙考するのであった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ世界屈指のPEファンドの創業者の自伝。
感想。凄く刺激的でした。
備忘録。
・金融業界で働き始めたとき、著者は仕事のストレスに対処できなかった。どの交渉も激しい感情のぶつかり合い。著者は呼吸法で対応した。先ずは呼吸を落ち着かせる。会話の合間にゆっくり間を置いて大丈夫。
・採用面接のコツ、空港テスト。飛行機が遅れて空港で足止めを食った場合、この志望者と2人で待つ気になるか。それくらい相互理解が必要。
・実はブラックストーン1号ファンドに当時の日興証券が投資していて、それをきっかけに日本でまとまった資金が集まったという。
・実績がない状況では手頃なやりやすい案件など集まってこない(そんなのは他の会社に仕事が回る)。難しくて他社ができない案件しか回ってこない。設立当初のブラックストーンはそれをやり遂げる必要があった。
・投資家には大きく二つのタイプがいる。少しでも高値掴みを避けたいタイプと、落札に必要な額を出せずにまたとない機会を逃すことが最大のリスクと考えるタイプ。著者は後者だと。落札できた後のあらゆるオプションやその価値を考えるべしだと。
・景気の波は見分けられる。市場の天井は比較的にわかりやすく、買い手は自信過剰で「今回はバブルではない」と考えている。周囲の何人かが金持ちになり始めたらそれもアラーム。好調な市場での儲けは長くは続かない。
・ブラックストーンの投資委員会のルール。全員発言、投資案件のマイナス面に注目、決して個人攻撃はしない。また数人の実権者だけで話をせず、末端でExcelを回しているものにも聞いてみる。
・ブラックストーンの新人には、「卓越」と「誠実」を求めている。卓越とは、あらゆることにおいて100%であり、ミスをしないこと。そのためにはタスクが多ければ減らす(他の人に任せる)、積極的に周囲の助けを得る。
・困難な立場にある人、自分の問題ばかりに目を向けがちだが、その答えはたいてい他人の問題を解決することにある。
・時間はどんな取引も傷付ける。待てば待つほど不意打ちが増える。
・意思決定は準備できた時にする。速やかな意思決定を求めるものは、たいてい自分本位だ。堂々と「もう少し考える時間が必要だ」と言おう。
・いい人だと思う人のためには最後までそばにいてあげよう。