中上健次のレビュー一覧

  • 新装新版 十九歳の地図

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    宇佐美りんが「推し」ている著者ということで手に取る。
    4つの中編が、当初は別々のものかと思いきや、最後の話しからどうも一人の男の小学生、19歳、20代半ばのことを書いていると読み取れる。
    社会の底辺で生きる若者、朝鮮への差別、、、「そこのみにて光り輝く」にも通じる重苦しさが、しんどいながらも読み切った。

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    2021年05月23日
  • 岬

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    芥川賞を受賞した表題作である「岬」など4編を収録。
    いずれも面白いという感想には至らなかったが、まさに純文学という感じは受けた。

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    2021年04月11日
  • 岬

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    比較的読みやすい純文学。
    クソみたいな男は今も昔も存在するんだなと
    複雑な形の人間関係模様が生々しかった

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    2021年01月10日
  • 岬

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    ネタバレ

    昭和の複雑な家庭が描かれた四編。

    混み入った血縁関係による葛藤や苦しみが、この本の大部分を占めている。生まれた場所、逃れられない血の繋がり、若さによる暴力的なエネルギーに否応なく巻き込まれた。
    一人一人の濃厚な人生が絡み合っているので、主人公とは別の人物から見たらどんな世界なのか読んでみたい。

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    2020年11月23日
  • 岬

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    登場人物の縦と横の関係がよく分からなくなる事もあったけど独特の世界観があって面白かった。
    ある意味唯一無二。
    たまに読みたくなる作家のひとりかも。

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    2020年07月25日
  • 紀州 木の国・根の国物語

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    枯木灘や岬を復讐するようにこのルポルタージュを読んだ。
    差別、被差別の感覚は、ざらっとした感覚として持っていたけど、内面をえぐるような表現で、心を揺さぶられた。
    そして、改めて島崎藤村の破戒を読みました。

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    2020年05月06日
  • 新装新版 枯木灘

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    同じ内容が繰り返される内容だったが、最後は引き込まれていった。自分の人生を振り返る良いきっかけとなった。このような名作を読みながら、考える。自分に置き換える。そういった作業が成長のキッカケになりうると思った。長い、小説であったが一度時間を開けてもい一度読んでみようかと思う小説であった。

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    2018年09月17日
  • 千年の愉楽

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    感覚的にやや距離を感じた物語でした。血筋によって運命付けられているというその諦念には哀れも感じるが、取り上げた子らの生き様を見るオババの視点が面白い路地サーガ。

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    2018年05月17日
  • 紀州 木の国・根の国物語

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    紀州に横たわる漂泊者と非人の歴史。私が産まれた頃にはリアルだった歴史の残像。東日本にいると全く理解出来ない、この皮膚感覚。
    分からないから読むのですよ。

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    2017年12月11日
  • 新装新版 十九歳の地図

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    1946和歌山県じんぐう神宮市生まれ 46歳の若さで逝去 拠り所のない鬱屈を瑞々しい筆致で捉えた青春小説の金字塔 朝鮮部落の豚小屋 抑揚の定まらない口笛 インディアンの襲撃の雄叫びの真似 万国旗と日の丸の旗 子供特有の想像力を展開 計画の進行をうなが促す刺激剤 才気煥発 白色レグホン 鮒 樫枝かしえだ あざけ嘲って 灌木種の枝 朋輩ほうはい 首つっとる 梢こずえ 人非人にんぴにん 猛った感情 功成り名遂げる 寒さにあらがい抗い 手練手管を語り始める 凍えた空気と自分の体の温もりが完全につりあう黄金比 蝸牛がつがうようにつがっていた 士気色 青色吐息 補陀落ふだらく 熊野の山奥 天王寺 針中野

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    2017年08月24日
  • 千年の愉楽

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    他の方もおっしゃってるように、どことなくガルシアの『百年の孤独』を想起させるような、題名と内容。
    「高貴で穢れた血」を持つ者の生き死にを、路地唯一の産婆のオリュウノオバが追憶する物語でした。

    半蔵や三好など個々の人物とその淫蕩な人生に焦点を当てつつも、中本の一統の血筋への悲哀と諦念、そしてオリュウノオバによる生命の尊さ、清らかさの賛歌が全編に渡って貫かれている。淡々と流れるような言葉の紡ぎ方と、内と外の関係性、その三段階の視点の設定が特徴的。

    淫蕩で怠惰だけれど高貴で尊い、という矛盾を矛盾させることなく描いているのが素晴らしい、けれども繰り返し繰り返し同じ言葉で直接的に語るのは若干単純な気

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    2016年10月01日
  • 新装新版 十九歳の地図

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    わっけわっからーん。と思いつつ、あれ?これって一度読んだことあるかもしれない。高校ぐらいのとき……でもその時もわけわからんかったと思う。

    中上健次の作品では同じモチーフが容れ物を変えて何度も繰り返されるようだ。
    和歌山の川と海と山に囲まれた町、父親の違う兄妹、どこかからの流れ者、火つけ、兄の自殺、精神を病んだ次女、酒を飲むとカッとなる性格……などなど。

    ただ感じ方があまりにも自分とはかけ離れていると感じる。「十九歳の地図」の主人公は僕にとって異質なものだ。このド田舎の、言ってみれば人里離れた集落の、アヴァンギャルドで放恣な登場人物たちの姿や生活が、あまりにかけ離れすぎている。

    ・「一番は

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    2015年03月09日
  • 中上健次

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    初めて中上健次氏を知り、著書を読みました。
    和歌山の古座・串本・大島・新宮あたりの
    どろどろとした日本的な村落の風景が感じ取られる
    ような作品。むかし白浜に向かう42号線の風景が
    少し重なる感じを持ちました。
    日本の昔の風俗というか、愛憎や愛欲などが克明に
    多く語られているのですが、少々食傷気味です。

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    2015年02月28日
  • 新装新版 十九歳の地図

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    小説の持つ力、熱、質量、そういったものはものすごく高い。10代や20代の前半に読んでいたら、衝撃たるや今の比ではなかっただろう。ただ、この年齢に達してから読むと、ちょっと取り残されたような、過ぎ去った日々を懐かしむような、妙に老成した気分になってしまった。再読すれば、また印象が変わりそうな気がするが。
    (2015.2)

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    2015年02月06日
  • 千年の愉楽

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    ものすごく乱暴かつ陳腐に言い表すと、「生」と「性」が濃密に絡み合っている作品。通称「路地」を舞台にした連作短篇集ですが、<各篇が小宇宙、一冊で大宇宙>というより、<各編が大宇宙、一冊で無限大>という感じでしょうか。自分にはスケールが大きすぎて理解できていないことが理解できるので、評価は曖昧な★★★

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    2014年07月20日
  • 千年の愉楽

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    一人の産婆の視点から見た
    野良猫のように
    生まれ死んでゆく
    路地の男たちの物語。

    短命なのは
    中本の血のせいなのか
    漢ぶりのせいなのか。

    憧れる。

    とりあえず
    短命でも良いので
    彼らのようになりたい。

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    2013年09月04日
  • 十九歳のジェイコブ

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    正直に言うと表紙につられて買いました。綺麗だもん。音楽好きすぎ、ヤクやりすぎ。音楽を聴いている描写が心地良い。

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    2012年09月08日
  • 紀州 木の国・根の国物語

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    空疎なスピリチュアルブームなんかで伊勢や熊野に注目するのではなく、
    その土地の空気歴史を感じる姿勢が大事だと思って読んでみた。
    ガイドブックにあるような観光スポットをめぐるだけでは決して分からない、
    そこに住んできた人を知り、その生活を知る、紀州においてそれは部落差別の問題と切り離すことはできない。
    そういったことを知る事によって紀州の景色は全く違ったものに見える。

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    2011年03月24日
  • 千年の愉楽

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    中上 健次の描く世界は、日本語が持ち得るエネルギーの塊を熱いまま僕らに見せてくれる。
    男はどこまでも強くそして心細く、路地裏の匂いと音が襲ってくる。

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    2009年10月04日
  • 十九歳のジェイコブ

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    これを読んで、マイルスの「skeches of spain」とアーチーシェップの「attica blues」を買いました。

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    2009年10月07日