あらすじ
食べすぎて、憎しみあって、浮気して……進化心理学が明かしたヒトの(困った)本性を乗り越えるための理論と実践、それこそが仏教に他ならない。認知バイアス研究のはるか以前から、仏教は「無我」や「空」の概念で自己と世界のありようを正しくとらえてきたのだ。マインドフルネス瞑想が私たちの脳にもたらす驚くべき変容から「悟り」の境地までを科学的に裏づける、知的興奮に満ちた全米ベストセラー。解説/魚川祐司
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Posted by ブクログ
タイトルにひっかかる人がいるかもしれないが、著者は仏教徒ではない。”仏教のすすめ”ではないのでそこはご安心を。
基本は自己意識についてのけっこう最新の認知科学・心理学の観点の紹介で、あわせてそれが仏教から見た人間・生き方についての捉え方と通底していることを、著者自身の瞑想等の体験もからめて解説している。砕いていうと、心安く生きるためにどんな気の持ち方をしたらよいかを、ちゃんと納得したい人のための本、と言えるかもしれない。
僕ももちろん仏教徒ではないし、この本を読んで仏教に入信したりはしないが、いろいろ興味深かった。納得感もけっこうある。
Posted by ブクログ
人間の感覚や欲望が狩猟時代の設計されたプログラムによって駆動しているという指摘は、すごく納得できました。狩猟時代には栄養豊富な果物が欠かせなかったことから甘いものを欲しがったり、数十人数百人規模の小さい集団で暮らしていたが故に人の目を気にしすぎたりするのも、今の時代だと逆に足を引っ張る“古いプログラム”なんだろうなと。考えてみると、現代の悩みってそのミスマッチから生まれてることが多い気がします。
無我についてはまだちゃんと理解はできていないですが、思考は自分で考えてるというよりは勝手に頭に浮かんでくる感じで、それに対してすぐ良いとか悪いとかラベルを貼ってしまう。
その思い込みが苦しみを作ってるんだろうなと。
生存のために組み込まれた古いプログラムにただ従うのではなく、それを観察し、距離を置くこと。それこそが仏教の実践の核心であると個人的には感じました。
Posted by ブクログ
仏教は宗教ではなく哲学ですね。
「仏教の世界観は、科学の研究成果と齟齬を来さない」(ちくま新書「現代語訳 般若心経」玄侑宗久)ということを改めて確認。