中上健次のレビュー一覧
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わっけわっからーん。と思いつつ、あれ?これって一度読んだことあるかもしれない。高校ぐらいのとき……でもその時もわけわからんかったと思う。
中上健次の作品では同じモチーフが容れ物を変えて何度も繰り返されるようだ。
和歌山の川と海と山に囲まれた町、父親の違う兄妹、どこかからの流れ者、火つけ、兄の自殺、...続きを読むPosted by ブクログ -
小説の持つ力、熱、質量、そういったものはものすごく高い。10代や20代の前半に読んでいたら、衝撃たるや今の比ではなかっただろう。ただ、この年齢に達してから読むと、ちょっと取り残されたような、過ぎ去った日々を懐かしむような、妙に老成した気分になってしまった。再読すれば、また印象が変わりそうな気がするが...続きを読むPosted by ブクログ
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ものすごく乱暴かつ陳腐に言い表すと、「生」と「性」が濃密に絡み合っている作品。通称「路地」を舞台にした連作短篇集ですが、<各篇が小宇宙、一冊で大宇宙>というより、<各編が大宇宙、一冊で無限大>という感じでしょうか。自分にはスケールが大きすぎて理解できていないことが理解できるので、評価は曖昧な★★★Posted by ブクログ
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一人の産婆の視点から見た
野良猫のように
生まれ死んでゆく
路地の男たちの物語。
短命なのは
中本の血のせいなのか
漢ぶりのせいなのか。
憧れる。
とりあえず
短命でも良いので
彼らのようになりたい。Posted by ブクログ -
空疎なスピリチュアルブームなんかで伊勢や熊野に注目するのではなく、
その土地の空気歴史を感じる姿勢が大事だと思って読んでみた。
ガイドブックにあるような観光スポットをめぐるだけでは決して分からない、
そこに住んできた人を知り、その生活を知る、紀州においてそれは部落差別の問題と切り離すことはできない。...続きを読むPosted by ブクログ