中上健次のレビュー一覧
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1946和歌山県じんぐう神宮市生まれ 46歳の若さで逝去 拠り所のない鬱屈を瑞々しい筆致で捉えた青春小説の金字塔 朝鮮部落の豚小屋 抑揚の定まらない口笛 インディアンの襲撃の雄叫びの真似 万国旗と日の丸の旗 子供特有の想像力を展開 計画の進行をうなが促す刺激剤 才気煥発 白色レグホン 鮒 樫枝かしえだ あざけ嘲って 灌木種の枝 朋輩ほうはい 首つっとる 梢こずえ 人非人にんぴにん 猛った感情 功成り名遂げる 寒さにあらがい抗い 手練手管を語り始める 凍えた空気と自分の体の温もりが完全につりあう黄金比 蝸牛がつがうようにつがっていた 士気色 青色吐息 補陀落ふだらく 熊野の山奥 天王寺 針中野
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Posted by ブクログ
他の方もおっしゃってるように、どことなくガルシアの『百年の孤独』を想起させるような、題名と内容。
「高貴で穢れた血」を持つ者の生き死にを、路地唯一の産婆のオリュウノオバが追憶する物語でした。
半蔵や三好など個々の人物とその淫蕩な人生に焦点を当てつつも、中本の一統の血筋への悲哀と諦念、そしてオリュウノオバによる生命の尊さ、清らかさの賛歌が全編に渡って貫かれている。淡々と流れるような言葉の紡ぎ方と、内と外の関係性、その三段階の視点の設定が特徴的。
淫蕩で怠惰だけれど高貴で尊い、という矛盾を矛盾させることなく描いているのが素晴らしい、けれども繰り返し繰り返し同じ言葉で直接的に語るのは若干単純な気 -
Posted by ブクログ
わっけわっからーん。と思いつつ、あれ?これって一度読んだことあるかもしれない。高校ぐらいのとき……でもその時もわけわからんかったと思う。
中上健次の作品では同じモチーフが容れ物を変えて何度も繰り返されるようだ。
和歌山の川と海と山に囲まれた町、父親の違う兄妹、どこかからの流れ者、火つけ、兄の自殺、精神を病んだ次女、酒を飲むとカッとなる性格……などなど。
ただ感じ方があまりにも自分とはかけ離れていると感じる。「十九歳の地図」の主人公は僕にとって異質なものだ。このド田舎の、言ってみれば人里離れた集落の、アヴァンギャルドで放恣な登場人物たちの姿や生活が、あまりにかけ離れすぎている。
・「一番は